NHKラジオの健康番組で面白い放送がありましたのでご紹介いたします。
こちらのラジオでは
光源氏の遺伝子
について言及しています。
物語の登場人物に遺伝子なんてないでしょ!というごもっともな気持ちは横に置き
現実のお知り合いなどに当てはめてお楽しみいただければ幸いです。
浮気遺伝子
あくまで仮説の段階ですが
実は最近の研究で、
浮気を含む性行動は遺伝子と関係があるのではないか
と言われるようになったということ。
このことは実験に使うマウスではなく、人里離れた森や草原に生きている”ノネズミの生態”から明らかになったそうです。
ノネズミの仲間は、種によって多様な社会構造をとります。
アメリカの草原に生息する「プレーリーハタネズミ」が一夫一妻制をとるのに対して、
近い種類で山の中に住む「サンガクハタネズミ」は複数の相手と性的な関係を持つという特徴があります。
その違いが何かということを調べたところ、
脳の一部で作られるホルモンに結合する“レセプター”の構造でした。
つまり、そのレセプターの構造を決定する遺伝子の配列が違うんです。
もちろん人とネズミでは遺伝子も脳の構造も違いますが、
人では、興奮したり快感に関係する神経伝達物質“ドーパミン”に結合するレセプターに違いがあることが分かっています。
そのレセプターの遺伝子の違いによって、
・新しい物事や刺激が好きなタイプ
・新しい物事や刺激があまり好きではない保守的なタイプ
に分かれています。
そして、
新しいことが好きな遺伝子を持っている人は浮気の頻度や離婚回数が多く、
「新規性探索遺伝子」「浮気遺伝子」
などと呼ばれるようになりました。
浮気は遺伝子のせい?
もちろん遺伝子だけで人間の行動が決まるわけでありません。
現代は社会規範も法律も厳しく、現代人が本能のままに生きるということはありませんが、新しいことが好きな遺伝子を持っている人は浮気性の性質を持っているのかもしれません。
「新規性探索遺伝子」を持っている人は
何か革新的な仕事をしたり、冒険家になったりなど、
「新しいことを見つけることにたけている」といわれています。
光源氏の遺伝子
光源氏は紫式部の長編小説『源氏物語』の主人公で、平安時代の公家の設定です。
天皇である桐壺帝(きりつぼてい)の皇子として生まれながら、生後まもなく母親と死別し、皇族から臣籍降下、つまり皇族から離れて源の姓を賜りました。
幼い頃から美貌と才知に恵まれていた光源氏。
父である天皇の後宮に入った藤壺(ふじつぼ)と密通し、冷泉帝(れいぜいてい)をもうけます。
成人してからはあまたの美女と恋愛遍歴を繰り広げ、やがて愛の破綻で無常を悟り、出家を志します。
新しい恋を追いかけることに異常なほどの情熱を燃やしている様子から、
「浮気遺伝子」
「新規性探索遺伝子」
の影響があったのではないかと考えられます。(架空の人物です)
浮気遺伝子の病気リスク
さらに「新規性探索遺伝子」は、浮気だけではなく早熟な初体験年齢も特徴です。
全遺伝子を統計的に調べる「GWAS(全ゲノム関連解析)」を行った結果、
男女ともに早発思春期に関連する遺伝子を調べると、
「新規性探索遺伝子」に比例することがわかりました。
「人付き合いが良くて次々に新しい友達を探し、新たな冒険を求める」タイプの人の初体験年齢は、低いということですね。
早期の性体験はより多くのパートナーと関係し、性感染症のリスクも高まります。
生涯の間にもうける子どもの数とも相関するので
「利己的遺伝子(早い時期に子孫を残せさえすれば、その後の本人の寿命には関与しないという利己的な戦略を持つ遺伝子)」
にとっては好都合。
思春期が早いと中高年の糖尿病や虚血性心疾患のリスクも高まります。
光源氏や藤原道隆のような典型的な平安貴族の生涯が短命だったのはそのせいだったのかもしれませんね。
まとめ
浮気性というのは生まれ持ったもの、となんとなく気づいていた方も多いのではないでしょうか?
それが遺伝子レベルのことだと知ると、納得してしまいますね。
そして、浮気を繰り返す人は病気のリスクが高いということです。
光源氏はまさにそのど真ん中。
2024年大河ドラマ『光る君へ』の主人公・紫式部がどのような思いで光源氏を描いたのか、ドラマを観るのが楽しみですね。