2025年大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』の第13話あらすじ
を紹介いたします。
順次あらすじを公開していきますので、お楽しみいただけますと幸いです。
※ネタバレ含みます
大河ドラマ『べらぼう』第13話 あらすじ
鱗形屋、再犯
1777年年(安永6年)秋
蔦重(横浜流星)は朋誠堂喜三二こと平沢常富(尾美としのり)と吉原の案内本『娼妃地理記』作りに乗り出しています。
平沢は、祭りの日に足抜けしたうつせみ(小野花梨)と小田新之助(井之脇 海)の心配をしています。
蔦重は、松葉屋の女将・いね(水野美紀)が、平賀源内(安田 顕)を訪ね、小田新之助の居場所を問い詰め、知らないと答えた源内のエレキテルを身代金代わりに持ち帰った場面を思い出していました。
そこに蔦屋に戻ってきた留四郎(水沢林太郎)が鱗形屋(片岡愛之助)が偽板でまた逮捕されたと告げました。
今回の鱗形屋の偽板騒動で、若木屋一派からも耕書堂へ細見の注文が入ります。
鱗形屋の処分が決まりました。
板木摺紙の没収はもちろん、実行犯である番頭・徳兵衛は江戸から追放。鱗形屋も監督不行き届きとして罰金 20貫文に処されました。
短期間のうちに同じ犯罪を繰り返した鱗形屋は、江戸っ子から呆れられ、年が明けても店を開くことができない事態に陥ってしまいました。
蔦重が細見を買おうと鱗形屋を訪れると
吉原もんは女だけ売ってりゃいいだろが!
疫病神!
と言われ、勝手口から追い出されます。
そこで書物問屋の須原屋(里見浩太朗)に事情を聞くと、原因は座 頭金(座頭から高利で貸し付けられた金) だという話です。
あちこちにツケを貯めていた鱗形屋への証文が座頭に流れて強制的な取り立てにあい、手代が偽板を作ってつないだというのです。
盲人の役職。
位は上から「検校(けんぎょう)」「勾当(こうとう)」「座頭(ざとう)」「衆分(しゅぶん)」。
幕府から高利貸しをすることが許されており、トップの総検校・総録(そうろく)が取りまとめていました。
ちょうど1年前、幕府は札差(幕府から旗本・御家人へ支給される米の仲介をしていた人)が高利貸しをすることを禁じました。
札差から借りられなくなった武士たちは、座頭金に手を出します。
「盲人を大事にせよ」
という儒学にのっとり徳川家康が打ち出した仕組み なので、座頭金は取り締まれません 。
須原屋の主人は
鳥山検校など笑いが止まらないのではないか
と皮肉を言いました。
潤う検校と座頭金の実態調査
その頃鳥山検業(市原隼人)の屋敷では、瀬以(小芝風花)が夫から
好きなだけ着物を頼んでいい
と言われていました。
そこで瀬以は
松葉屋の女郎たちに着物を作ってあげたい
と提案します。
鳥山検校は快諾しますが、いつも吉原のことを考えている瀬以にどこか寂し気持ちを抱えています。
花見用の着物が届いて女郎たちが騒いでいると、女衒が旗本の娘を連れてきました。
武家の娘も口減らしのために売られる時代となっていました。
どういうことだ。主殿
江戸城では老中首座の松平武元(石坂浩二)がこの状況を嘆きながら、経済政策の結果を出せない田沼意次(渡辺謙)に八つ当たりしていました。
意次にしてみれば、札差の高利貸しを禁止がそもそもの原因です。
屋敷に戻った意次が息子の意知(宮沢氷魚)らと相談していると、甥の田沼意致(宮尾俊太郎)が訪ねてきました。
西の丸で窃盗騒ぎがあり、目付けの意致が解任されたというのです。 西の丸には田沼嫌いが多いので体よく追い払われたのかと意次はため息をつきます。
後日、意次は一橋治済(生田斗真)を訪ね、意致を家老に取り立ててもらいました。
一橋治済から
このままでは 田沼は干されるぞ
と忠告された意次は、松本秀持(吉沢悠)や長谷川平蔵(中村隼人)を使って座頭金の実態を明らかにするという賭けに出ました。
内勤の進物番となり同僚から妬まれていた平蔵は、外勤の仕事に喜びます。
鳥山検校の嫉妬
絵師の北尾重政の家では、蔦重が富本正本の表紙を受け取っていました。
すると重政の弟子の北尾政演(山東京伝)がご褒美に吉原で遊ばせてほしいとねだります。
それを承諾した蔦重に対し、
恋川春町の『辞闘戦新根』が名作なのに評判にならないのは 版元が鱗形屋だからだ、板を買い取ってしまえ
と重政が煽ります。
蔦重は平賀源内のもとを訪れます。
腕の良い職人・弥七を入れ、
エレキテール・売レテール
と笑いが止まらない源内。
蔦重が、自分が鱗形屋のツキや幸せを奪っているのではないかと話すと源内は
申し訳ないと思うなら、世の中の人たちを本で幸せにすればいい
とアドバイスします。
この言葉で蔦重は、幼い頃、花の井(瀬以)や朝顔(愛希れいか)らと赤本(子供用絵本)を読んだ幸せな日々を思い出します。
鳥山の屋敷には瀬以のためにたくさんの本が運ばれています。
退屈しなくて済みます
という瀬以に
吉原へ帰りたいのか
ではわしは所詮客ということか?
どこまでいこうと女郎と客。
そういうことだな
と怒りながら詰問し始める鳥山検校。
自分と話す時の声が、吉原の者たちと喋る時と違って 弾んでいないからだというのです。
瀬以は言い訳しようとしますが、
嘘などもう聞きたくない
と出て行ってしまいます。
その後、鳥山が従者に瀬以の持ち物を探らせると、蔦重からもらった古い赤本『塩売文太物語』や『一目千本』『細見嗚呼御江戸』『青楼美人合姿鏡』の3冊が見つかりました。
タイトルを聞き、鳥山検校はそれらが蔦重関連本だと気づきます。
高利貸しの検挙へ
その頃田沼屋敷では、意次が座頭金の実態について報告に目を通しています。
検校たちは取り立ての手段として 家督を乗っ取ることもあると言います。
その家の嫡子を出家させ、代わりに別人を送り込んで跡目を継がせるのです。
思った以上に当座は悪どい商売をしている実情を知った田沼意次。
その時、平蔵が駆けつけ、西の丸 小姓組の森忠右衛門が行方をくらましたと報告します。
意次は松本秀持に森を捉えるように命じました。
意次は、将軍・徳川家治(眞島秀和)に進言しに行きます。
家治の息子・徳川家基(奥智哉)や 松平武元が顔を揃える中、意次は坊主頭の森親子を招き入れました。
聞くところによれば 森は遊興とは無縁。
常に質素倹約を心がけてきた者がここまで追い詰められたのにございます
意次は西の丸で座頭金を利用している武家の名簿を見せながら、旗本らの窮状を訴えました。
高利貸しを行う鳥山らを一斉に取り締まらせていただけませんでしょうか
松平武元は声を荒げますが、意次は続けます。
不法かつ巧妙な手口でかような蓄財をなし得た検校らは、もはや弱き盲ではない
今徳川が守らねばならぬ弱き者はどこの誰なのでございましょうか
黙って聞いていた将軍家治が口を開きます。
余は、徳川家臣、及び検校に金を借りておる民草を救うべきと考える。
そなたはどうじゃ?
蔦重が蔦屋で茶屋仕事をしていると、そこに 鳥山検校の従者がやってきて、屋敷まで来てほしいと告げました。
屋敷では監禁されている瀬以に対し、脇差を腰に刺した鳥山検校が にじり寄っています。
鳥山検校が本を放り出し、
これは いくら金を含まれようと心を売らないという当てつけか
返事次第では斬る
と不義密通を問いただします。
腹をくくった瀬以は
蔦重はわっちにとって光でありんした
それは幼き頃からずっと
と認める一方で、鳥山が誰よりも自分を大事にしてくれていることも知っていると言い添えました。
信じられぬというのなら、どうぞ。
ほんにわっちの心の臓をとっていきなんし
と鳥山検校の手を取り脇差を自分の胸に当てると鳥山検校の目に涙が浮かびます。