2025年大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』の第13話あらすじ
を紹介いたします。
順次あらすじを公開していきますので、お楽しみいただけますと幸いです。
※ネタバレ含みます
第1回 あらすじ
第2回 あらすじ
第3回あらすじ
第4回あらすじ
第5回あらすじ
第6回あらすじ
第7回あらすじ
第8回あらすじ
第9回あらすじ
第10回あらすじ
第11回あらすじ
第12回あらすじ
第13回あらすじ
第14回あらすじ
第15回あらすじ
第16回あらすじ
大河ドラマ『べらぼう』第13話 あらすじ
鱗形屋、再販
1777年年(安永6年)秋
蔦重(横浜流星)は朋誠堂喜三二こと平沢常富(尾美としのり)と吉原の案内本『娼妃地理記』作りに乗り出しています。
平沢は、祭りの日に足抜けしたうつせみ(小野花梨)と小田新之助(井之脇 海)の心配をしています。
蔦重は、小田新之助の居場所を問い詰めた松葉屋の女将・いね(水野美紀)が、平賀源内(安田 顕)を訪ねて源内のエレキテルを身代金代わりに持ち帰った場面を思い出していました。
そこに蔦屋に戻ってきた留四郎(水沢林太郎)が鱗形屋(片岡愛之助)が偽板でまた逮捕されたと告げました。
今回の鱗形屋の偽板騒動で、若木屋一派からも耕書堂へ細見の注文が入ります。
鱗形屋の処分が決まりました。
板木摺紙の没収はもちろん、実行犯である番頭・徳兵衛は江戸から追放。鱗形屋も監督不行き届きとして罰金 20貫文に処されました。
短期間のうちに同じ犯罪を繰り返した鱗形屋は、江戸っ子から呆れられ、年が明けても店を開けることができない事態に陥ってしまいました。
蔦重が細見を買おうと鱗形屋を訪れると

疫病神!お前なんて死んでしまえ!
と息子の万次郎。
蔦重は鱗形屋に深く頭を下げますが

これはこれは旦那様
何かご用か九日十日(ここのかとおか)

細見を500冊買わせてもらえねえかと思いまして

哀れな本屋に施しにございますか
だったら店畳んでくれませんか
そろそろ返してくんねえですか
うちから盗んだ商いを

それはできねえんで

なんでできねえんだよ!
てめえは本屋じゃなくていいだろうが
あんな立派な茶屋があんだからよ
俺 にはこれしかねえんだよ!
この商いしかねえんだよ
ええ 吉原もんはよ、女だけ売ってりゃそれでいい だろうが!
と、勝手口から追い出されます。
再犯の原因は座頭金
そこで書物問屋の須原屋(里見浩太朗)に500両を渡し、代わりに買ってもらえるよう頼みます。
鱗形屋が捕まった事情を聞くと、原因は座頭金(座頭から高利で貸し付けられた金) だとのこと。
あちこちにツケを溜めていた鱗形屋への証文が座頭に流れて強制的な取り立てにあい、手代が偽板を作ってつないだというのです。
盲人の役職。
位は上から「検校(けんぎょう)」「勾当(こうとう)」「座頭(ざとう)」「衆分(しゅぶん)」。
幕府から高利貸しをすることが許されており、トップの総検校・総録(そうろく)が取りまとめていました。
ちょうど1年前、幕府は札差(幕府から旗本・御家人へ支給される米の仲介をしていた人)が高利貸しをすることを禁じました。
札差から借りられなくなった武士たちは、座頭金に手を出します。
「盲人を大事にせよ」
という儒学にのっとり徳川家康が打ち出した仕組み なので、座頭金は取り締まれません 。
須原屋の主人は

鳥山検校など笑いが止まらないのではないか
と皮肉を言いました。
潤う検校と座頭金の実態調査
その頃鳥山検業(市原隼人)の屋敷では、瀬以(小芝風花)が夫から

さあ、好きなだけ(着物を)頼むがいいぞ
と言われていました。
そこで瀬以は

私ではなく、松葉屋の皆に着物をお作りいただくことはできませぬか?
と提案します。
鳥山検校は快諾しますが、いつも吉原のことを考えている瀬以にどこか寂しい気持ちを抱えています。
花見用の反物が届いて女郎たちが騒いでいると、女衒が旗本の娘を連れてきました。
武家の娘も口減らしのために売られる時代となっていました。

どういうことだ。主殿
江戸城では老中首座の松平武元(石坂浩二)がこの状況を嘆きながら、経済政策の結果を出せない田沼意次(渡辺謙)に八つ当たりしていました。
意次にしてみれば、札差の高利貸しを禁止がそもそもの原因です。
屋敷に戻った意次が息子の意知(宮沢氷魚)らと相談していると、甥の田沼意致(おきむね:宮尾俊太郎)が訪ねてきました。
西の丸で窃盗騒ぎがあり、何も盗まれていないのに目付けの意致が解任されたというのです。 西の丸には田沼嫌いが多いので体よく追い払われたのかと意次はため息をつきます。
後日、意次は一橋治済(生田斗真)を訪ね、意致を家老に取り立ててもらいました。
一橋治済から

そなたの弟は当家の家老であったし、田沼の者はよう働く
金繰りにも長けておるしな
しかしそなた相当 西の丸に嫌われておるようじゃの
このままでは早晩、田沼は干されてしまうのではないか
と忠告された意次は、松本秀持(吉沢悠)や長谷川平蔵(中村隼人)を使って座頭金の実態を明らかにするという賭けに出ました。
内勤の進物番となり同僚から妬まれていた平蔵は、外勤の仕事に喜びます。
鳥山検校の嫉妬
絵師の北尾重政の家では、蔦重が富本正本の表紙を受け取っていました。
すると重政の弟子の北尾政演(山東京伝)がご褒美に吉原で遊ばせてほしいとねだります。
それを承諾した蔦重に対し、

恋川春町の『辞闘戦新根』が名作なのに評判にならないのは 版元が鱗形屋だからだ、板を買い取ってしまえ
と重政が煽りますが

俺なんてお呼びじゃねえでしょ
と蔦重。
蔦重は平賀源内のもとを訪れます。
腕の良い職人・弥七を入れ、

エレキテール・売レテール
源内ツイテ〜ル
大判小判ワイテデ〜ル
天下一オモイシ〜ル
と笑いが止まらない源内。
蔦重が、自分が鱗形屋のツキや幸せを奪っているのではないかと話すと源内は

申し訳ないってぇんなら、お詫びにお前さんが世の人をツキまくらせればいいじゃねえの?
「本で幸せにすればいい」とアドバイスします。
この言葉で蔦重は、幼い頃、花の井(瀬以)や朝顔(愛希れいか)らと赤本(子供用絵本)を読んだ幸せな日々を思い出します。
鳥山の屋敷には瀬以のためにたくさんの本が運ばれています。

退屈する暇がなさそうにございます!
…旦那様がおられぬ時のことにございます
という瀬以に

そなたは吉原へ戻りたいのか
なぜ吉原の者たちとおる時のように声が弾まぬ?
なぜじゃ?
…所詮わしは客ということか?
どこまでいこうと女郎と客。
そういうことだな
と怒りながら詰問し始める鳥山検校。
瀬以は言い訳しようとしますが、

嘘などもう聞きとうない!
と鍵をかけて出て行ってしまいます。
その後、鳥山が従者に瀬以の持ち物を探らせると、蔦重からもらった古い赤本『塩売文太物語』や『一目千本』『細見嗚呼御江戸』『青楼美人合姿鏡』の3冊が見つかりました。
タイトルを聞き、鳥山検校はそれらが蔦重関連本だと気づきます。
高利貸しの検挙へ
その頃、田沼屋敷では、意次が座頭金の実態について報告に目を通しています。
思った以上に悪どい商売の実態を知った田沼意次。
その時、平蔵が駆けつけ、西の丸 小姓組の森忠右衛門が行方をくらましたと報告します。
意次は松本秀持に森を捉えるように命じました。
意次は、将軍・徳川家治(眞島秀和)に進言しに行きます。
家治の息子・徳川家基(奥智哉)や 松平武元が顔を揃える中、意次は坊主頭の森親子を招き入れました。
森によると、検校たちに取り立ての手段として家督を乗っ取られ、嫡子を出家させられたというのです。
代わりに別人を送り込んで跡目を継がせるということ。

聞くところによれば、森は遊興とは無縁。
常に質素倹約を心がけてきた者がここまで追い詰められたのにございます
意次は西の丸で座頭金を利用している武家の名簿を見せながら、旗本らの窮状を訴えました。

恐れながら将軍家は己の旗本すら養えておらぬのでございます
徳川家400万石、されど米の値は下がるばかり
今のままのやり方では、旗本八万騎を養うのは土台無理な話
松平武元は声を荒げますが、意次は続けます。

上に立つお方だからこそ、誠の姿をご理解していただかなければ
この国の行き方を決めるのは上様にございます
高利貸しを行う検校達を、一斉に取り締まらせてはいただけませんでしょうか
神君家康公のお教えは従い、弱き盲は保護いたしましょう
不法かつ巧妙な手口で蓄財をなし得た検校達は、もはや弱き者にあらず!
今徳川が守らねばならぬ弱き者は、どこのどなたにございましょうか
黙って聞いていた将軍家治が口を開きます。

余は、徳川家臣、及び検校から金を借りておる民草を救うべきと考える。
そなたはどうじゃ?
聞かれた家基は、爪を噛んでいます。
蔦重が蔦屋で茶屋仕事をしていると、そこに 鳥山検校の従者がやってきて、屋敷まで来てほしいと告げました。
屋敷では監禁されている瀬以に対し、脇差を腰に刺した鳥山検校がにじり寄っています。
鳥山検校が本を放り出し、

蔦屋重三郎が来る
どうだ、嬉しいか?
返事次第では斬ることになるかもしれぬからな
不義密通の罪で…
心だけはある、そういうことであろう
お前は、骨の髄まで女郎だな
とを問いただします。
腹をくくった瀬以が

重三はわっちにとって光でありんした
あの男がおるならば、吉原に売られたことも悪いことばかりではない
一 つだけはとてもいいことがあった
そうて思わせてくれた男にございんした
重三を斬ろうがわっちを斬ろうが、その過去を変えることはできません
けんど、わかっておるのでござりんす
主さんこそ、わっちをこの世の誰より大事にしてくださるお方であることは…
人の心を察しすぎる主さんを、わっちのいちいちが傷つけているということも
人というのは、どうして己の心ばかりは騙せぬのでありんしょう
今や抱いたとて詮無い、主さんを傷つけるばかりのこの思い、こんなものは消えてしまえとわっちとて願っておるのでありんすよ…
けんど、この世にないのは四角の卵と女郎のまこと
信じられぬと言うなら、ほんにわっちの心の臓をとっていきなんし
と鳥山検校の手を取り脇差を自分の胸に当てると、鳥山検校の目に涙が浮かびます。
蔦重が到着するとそこに…。