朝ドラ『あんぱん』第12週(56話、57話、58話、59話、60話)
「逆転しない正義」
あらすじをご紹介いたします。
予習をして『あんぱん』をもっと深く楽しみたい方
『あんぱん』を観る時間のない方
あらすじだけ知りたい方
そんなみなさまのお役に立てましたら、幸いです。
『あんぱん』第12週(56話、57話、58話、59話、60話)放送日
朝ドラ『あんぱん』第12週(56~60話)放送日は
2025年6月16日(月)〜2025年6月20日(金)
です。
『あんぱん』第12週(56話)あらすじ
『あんぱん』56話あらすじです!
紙芝居づくり
絵の腕前を買われた嵩は、宣撫班の任務を命じられました。
地元の人たちに医療や娯楽を提供し、日本軍への親しみを深めさせ、 占領に協力させるという仕事です。
日本軍を桃太郎に見立てた紙芝居を上演したところ、村人たちが「日本兵は嘘つきだ」と叫び出し、 騒ぎになったと言います。

地元民から反感を買わず、老若男女が喜ぶ 紙芝居をお前が作るんだ!

はい!
そう答えたものの

これのどこが正義の戦争なんだ
こっちの人たちからしたらいい迷惑なんじゃないか
しかも憎まれている
「東洋平和のため」という戦争の大義名分に疑問を抱く嵩は悩みます。
岩男が地元の少年リンを息子のように可愛がっている様子や、清の手帳に書かれていた「東亜の存立と日支友好は双生の関係である」という一文をヒントに 『双子の島』という話を思いつきました。
『あんぱん』第12週(57話)あらすじ
『あんぱん』57話あらすじです!
『双子の島』
宣撫班に加わった健太郎に協力してもらい、嵩は紙芝居を描きあげました。
登場人物は、隣の島に住む男とケンカをする男。
相手を殴ると自分が痛みます。
池で顔を洗うとそっくりの顔が映っています。
実は双子だということに気づいた2人は、互いの島に足りないものを譲り合い、仲良くなる、という話です。
上官の中には勧善懲悪の話を望む声もありましたが、八木上等兵の口添えで上演されることになりました。
上演では通訳によってセリフを変えられてしまうも、評判は上々。
リンも、岩男に肩車され紙芝居を楽しんでいます。
来る日も来る日も新作を作り村人に披露する日々が続きましたが、
1945年(昭和20年)春
日本の戦況が厳しくなると、嵩も元の部隊に戻り戦闘任務に就くことになりました。
敵の攻撃により食料の供給が断たれ、空腹との戦いが始まります。
『あんぱん』第12週(58話)あらすじ
『あんぱん』58話あらすじです!
空腹による略奪
高知御免与では、男性がしていた郵便配達を蘭子が行い、力仕事を町の女性たちが請け負っていました。
戦地では、食事が乾パン1つだけになりました。
空腹に耐えかねた康太が警備中に民家に押し入り

食い物をよこせ
と目をギラつかせながらおばあさんを銃で脅しました。

やめろ!帝国軍人ともあろうものが、恥を知れ恥を
神野と嵩が止める中、

わしらはどうせもうすぐ死ぬがじゃ、せめて最後に腹いっぱい食って死にてえ…
おばあさんは最後の食料の卵を6個茹で、3人に与えます。

餓過飢會改變人(空腹は人を変えてしまう)
と静かに呟くおばあさんの声を聞きながら、3人は涙を流して湯気の立ちのぼる卵を食べました。
岩男、リンに撃たれる
嵩が駐屯地に戻る途中、
駐屯地の外に立っていた岩男は、リンを心配してこう話していました。

もう俺にはつきまとうな
お前は便衣(スパイ)だと疑われている
子どもでも何をされるかわからない
だからもう俺には近づくな

我們不能再見面嗎(もう会えないの?)

これまでありがとうな
もう行くよ
リンは岩男に抱きつきます。
岩男がリンの頭を撫でると

在會啊(さようなら)イワオサン
リンの笑顔がスッと消えます。
リンは袋から拳銃を取り出すと発砲しました。
『あんぱん』第12週(59話)あらすじ
『あんぱん』59話あらすじです!
岩男、死す
実はリンにとって岩男は親の仇だったのです。

リンはようやった…これでええがや
岩男はずっと前から覚悟をしていたと話し、最後に言い残して息を引き取りました。
嵩は混乱しますが、
林の中で見つかったリンが泣きながら

お父さんの形見の銃でかたきをとったんだ
でもぼくの胸はちっとも晴れない
イワオサンはぼくのやさしい先生でした
と明かしたこと、敵討ちはきりがないことを八木から聞きます。
八木は戦争へのやり場のない怒りを爆発させ、嵩に言いました。

柳井、前に戦場で生き残るには卑怯者になることだと言ったのを覚えているか?
卑怯者は忘れることができる
だが、卑怯者でないやつは決して忘れられない!
お前はどっちだ!どっちなんだ?

わかりません…
そう答える嵩の目からも涙が流れます。
嵩、倒れる
その2週間後、兵士たちの食糧難が限界に達したある日、嵩は照りつける太陽の下、父の手帳を手に倒れてしまいます。
数時間後、ぼんやり目を開けると、そこには清の姿がありました。

会いたかったよ父さん…

バカなことをいうな
こんなくだらん戦争で大切な息子たちを死なせてたまるか
だが、こんな惨めでくだらない戦争を起こしたのは人間だ
でも、人間は美しいものも作ることができる
人は人を助け、喜ばせることもできる
あんなにみんなを喜ばせてたじゃないか、お前の紙芝居
お前は何一つ無駄なことはやってない
いいか嵩、お前は父さんの分も生きて…みんなを喜ばせるものを作るんだ…何十年かかったっていい
諦めずに作り続けるんだ
手帳を改めて渡し、

嵩、大きくなったな…
と言って、清は去っていきました。
気づくと嵩は駐屯地のベッドにいました。
『あんぱん』第12週(60話)あらすじ
『あんぱん』60話あらすじです!
入院した次郎
その頃、のぶは広島の呉の海軍病院に入院した次郎と面会していました。

うちは次郎さんにこうして会えただけでも嬉しいがです

僕もやき、君の笑顔がまた見られるとは思わんかった
元気そうに振る舞う次郎を見つめ、のぶは精一杯微笑みます。
次郎は肺浸潤という初期の肺病を患っていました。
次郎は自分の苦労話は一切話しませんでした。
終戦
1945年(昭和20年)7月4日午前2時
高知の町に空襲警報が鳴り響きます。
のぶは次郎のカメラを手に家を飛び出します。
そこに家族とはぐれた少年・なおきの鳴き声が聞こえてきます。
のぶは怖がる少年に

たっすぃーがはいかん!
ハチキンがついちゅうき大丈夫や!行くで!
と声をかけ、焼夷弾の降り注ぐなか、手を引いて全力で逃げました。
明け方、焼け野原で、のぶを探しに来た羽多子、蘭子と再会します。
少年の家族が見つかり安堵したのぶは、改めて焼け野原を見つめ、シャッターを切りました。
1月後、日本は負け、ようやく戦争が終わりました。

やっと終わったで…豪ちゃん
蘭子は豪の写真に声をかけました。