朝ドラ『虎に翼』の主人公・猪爪寅子のモデル・三淵嘉子さんは
ともに明治大学で学んだ
中田正子さん、久米愛さんと日本初の女性弁護士となります。
出典：日本総論社「三淵嘉子・中田正子・久米愛 日本初の女性法律家たち」
女性検事の第2号となった佐賀小里さんによれば、
久米愛さんは、スラックスでつかつか歩いてくるイメージ。
三淵嘉子さんは、丸ぽちゃでおしゃべり好きの明るい人。
中田正子さんは、すらりとした貴婦人タイプ。
引用「女性法曹のあけぼの 華やぐ女性たち」
と三者三様を表現しています。
こちらのページでは中田正子さん・久米愛さんといった三淵嘉子さんの明治大学の仲間、そしてキャストについて紹介します。
朝ドラ『虎に翼』 久米愛
さっそく”スラックスでつかつか歩いてくるイメージ”の久米愛さんをご紹介します。
久米愛とは
中田正子さんや三淵嘉子さんと共に日本初の女性弁護士となり世間を沸かせた久米愛さん。
1911年（明治44年）に大阪で生まれ、夕陽丘高等女学校、津田英学塾（現・津田塾大学）で英語を学んだ後、明治大学専門部女子部に入学されます。
当時、女性は良妻賢母になるという考え方が一般的でしたが、 久米愛さんは自由主義、個人主義の持ち主でした。
「ひとりぼっちでいてもなお自分を捧げられる仕事が欲しい」
と婚約者に宛てた手紙につづっていたそうです。
1938年（昭和13年）に結婚し 3人の子供を授かります。
夫は戦争に駆り出され、子連れで疎開をされました。戦後すぐにご長男を4歳で亡くされています。
1946年（昭和21年）明治大学短期大学教授に就任。
飾り気のない明るい誠実な人柄。
的確で合理的な判断。
まやかしを許さぬ 厳しさを持ち合わせておられたと言われています。
久米愛さんは三淵嘉子さんととても仲がよく、家族ぐるみのお付き合いもありました。
「久米さんは付き合えば付き合うほど素晴らしい人でした。
私は始終彼女を尊敬して、そして心の底から好きでした。」
と三淵嘉子さんは語られています。
女性の法律家のトップとしても注目を浴びています。
1950年（昭和25年）には 婦人使節団の1人として約4ヶ月のにわたりアメリカ各地を見学。
そこでアメリカのように日本での女性の地位を向上させるべく、女性 のために働く決意を固めたと言います。
帰国後日本婦人法律家協会（現・日本女性法律家協会）を設立し会長に就任。
三淵嘉子さんが副会長を務めます。
1959年以降は政府代表として度々国連総会に出席し、亡くなるまでの26年間、会長職を務めあげます。
そんな多忙な日々でも、家事をテキパキこなし、料理上手で子供にも愛情を注ぐなど家庭とも両立されていたということです。
女性運動において指導的役割を果たされた久米愛さんでした。
”スラックスでつかつか歩いてくるイメージ”山田よね…土居志央梨
久米愛さんの”スラックスでつかつか歩いてくるイメージ”はとことなく
群れることなく颯爽としている男装女子、女性の社会進出に燃える「山田よね」を思い出させますね！
朝ドラ「おちょやん」出演経験のある土居志央梨さんが演じられます。
長身でとっても素敵です。
生年月日：1992年7月23日
出身：福岡県
身長：168cm
血液型：O型
事務所：ファザーズコーポレーション
趣味：生演奏での歌唱
特技：クラシック・バレエ、ピアノ
在学中から多くの舞台や映画に出演します。
今後もきっと多くの監督さん達が、物凄く興味をそそられる存在になるんではないでしょうか」
寅子たちのリーダー久保田聡子役…小林涼子
寅子たち明律大学女子部法科の先輩である久保田聡子。
ものごとをはっきり言う性格で、面倒見が良く、密かに後輩に慕われています。
女性初の弁護士になる役どころで、こちらも久米愛さんのイメージに近いと思います！
生年月日：1989年11月8日
出身：東京都
身長：160cm
血液型：O型
事務所：ステッカー
ドラマ「砂時計」「王様に捧ぐ薬指」「ハヤブサ消防団」
「ワタシってサバサバしてるから」などがあります。
朝ドラ『虎に翼』中田正子
では”貴婦人タイプ”と称された中田正子さんについてご紹介します。
中田正子とは
中田正子さんは明治43年（1910年）、東京市小石川区久堅町（現・東京都文京区小石川）に生を受け、東京府立第二高等女学校、女子経済専門学校、そして日本大学法学部の専科生、明治大学女子部、明治大学法学部に進学されました。
父・田中國次郎さんは憲兵少佐で、職業軍人の傍らシェークスピアを原語で読む好学の士。
正子さんは父の影響を受けて向学心の在る優秀な女性に育ちました。
学生時代、校長の新渡戸稲造、吉野作造、我妻栄（民法学者）ら優秀な講師陣に学んだことがきっかけで法律の道を志したといいます。
その後、長女に
「なぜ、弁護士になったの?」と問われると照れながら
「失恋したから男性をやっつけてやろうとか、そんなはっきりした動機はなかったの。学問的興味で試験を受けたら合格しちゃったのよ。」
と答えたといいますが、猛勉強をして臨んだ初めての司法科試験では、筆記には合格するものの口述試験で不合格となってしまいました。
「女性だから落とされたのでは？」
と噂にのぼったそうです。
弁護士活動を始めてからは、雑誌『主婦之友』や明大女子部において女性を対象とした法律相談を受け持っています。
これは女性を守りたいという気概から来るものです。
夫で参議院議員である中田吉雄さんは、結核療養のため出身地鳥取県八頭郡若桜町に移住し、
昭和20年（1945年）に正子さんも吉雄の実家へと疎開したされました。
昭和23年（1948年）に鳥取県弁護士会に加入し
昭和25年（1950年）には鳥取市馬場町に法律事務所を開業した。
昭和44年（1969年）に在職中はともに女性初となる鳥取県弁護士会会長や日本弁護士連合会理事を務められました。
三淵嘉子さんご夫妻は鳥取に訪れて会ったり、仕事の電話相談をしたりする関係だったそうです。
”すらりとした貴婦人タイプ”桜川涼子…桜井ユキ
英語が堪能で成績優秀な華族のお嬢様。
「ちむどんどん」出演経験のある桜井ユキさんが演じます。華やかです！
生年月日：1987年2月10日
出身：福岡県
身長：163cm
事務所：スターダストプロモーション
ですが１年ほどで福岡の実家に戻り、23歳まで飲食業や実家の手伝いをして過ごすなか、
10代の頃に声をかけられた芸能事務所「area」のマネージャーから再度誘いを受け、23歳で再び上京して同事務所に所属。
上京後に受けた演技の基礎を学ぶワークショップで感情の開放を行うメソッドで、次第に感情を表に出すことが楽になり「人間としても新たに生まれ変わることが出来た」と語っておられます。
2013年から映画『寄生獣』、『新宿スワン』、『ピース オブ ケイク』などに出演。
2015年の1年間で8作品に出演しています。
2016年1月期のフジテレビ月9ドラマ『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』に起用され、連続ドラマに初出演。
同年、ユマニテへ移籍。
2018年の映画『娼年』での大胆な演技は記憶に刻み込まれています。
私生活では、2022年1月12日、俳優の黒羽麻璃央さんとの結婚を発表されています。
『虎に翼』では華族で華やかな出自とは裏腹に、家庭を顧みない父、厳格な母のもとで苦労をされる役を気品を持って演じられています。
大学の先輩：中山千春（なかやまちはる）…安藤輪子
優しく親切、人当たりの柔らかくよく泣く感受性豊かな女性を安藤輪子さんが演じられます。
こちらも高等試験を突破し、初の女性弁護士の一人となる役柄ということで、中田正子さんをモデルにしているのかもしれません。
生年月日：1992年6月4日
出身：神奈川県
身長：158cm
血液型：O型
事務所：空（くう）
映画 「友達のパパが好き」 「リバーズエッジ」 「万引き家族 」
大河ドラマ 「いだてん〜 東京オリムピック噺〜」
「芙蓉の人〜富士山頂の妻〜」などに出演されています。
まとめ
女性法律家のトップとして女性の地位向上に尽くした久米愛さん、
母として妻として弁護士として生き抜いた中田正子さん
そして「菩薩」とも「猛女」とも呼ばれた三淵嘉子さん
日本初の女性弁護士のみなさんは、優秀なだけではなく、強い意志が感じられますね。
出典：日本総論社「三淵嘉子・中田正子・久米愛 日本初の女性法律家たち」
