2024年前期のNHK朝の連続ドラマ小説では
『虎に翼』が放映され、
伊藤沙莉(いとうさいり)さんが演じる大正・昭和を生き抜いたヒロイン寅子(ともこ)の自立した人生と法廷ストーリーが展開されていきます。
2024年前期のNHK朝ドラ『虎に翼』第24週(116話から120話)のあらすじをお伝えいたします。
お楽しみいただけましたら幸いです。
朝ドラ『虎に翼』第24週 「女三人あれば身代が潰れる?」 (116〜120話)放送日
朝ドラ『虎に翼』第24週「 女三人あれば身代が潰れる?」(116〜120話)放送日は
2024年9月9日(月)〜2024年9月13日(金)
です!
ではさっそくあらすじをご紹介していきます!
朝ドラ『虎に翼』第24週 116話ネタバレ・あらすじ 「女三人あれば身代が潰れる?」
2024年前期のNHK朝ドラ『虎に翼』116話のネタバレあらすじをお伝えしていきます。
「原爆裁判」を終えて
8年にも及ぶ「原爆裁判」を終えた寅子(伊藤沙莉)たち。
原爆の使用を世界で初めて 違法としたこの判決は、国が被爆者救済を法制化する根拠の一つとなっていきます。
山田轟法律事務所では、山田よね(土居志央梨)と轟太一(戸塚純貴)は岩居(趙珉和)とともに原爆被害者を救済する弁護団を結成します。
事務所を訪れた寅子が深々と頭を下げると、よねがコップ酒を寅子に手渡しました。
百合の認知症はゆっくりと進み、2年後に家族に見守られながら息をひきとりました。
薫
1968年(昭和43年)多岐川家
がんを患い手術後、治療に専念する多岐川幸四郎(滝藤賢一)を寅子が見舞います。
腹の傷、見るか?
結構です
多岐川と同居している香子(ハ・ヨンス)と汐見圭(平埜生成)の娘の薫(池田朱那)は大学生となり、学生運動に没頭していました。
母の香子が、朝鮮人だった事実を捨てたことを知った薫は
安全な場所に、加害者側に立って、今までずっと見て見ぬふりをしてたってことじゃない!最低だよ!
と憤慨し、「つらい思いをさせたくない」という汐見たちの思いは伝わりません。
正月
1969年(昭和44)正月。
猪爪家の面々が星家に集まっています。
直人は、5年前に結婚して横浜地裁で判事補に。
直治は、サックス奏者に。
優未は大学院で寄生虫の研究をしています。
朋一は、結婚して朋成という息子が生まれ、最高裁事務総局で働いています。
のどかは銀行でベテランとなっていました。
寅子は東京家庭裁判所で少年部の部長になりました。
久藤は東京家庭裁判所の所長を務めています。
家庭裁判所は発足して20年が経っていました。
桂場は、最高裁人事課長、東京地方裁判所長を経て、第5代最高裁長官に就任。司法の頂へと登りつめたのです。
裁判官は激流のなかに毅然とたつ巌のような姿勢で国民の信頼をつなぐ
就任時にも変わらぬ姿勢を見せました。
朝ドラ『虎に翼』第24週 117話ネタバレ・あらすじ 「女三人あれば身代が潰れる?」
117話あらすじです。
東京のとある家庭で起きた口にするのも憚られる事件。
娘をお助けください!どうか…!
土下座をする母親が山田轟法律事務所に弁護を依頼しています。
「竹もと」改め お寿司と甘味が楽しめるお店「笹竹」では、
桂場、多岐川、久藤頼安(沢村一樹)と寅子の4人で集まっていました。
お団子を食べながらの桂場の最高裁長官就任祝いと多岐川の快気祝いです。
学生運動
最高裁判所。
汐見は最高裁判所の事務総局の事務次長。
航一は 最高裁調査官室の中枢として上告された事件をどの法廷で取り扱うかを選定調査。報告を最高裁判事に行う業務を担当しています。
航一の息子・朋一は汐見のもとで働いていました。
航一は朋一のことを心配して汐見に
朋一は優秀がゆえに、昔は現実主義で斜に構える部分が心配だったのですが、寅子さんの影響か最近は理想に燃えて視野が狭くなり、正論を述べることと上に噛みつく こと を混同しがちと言いますか…
星さんも人の親なんですねえ…
と話しているとそこへ朋一がやってきます。
東京大学が機動隊の要請をしたとの報告です。
1969年(昭和44年)の日本では、戦後生まれの学生たちが中心となった学生運動が盛んに行われるようになっていました。
ベトナム戦争への日本の加担、日米安保条約の更新反対を理由に、戦後生まれの学生が後に「70年安保闘争」と呼ばれる運動を起こし、過激化していきます。
東大でも大学改革を訴える若者が 、安田講堂を占拠。
1968年(昭和43年)6月から約半年に及んだ暴動は機動隊員により強制的に排除され、抵抗した数百人の若者が逮捕されました。
夜、星家でのどかがそのニュースをテレビで見て逮捕された未成年を案じていると、電話が鳴りました。
よねに呼び出された寅子は山田法律事務所へ駆けつけます。
そこには、よねと轟のほかに、汐見と香子(ハ・ヨンス)の姿がありました。
娘の薫(池田朱那)が安田講堂で逮捕されてしまったというのです。
よねと轟に弁護を依頼したものの、前の年に司法試験に合格し司法修習を終えた香子はやはり自分で弁護したいと考えています。
自分の娘の弁護で冷静さを欠くのが心配しますが、香子の決意は固く、汐見と香子は帰っていきました。
尊属殺人
残った寅子に、事務所を手伝っている斧ヶ岳美位子(石橋菜津美)が挨拶をしに来ました。
美位子は2人に「父親殺し」の弁護を依頼していると話します。
轟は、父親からの虐待に耐えてきた事情を寅子に説明しました。
刑法200条「尊属殺人罪」は憲法14条に違反していると主張する。
刑法199条の殺人罪を適用し、さらに正当防衛 もしくは 緊急避難で減刑を訴える。
とよね。
憲法判断を争う限り最高裁までいくだろう(轟)
私たちは最後まで戦う。
こんな理不尽が許されてたまるか。
以前(昭和25年)、穂高重親(小林薫)が最高裁判事を務めていたころ、父親に暴力を振るわれていた息子が鉄瓶を投げ返してしまい、父親が亡くなってしまった事件がありました。
当時、父親など自分より上の親族を「尊属」と呼び、尊属を殺めた場合は、通常より重い刑が言い渡されており、最高裁では
「尊属殺を罰する法律」が「法の下の平等」を明記する憲法に違反するか
が争われました。
「尊属殺を罰する法律」が違憲か合憲か、
違憲とするのは15人中2人だけでした。
違憲だとした1人が穂高だったのです。
それから19年、今度は山田轟法律事務所が尊属殺人を扱うことになり、以前の判決を覆そうと心に決めています。
少年犯罪の厳罰化
安田講堂事件で逮捕された未成年の学生たちは、続々と東京家庭裁判所に送致されてきました。
警官を殴ったり火炎瓶 投げつけたりしたのは同じだろ?
20歳の先輩と俺、何が違うんだよ
少年少女たちは、大人への怒りや失望に満ちており、寅子はゆっくり向き合いたいと考えていました。
ある日の記者会見で、政民党幹事長の寒河江弘幸が、最近の判決が偏っている、人事にも意見していく、と発表しました。
桂場は「人事介入など言語道断」「憲法に従い不偏不党、中立な立場で司法の独立を厳守する」と猛反発。
後日、原爆裁判で国側代理人だった反町が汐見に話しかけてきます。
反町は、今は幹事長秘書となっていました。
表向きは謝罪のようですが、幹事長寒河江の地元の名士が憤慨していると耳打ちしてきます。
名士の21歳の息子が学生運動で勾留され裁判を待っているのに対し、家裁に送致されてきた少年は、年齢だけが理由で不処分となることに不満を感じていると。
このことを知った桂場は、司法の独立を妨げる圧力に怒りを覚えていました。
朝ドラ『虎に翼』第24週 118話ネタバレ・あらすじ 「女三人あれば身代が潰れる?」
118話あらすじです。
久しぶりに星家を訪れた朋一は、最高裁が出したある判決に大きな不満を抱えていました。
勤務評定に反対した教員たちが「有給休暇を使って闘争に参加してほしい」とデモ集会の参加を呼びかけたことが公務員法の「争議行為は禁止」に抵触するため起訴されたものの無罪判決。
憲法で権利は保証されていると最高裁が判断したからです。
ですが、同じ日にでた最高裁判決で仙台の裁判所職員が日米安保反対の集会を開いた事案に対しては有罪判決が下されました。
裁判官は政治的に偏ってはいけないからだという理由を航一が説明しますが、朋一は納得できない様子です。
ある晩
私も一杯もらっていい?
と優未がコップを持ち、寅子の晩酌につきあいます。
何か相談があるようですがお腹がキュルキュルしている様子。
そこに、急なまどかの結婚話が伝えられます。
まどかが絵描きの卵の恋人と結婚を約束しているということを聞き出した朋一から、事前に聞いてはいたものの、航一は緊張し、優未は話すタイミングを逃して部屋に戻りました。
1970年(昭和45年)5月 。
東京大学の安田講堂で逮捕された学生たちの刑事裁判が始まります。
また、被告の美位子の弁護をする山田よねと轟太一の事件も一審の日を迎えます。
朝ドラ『虎に翼』第24週 119話ネタバレ・あらすじ 「女三人あれば身代が潰れる?」
119話あらすじです!
のどか、結婚の挨拶
のどかの婚約者・吉川誠也(松澤匠)が星家を訪れました。
玄関で鉢合わせした寅子と誠也が家に入ると、航一と優未(川床 明日香)が進路を巡り話し合っています。
大学院で寄生虫の研究をしていた優未でしたが、研究職を目指すことをやめ、大学院を中退すると言っています。
大学、修士課程、博士課程と進んでいくたびに周りから遠回しに言われてきた
この先にお前の椅子はないって
戦う自信をなくしている優未に、諦めないよう航一が励ましますが、寅子は違います。
どの道を、どの地獄を進むか諦めるかは、優未の自由です!
あなたの選んだ道は、地獄かもしれない。
それでも進む覚悟はあるのね?
ある!
かつての寅子とはるのようなやり取りを終えると、次はのどかたちの番です。
絵描きになる夢を諦めてほしくないのどかと、それを喜ぶ誠也。
僕たち結婚します!
フフフフフ
感情が高まり笑い出す航一。
じゃあみんな自分の道を選んで進むということで!
1969年(昭和44年)
日米安保改定を翌年に控え、全国で若者達による事件が多発していました。
「少年法を改正して厳罰化すべき」という声がますます高まっています。
朝ドラ『虎に翼』第24週 120話ネタバレ・あらすじ 「女三人あれば身代が潰れる?」
120話あらすじです。
「崔香淑」を取り戻す決意
汐見と香子の娘・薫は不起訴処分となりました。
日曜日。
家庭裁判所創立メンバーが病の進行した多岐川の家に集まり、少年法改正への意見書をまとめることになりました。
家にいる香子から、薫は大学には真面目に通うようになってきたものの、出自を隠してきた香子に怒りを感じ、距離をおいていると聞いた寅子。
病室になっている部屋の戸を開けると、多岐川のもとに薫がいて涙を浮かべています。
別れてきたの 恋人と…お母さんのことを話したら…私の血筋が問題だから結婚までは考えられないって
ショックを受ける香子に薫はわざと明るく振る舞います。
そこへ汐見が小橋(名村辰)と稲垣(松川尚瑠輝)たち懐かしい面々を連れて帰ってきました。
そこで初めて崔香淑が汐見の妻だと知った2人は、腰を抜かしそうなほど驚きます。
もういいの。まずこの家で、薫の前で「崔香淑」を取り戻してみたい。
香淑が自分と同じ境遇の人たちに寄り添う弁護士を目指すと話すと、薫は
こんなクソみたいな世の中で、人のためになることをしようと思えるお母さんって最高だね!
と母を理解し尊敬します。
多岐川の思い
厳罰化に反対する多岐川は最後の力を振り絞り、桂場のもとに少年法改正に反対する意見書を届けようとします。
後日、多岐川の家に香淑の兄が訪れます。
日本人と結婚した香淑とは疎遠になっていた兄・ユンチョルを、娘の薫が呼んだのでした。
あのときのこと私も圭さんも兄さんもみんな悪くて悪くない
ユンチョルに抱きつく香淑。
多岐川と汐見と香淑とユンチョル、薫は和やかに夕食を共にしました。
多岐川の魂の意見書は、多岐川の訃報とともに桂場に届けられました。
尊属殺人の重罰規定
『虎に翼』24週で取り上げられた「尊属殺人の重罰規定」に係る実際の事件が「栃木実父殺害事件」です。
栃木実父殺害事件
1968年(昭和43年)10月7日、8日
「娘が父親を絞め殺す」
「熟睡中にヒモで 娘の恋愛からけんか」
「乱暴され発作的に」
という見出しが地方新聞の見出しを飾ります。
栃木県宇都宮市で起こったこの事件は、のちに社会を震撼させる事実をはらんでいました。
1969年ころの学生運動
学生運動は、
・学生自治を求める運動
・反戦運動
・反差別運動
・学費値上げ反対運動
・学寮の運動
・就職活動の適正化
・学生会館の自治要求など
を主張する社会運動です。
サークルを拠点にして討論や学習をし、自前のビラやポスター、立て看板を作製し、授業前のクラスや昼休みの広場などで演説をし、自らの主張をアピールします。
日本では、1960年の安保闘争、1968年〜1970年の全共闘運動大学紛争の時期に盛り上がりを見せました。
この頃は政治問題に関心のない一般の学生も運動に加わり、デモや授業ボイコット、バリケードによる建物占拠などが行われました。
学生運動は、特に進学校に多く発生したため、学生運動、学園紛争が起こるのは進学校の証とも言われるようになっていたようです。
1969年4月12日
岡山大学で機動隊員の巡査が学生による投石を頭部に受け、同日夜に死亡する事件が起こりました。
これは岡山大学の学生による学生課長及び教養部教官に対する集団暴行傷害事件について大学長が学生十数名を告発したことに伴う岡山県警の強制捜査の際に起きた事件で、学生約150人は警察官に激しい投石を行い執行を妨害。
殺害された巡査以外にも警察官多数が負傷したものです。