2025年の大河ドラマは
『べらぼう～蔦重栄華乃夢噺～』（つたじゅうえいがのゆめばなし）。
横浜流星さん演じる蔦屋重三郎（つたやじゅうざぶろう）が主役です。
版元・蔦屋重三郎や彼の関わった浮世絵師たちの話ですので、大河ファンや横浜流星さんファンのみならず、美術好き、出版社さんも沸きそうですね。
こちらでは2025年の大河ドラマについて予習したい方のためにおすすめの映画のご紹介です！
2025年大河ドラマ「べらぼう」蔦屋重三郎って誰？
まずは、主人公である蔦屋重三郎について簡単にご紹介します。
版元、絵師、彫師、摺師が四位一体となりつく上げる浮世絵ですが、
蔦屋重三郎は、版元。
「江戸のメディア王」とも「和製ウォルト・ディズニー」とも称される江戸時代の名プロデューサー兼出版社だった人です。
浮世絵師の葛飾北斎、喜多川歌麿、東洲斎写楽といった代表的な浮世絵師をこの世に輩出すという大きな功績を残しました。
（TSUTAYAはこの蔦屋重三郎にあやかってつけられたともいわれています）
江戸時代、幕府の鎖国政策により続いた太平の世では、日本独自の町人文化が花開き、なかでも華やかな挿絵を配した読み物や浮世絵が庶民の間で絶大な人気を誇りました。
版画である浮世絵は手書きと違い複製可能で量産できるため、庶民でも手に入れやすく大変な人気でした。
しかし、町民文化の自由な風潮の中で徳川の威信が揺らぐと幕府は「娯楽は世を堕落させる」「不埒」として版元や絵師たちから創作の自由を奪い、厳しく弾圧しました。
江戸幕府の弾圧で思うように創作活動できないなか、蔦屋重三郎が才能ある絵師たちを見抜き、プロデュースし始めます。
『HOKUSAI』
「富嶽三十六景」など生涯を通して3万点以上の作品を描いたといわれる江戸時代の浮世絵師・葛飾北斎の知られざる生涯を、青年期は柳楽優弥さん、老年期は田中泯さんが演じます。
2025年の大河ドラマでは横浜流星さんが蔦屋重三郎を演じますが、『HOKUSAI』の蔦屋重三郎は阿部寛さんが印象的に演じられており、一度見てしまうと「蔦重＝阿部寛」で脳内再生されてしまう恐れあり。
【あらすじ】
それはまだ葛飾北斎が貧乏絵師「勝川春朗」だった頃。
北斎は、その才能を見出した版元（今の出版社）蔦屋重三郎になんのために絵師になったのかと問われる。
絵師なら下っ端からでも這い上がれると答えた北斎に対し、蔦屋重三郎は
「いいか、絵は世の中を変えられるんだぞ」
と言い残して出ていった。
北斎の苦悩、蔦屋重三郎の病。
監督：橋本一
企画・脚本：河原れん
製作：中山賢一
配給：S・D・P
公開日：2021年5月28日
上映時間：129分
『百日紅～Miss HOKUSAI～』
葛飾北斎を父に持つ、自らも浮世絵師のお栄が過ごすにぎやかな日々を、江戸の四季と共に描いた“浮世エンタテインメント”。
杉浦日向子さんのマンガが原作のアニメーション。
杏さんが北斎の娘・お栄を、松重豊さんが北斎の声優を務められています。
【あらすじ】
「親父と娘。筆二本、箸四本あればどう転んでも食っていける」という新進気鋭の浮世絵師・お栄と父・葛飾北斎たちの自由で義理人情に溢れた江戸庶民の生活。
原作：杉浦日向子
監督：原恵一
脚本：丸尾みほ
主題歌：椎名林檎「最果てが見たい」
配給：東京テアトル
公開日：2015年5月9日
上映時間：90分
『写楽』
寛政6年から７年に浮世絵会に突如現れ、約140種類の役者絵と相撲絵を残して忽然と姿を消した謎の浮世絵師・東洲斎写楽の謎に包まれた正体に迫る歴史ドラマ です。
【あらすじ】
喜多川歌麿 など人気 浮世絵師を抱える版元・蔦屋重三郎は、山東京伝の書いた洒落本が幕府のご禁制に触れ、科料の刑に服する。
将来に不安を感じた 歌麿は蔦屋重三郎を見限り、他の版元へ鞍替えする。
蔦屋重三郎は一発逆転を試み「役者絵」に挑戦する 。ある日、無名の男が描いた絵を目にした蔦屋重三郎 。
上手くはないが魅力ある絵を描く、その絵師こそがのちの東洲斎写楽だった。
蔦屋重三郎に口説かれ「役者絵」を描くようになった写楽は、一世を風靡。
歌麿はこの才能に嫉妬し始める。
さて写楽の正体とは…
監督： 篠田正浩
脚本：皆川博子
製作：古田吉彦、増田宗昭、黒井和男
音楽：武満徹
配給：松竹＝松竹富士
公開日：1995年2月4日
上映時間：138分
『北斎漫画』
葛飾北斎像
「北齋漫畫（ほくさいまんが） 」という戯曲を新藤兼人監督が映画化したものです。
葛飾北斎を緒形拳さん、喜多川歌麿を愛川欽也さん、蔦屋重三郎を大塚国夫さんが演じています。『写楽』を作ったフランキー堺さんも出演されています。
（舞台では2019年「北齋漫畫（ほくさいまんが） 」というタイトルで、葛飾北斎を横山裕さんが演じておられますね）
映画公開当時、北斎の娘・お栄役の田中裕子さんや魔性の女・お直を演じた樋口可南子さんの体当たりの演技が話題を呼んだそうです。
北斎と同時代に生きた曲亭馬琴や自身の娘である葛飾応為、養父であった御用鏡磨師の中島伊勢、そして謎の女との交流を軸に物語が繰り広げられます。
【あらすじ】
北斎は銭湯帰りの夜道で妖艶な美女・お直と出会い、娘と住む家に連れて帰る。絵のモデルとして同居するも金のためお直を養父に売ってしまう。ただ、どうしても忘れられない。
そんなある日、養父からお直を抱きたいとの相談を受ける北斎。
養父の屋敷に出向くと、そこでは衝撃の光景が繰り広げられていた…！
監督・脚本： 新藤兼人
製作：赤司学文、中條宏行音楽：武満徹
配給：松竹、富士映画
公開日：1981年9月12日
上映時間：119分
2025年大河ドラマ「べらぼう」蔦屋重三郎の予習ができる映画：まとめ
2025年大河ドラマ「べらぼう」蔦屋重三郎の予習ができる映画として
『HOKUSAI』、『百日紅～Miss HOKUSAI～』、『写楽』、『北斎漫画』の４作品をご紹介させていただきました。
葛飾北斎の映画が３作品。
東洲斎写楽の映画が１作品でした。
『北斎漫画』は古い作品ですが、古い作品だからか、かなり衝撃的で印象に残りました。
気になるかたはぜひご覧になってみてくださいね！
お読みいただきありがとうございます。
