2024年前期のNHK朝の連続ドラマ小説では
『虎に翼』が放映され、
伊藤沙莉(いとうさいり)さんが演じる大正・昭和を生き抜いたヒロイン寅子(ともこ)の自立した人生と法廷ストーリーが展開されています。
2024年前期のNHK朝ドラ『虎に翼』第23週(111話から115話)のあらすじをお伝えいたします。
お楽しみいただけましたら幸いです。
朝ドラ『虎に翼』第23週 「始めは処女の如く、後は脱兎の如し?」 (111〜115話)放送日
朝ドラ『虎に翼』第23週「 「始めは処女の如く、後は脱兎の如し?」(111〜115話)放送日は
2024年9月2日(月)〜2024年9月6日(金)
です!
ではさっそくあらすじをご紹介していきます!
朝ドラ『虎に翼』第23週 111話ネタバレ・あらすじ 「始めは処女の如く、後は脱兎の如し?」
2024年前期のNHK朝ドラ『虎に翼』111話〜のネタバレあらすじをお伝えしていきます。
猪爪家と星家
1959年(昭和34年)
寅子が星家で暮らし始めて3年。
猪爪家では、直明(三山凌輝)と玲美(菊池和澄)の間に赤ちゃん・直正が生まれ、ますます賑やかになってきました。
道男(和田庵)が自分で握った寿司を持って猪爪家を訪れますが少し浮かない顔をしています。
優未は高校一年生に、
直人は一浪の末に司法試験に合格し、司法修習生に。
直治はダンスホールで働き続け、少しずつ演奏の仕事も増えていました。
星家では、朋一は長崎地裁で判事補をしています。
寅子(伊藤沙莉)は体調が変化し顔がほてるようになっていました。
航一(岡田将生)と寅子が義母の百合(余貴美子)の様子がおかしいことに気づきます。
雲野の死
昭和34年11月 。
東京地裁では、寅子たち民事第24部が担当する「原爆裁判」の約4年間 27回にも及ぶ準備手続きが終わり、 口頭弁論が始まろうとしているところです。
いよいよ始まる口頭弁論に向け 弁護士の雲野は気合を入れ直していました。
「原爆裁判」は原爆の投下が国際法に違反しているのか、あるいは空爆などと同等で国際法違反には当たらないのかを審議します。
原告:栗岡隆文
原告:吉田ミキ
原告:浜田次夫
原告:河島真知子
原告:岩本泰三
…
民事第24部の漆間は、4年に渡る「原爆裁判」のなかで、原爆の被害者である原告側が求めること、つまり日本とアメリカの賠償責任を法的に立証することは難しいだろうと考えていました。
汐見や寅子は誠心誠意向き合い、すべての論点で議論を尽くすことを決意しています。
口頭弁論直前、山田轟法律事務所を訪ねた原告側の弁護士である雲野六郎(塚地武雅)も決意を新たにしています。
いや〜私はおにぎりが大好きなんだ
和やかな空気のなか、梅子(平岩紙)が差し入れたおにぎりを手に持った雲野。
そのまま倒れ、帰らぬ人となってしまいます。
雲野にお世話になった寅子へ轟が電話で訃報を伝えますが、「原爆裁判」の関係者なので葬儀には来ないほうが良いとよねからアドバイスを受けます。
雲野亡き後、被爆者たちは訴訟に自信をなくしてしまいます、ただ、よねと轟は遺志を継いでいく覚悟を決めていました。
1960年(昭和35年)1月に日米安保条約の改定が行われ、日米の協力体制が強化されたその翌月の
1960年(昭和35年)2月
いよいよ「原爆裁判」の口頭弁論が始まりました。
誰もいない傍聴席にひとりの老人が入ってきます。
その姿を見て無表情を作りながらも鼻の穴がふくらむ寅子。
老人は記者の竹中(高橋努)でした。
竹中は雲野から裁判の記録を記事にしてほしいと依頼されていたのです。
朝ドラ『虎に翼』第23週 112話ネタバレ・あらすじ 「始めは処女の如く、後は脱兎の如し?」
112話あらすじです。
原爆投下が国際法に違反しているか、原告・被告双方が国際法学者による鑑定を求めました。
国側の代理人・反町が国際法学者・嘉納隆義の鑑定を、
被爆者側の代理人・岩居が保田敏明の鑑定を申請します。
寅子が裁判所の廊下を歩いていると原告側代理人の岩居、轟、よねと記者の竹中が話し合っています。
裁判官の寅子と馴れ合うことはよくないのですが、寅子と一緒にこの裁判に臨むことを楽しみにしていた雲野の意思を継いだ轟は、笑顔で挨拶をします。
去り際、よねは
意義のある裁判にするぞ
と寅子にだけ聞こえる声でつぶやきます。
3人が去ると、竹中は雲野から「この裁判を記録して世の中に知らしめてほしい」と頼まれたと寅子に打ち明けます。
星家では、寅子の体調が最近優れないのは「更年期障害が原因ではないか」と航一に指摘されます。
この頃は、「更年期」という言葉が少しずつ知られるようになっていました。
それから一年。
のどかは銀行に勤め始め、
百合の物忘れは少しずつ深刻になりつつありました。
平日はお手伝いさんに来てもらうことになりました。
あいかわらず竹中だけが傍聴する「原爆裁判」。
世の中には知られていません。
被爆者側の専門家・保田は、「原爆投下は国際法違反」だという裏付けを説明します。
国際法は、生命・身体・心の安寧の保護 、つまり人の初等的考慮が最も基本的な原理だ。原爆投下は、それらを全て奪い不必要な苦痛をもたらした。
非交戦者である一般市民に惨壊を及ぼす無差別爆撃を禁止する原則に背いているんです。
一方、国側の立てた専門家・嘉納は
結論から申しますと、原爆投下が国際法違反だとは必ずしも断定できません。
原子爆弾が新しい兵器であるために原子爆弾そのものを禁止する規定は、当時も現在も国際法上には存在しません。
反対尋問ではよねが嘉納に鋭く切り込みます。
国際法上 禁止されていなければ、どんな残虐な戦闘行為でも違法ではないと嘉納先生はおっしゃるのですね
そういうことではございません
質問を変えます。
いくつかの国際法に、戦闘における不法行為を行った国には損害を賠償する義務があると定められています。この義務は国家間にのみ発生するのでしょうか?
国際法の原則では不法行為による損害賠償は被害者個人ではなく、国家が請求することになっています。
では 日本国民個人がアメリカに対して不法な戦闘行為による損害賠償を求めても不可能であると?
法的には不可能
個人の権利が国家に吸収されることはない。
憲法と国際法及び国際条約の規定と法的にはどちらを上位に考えれば良いとお考えですか?
戦時中に今の憲法は存在しません
原告は「今」を生きる被爆者ですが。
竹中はこの様子を記録し、寅子はよねを見つめています。
朝ドラ『虎に翼』第23週 113話ネタバレ・あらすじ 「始めは処女の如く、後は脱兎の如し?」
113話あらすじです。
鑑定人は、米国にも国にも賠償責任を求められない場合「今」苦しんでいる被爆者はどこに助けを求めれば良いとお考えですか?
寅子は嘉納に質問します。
法学者としてお答えできることはありません
法廷から帰る準備をしながら国側の鑑定人・嘉納隆義(小松利昌)と国側の代理人・反町忠男(川島潤哉)が話しています。
被爆者の方々には同情するが賠償権が存在するとは到底言い難い。
政府による別の救済方法を考えるべきだと思うがね。
この法廷で争われてる点はそこではありません。
被爆者個人への同情から国際法を拡大解釈するわけにはいかない。
法は法。それだけです。
反町も嘉納もそれぞれ重責を担い真剣に向き合っているのでした。
週刊誌に「原爆裁判」を記者の竹中が取り上げ記事を書いたことで、世間の注目が集まり始めていきます。
翌日、「竹もと」では原爆裁判を速やかに終わらせるよう政治家から圧力がかかっていることを桂場から明かされる寅子。
寅子は、法を司る自分の無力さや限界を考えてしまうと桂場に打ち明けました。
司法に何ができるか、そのことだけ考えろ。
桂場はそう言ってお団子を食べ続けます。
梅子は更年期の症状の寅子に
あらあら〜
トラちゃん♪こちら側へようこそ♪
ほほほ〜
と明るく笑い、励ましました。
雲野が倒れたことで、原告のひとり・吉田ミキ(入山法子)は出廷を決意し、原告にとって明るい兆しが見えてきました。
ただ、勝訴して得られる国からの賠償金は、世間の目にさらされてまで手にしたい金額とはいいかねました。
山田轟法律事務所で轟は
彼女だけが矢表に立てば どうなってしまうのか。
賠償で得られる金は彼女が一生苦労しないで済むものですか?
この先彼女が味わうことを思うと…
と心配していますが、よねは言います。
それを決めるのはお前じゃない。
どの地獄で何と戦いたいのか、決めるのは彼女だ。
1961年(昭和36年)12月。
1月の裁判に向けて当事者尋問の申請がなされ、寅子は被爆者本人の資料を読み込んでいます。被害者本人が法廷に立つ意味について思い悩んでいます。
航一はいつも黙って傍にいてくれます。
好奇の目にさらされて確実に傷つくことになる。
なぜいつも国家の名のもとに個人が苦しまなければならないのか。
「全て国民は個人として尊重される」…
星家では、百合の認知症が進み、寅子は航一や優未とともに懸命に百合を支えますが、事件が起こります。
夕飯用に作っていたシチューを「腐っているわ」と捨ててしまった百合。
百合を止め、なだめるのに必死なお手伝いさんの吉本と優未。
「汚れているよ?」と優しく心配する優未の手を、百合は「さわらないでよ!」と冷たく突き放します。
傷つく優未が窓から玄関に目をやると、のどかがタバコを吸いながら時をやり過ごそうとしているのが見えました。
何してるの?
なんか取り込み中みたいだったから
だから助けに来ないで隠れてたの?
そこへ百合がやってきて
のどかさんはいいんです。
立派な大学を出て、毎日 銀行にお勤めして、自慢の孫だわ。
きっとおじい様も照子さんも鼻高々よ。
なでる百合の手を払いのけたのどか。
2人が生きていたら「美大はやめておきなさい」なんて言わなかったよ。
英文科に行ってつまらない日々を送って勤めて毎日お茶を入れるだけ。
決めたのは確かに私だよ?
こうしてのぞみ通り進んでいるんだから、これ以上私 求めないで欲しい
バカ! バカバカバカバカ!!!!
優未はのどかのおしりを蹴り飛ばし、走り去っていきました。
その姿を百合がぼんやり見ています。
朝ドラ『虎に翼』第23週 114話ネタバレ・あらすじ 「始めは処女の如く、後は脱兎の如し?」
114話あらすじです。
のどか(尾崎真花)の態度に不満が爆発し家を飛び出していった優未。
登戸の猪爪家に連絡すれば大騒ぎになってしまうと考えた寅子は頭を悩ませます。
優未は山田轟法律事務所にいました。
のどかが百合のお世話をしないことが不満だと話します。
怒っちゃいけないこと なんてないよ。
僕もね、許せない人や物事がたくさんある。
ずっと怒ってる。
でも口や手を出したりするってことは変わってしまうってことだとは覚えておいてほしい 。
その人との関係や状況や自分自身も。
その変わったことの責任は、優未ちゃんが負わなければいけない。
口や手を出して何の責任も負わないような人にはどうかならないでほしい。
轟の恋人・遠藤(和田正人)の言葉に優未は納得しました。
そこに寅子が入ってきて満面の笑みをうかべ拍手。
家に戻ると謝りあうのどかと優未。
バカじゃないのにバカって言ってごめん
そこ?笑
昭和37年1月
裁判の前日「原爆裁判」の原告の1人、吉田ミキ(入山法子)が法廷に立つことを承諾し、広島から上京し山田轟法律事務所にやってきます。
ショールを外すと深いケロイド(火傷の痕)が首にありました。
吉田ミキは、かつて美人コンテストで優勝したことがあるが今は好奇の目て見られていると語り、事務所の壁に書かれた憲法14条を見ています。
出廷はやめにしようとよねが口を開きます。
でも私の前に立たなきゃ負ける
声を上げた女にこの社会は容赦なく石を投げてくる。
傷つかないなんて無理だ。
だからこそ、せめて心から納得して自分で決めた選択でなければ
吉田ミキはこらえきれず涙を落とし、うつむきます。
でも私伝えたいの。聞いてほしいのよ。
こんなに苦しくて辛いって。
ごめんなさい…
謝ることは何もない
当事者尋問は取りやめになり、吉田ミキの言葉を法廷で轟が代読することになりました。
私は広島で、爆心地から2キロの場所で被爆しました。
21になったばかりの頃でした。
体が燃えて、皮膚はボロボロになり、顔に頭、胸、足に被害を受けました。
娘を産んだ際、原爆で乳腺が焼けて乳をやれず、夫は私が3度目の流産をした後 家を出て行きました。
ただ人並みに扱われて穏やかに暮らしたい。それだけです。
助けを求める相手は、国以外に誰がいるのでしょうか。
寅子は怒ったような顔で涙をこらえ、よねはそんな寅子と見つめています。
朝ドラ『虎に翼』第23週 115話ネタバレ・あらすじ 「始めは処女の如く、後は脱兎の如し?」
115話あらすじです。
昭和38年6月。
桂場は最高裁判事の一人に任命されました。
桂場等一郎(松山ケンイチ)は最高裁判事のひとりに任命されました。
そしてついに梅子の味が桂場に認められ、「竹もと」を任せられることに。
そんな「竹もと」に寅子と道男(和田庵)が深刻な顔で話をしています。
道男が勤める「笹寿司」の店主・笹山(田中要次)の体調が悪化し、後を継ぐことを提案されたのですが、道男は、自分が客商売に向かないと考え話を断ったというのです。
道男は「笹寿司」という居場所を作ってくれた寅子に頭を下げました。
「笹寿司」を畳む話を隣で聞いていた梅子がカットイン。
なら一緒にやる?
和菓子とお寿司のお店をここで。
一人で店をやるのは心細いと思っていたの。
私だけじゃ継いだところでそう長くお店は続けられないし…
さっきあなたが苦手と言ったもの全部得意♪
あと、頭はすこぶるいいわよ♪うふふ
道男は梅子に頭を下げ、和菓子とお寿司のお店「笹竹」が誕生します。
1963年(昭和38年)11月。
判事補・漆間昭が判決の草案を作成していました。
法的には被爆者に賠償金が支払われる権利はなく、請求棄却となると
寅子は
はて?
請求棄却の一言でこの裁判を 判決を終わらせてはいけない。
それは我々の総意では?
例えば最後にもう少しだけ書き加えるのはどうでしょう。
星家では、更年期の不調を抱えながら 認知症の百合に向き合う寅子。
朋彦さんのところへ行きたい
情けない…ごめんなさい…
と百合が泣き始めます。
寅子は百合の背中をさすりながら
私ね、苦しいっていう声を知らんぷりしたり、なかったことにする世の中にはしたくないんです。
うん…うん
大丈夫大丈夫
百合はうなずきます。
昭和38年12月。
寅子や汐見たちが担当する「原爆裁判」の判決がついに言い渡されました。
民事裁判で、主文後回しとなる異例の手順をとりました。
当時 広島にはおよそ33万人の一般市民が、長崎市にはおよそ27万人の一般市民が住居を構えており、原子爆弾の投下が仮に軍事目標のみをその攻撃対象としていたとしても、その破壊力から無差別爆撃であることは明白であり、当時の国際法から見て違法な戦闘行為である。
では損害を受けた個人が国際法上もしくは 国内法上において損害賠償請求権を有するであろうか。
残念ながら個人に国際法上の主体性が認められずその権利が存在するとする根拠はない。
「原爆投下は国際法違反」
「個人には賠償請求権がない」
この2つの結論を聞き、膨張していた記者たちは一斉に立ち上がります。
人類 始まって以来の大規模かつ強力な破壊力を持つ原子爆弾の投下によって被害を受けた国民に対して、心から同情を抱かないものはないであろう。
いったん立ち上がった記者たちは席に戻り加えられた判決文に聞き入ります。
戦争を廃止もしくは最小限に制限し、それによる惨禍を最小限にとどめることは、人類共通の希望である。
不幸にして戦争が発生した場合、被害を少なくし、国民を保護する必要があることは言うまでもない。
国家は自らの権限と自らの責任において開始した戦争により、国民の多くの人々を死に導き、障害を負わせ、不安な生活に追い込んだのである。
原爆被害の甚大なことは 一般災害の比ではない。
被告がこれに鑑み、十分な救済策を取るべきことは多言を要しないであろう。
しかしながら、それはもはや裁判所の職責ではなく、立法府である国会及び行政府である内閣においてはたさなければならない職責である。
それでこそ訴訟 当事者だけではなく原爆被害者全般に対する救済策を講ずることができるのであって、そこに立法及び立法に基づく行政の存在理由がある。
終戦後 十数年を経て高度の経済成長を遂げた我が国において、国家財政上 これが不可能であるとは到底考えられない。
我々は本訴訟を見るにつけ政治の貧困を嘆かずにおられないのである 。
主文。原告らの請求を棄却する。
訴訟費用は原告らの負担とする。
8年におよぶ「原爆裁判」は国側の勝訴で幕を閉じました。
よねの頬に涙が伝います。