2025年大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』の第9話あらすじ
を紹介いたします。
順次あらすじを公開していきますので、お楽しみいただけますと幸いです。
※ネタバレ含みます
※各話も公開中
大河ドラマ『べらぼう』第9話 あらすじ
蔦重の「耕書堂」を仲間に入れようとしない地本問屋に、吉原への出入り禁止を言い渡した女郎屋の主人たち。悪口を肴に酒盛りを始めます。
主人たちに
吉原の本は自由に作ればいい
と言われた蔦重(横浜流星)ですが、本を作ったところで本屋に置いてもらえなければ市中に売り広げられません。
駿河屋(高橋克実)は
そこを何とかするのが仕事じゃねえか
と言い出し、もう一度話し合ってくると言っても許可してもらえません。
その頃、吉原は玉菊燈籠で賑わっていました。
蔦重は地本問屋の件で悩んでいますが、次郎兵衛(中村蒼)は吉原が盛況ならすむ話なので一年中、玉菊燈籠のようなイベントをしたり何人も瀬川を出せばいいなど呑気なものです。
身請け
そこへ小田新之助(井之脇 海)がやってきます。
新之助は仲の町をうろつきながら、うつせみ(小野花梨)に揚げ代を払ってもらうことを蔦重に打ち明け、自分の不甲斐なさにため息をついています。
蔦重は、
女郎にとって間夫は生きがいだから
慰めます。
すると蔦重は、駿河屋の中で待っている鳥山検校(市原隼人)に瀬川(小芝風花)が親しげに接する様子を目撃します。
瀬川と目が合い動揺する蔦重。
目をそらす瀬川。
その様子を見た新之助は2人が 恋仲なのではないかと思い、うつせみに尋ねてみます。
聞かれたうつせみは
今さら…?
と感じています。
その夜、新之助はうつせみの肌に「長十郎様命」と男名の刺青があるのを見つけました。
同じ夜、松葉屋の座敷では鳥山検校が瀬川の心の揺れを敏感に察知していました。
特技の目隠し鬼では、鋭すぎる感覚で圧倒的な強さを見せ、場を和ませます。
誠に稀に見る良い男であられんすなあ
という瀬川に、いね(水野美紀)は検校から身請け話を持ちかけられていると話します。
それを聞いた瀬川の心には『女重用記』を渡しながら幸せになってほしいと告げた蔦重の姿がふと思い浮かびます。
後日、駿河屋2階の座敷では、身代金が1000両と聞き、沸き立つ女郎屋の主人たち。
顔を出した蔦重はその話を聞き、「出直してくる」と場から離れました。
駿河屋はそんな蔦重をじっと見ています。
瀬川の身請け話を受け止められまいまま蔦屋に戻った蔦重。
次郎兵衛が呑気に歌うなか、新之助が現れました。
蔦重と外に出た新之助は、うつせみクラスの身請けの相場はいくらなのか尋ねてきました。
300両と答えると到底払えないと新之助は落胆します。
新之助は、うつせみが自分を呼ぶ揚げ代を稼ぐために、刺青を掘って痛がる様子を楽しむような変な客をとっていたと知り、身請けしたくなったと話しました。
金のない男が身請けなど夢のまた夢
と自嘲する新之助。
花魁は気が進まない身請け話は断れる。断り続けて年季が明け新之助と所帯を持つ道もある。
ただ、一日でも早く務めを終えたい女郎たちに断る者はほとんどいない。
そんな話を聞かせる蔦重。
金のない男の懸想など幸せになる邪魔立てでしかないのかもしれぬな…
と新之助。
話しているうちに、蔦重は 仲睦まじい瀬川と鳥山検校を思い出し、いてもたってもいられなくなりました。
告白
蔦重は九郎助稲荷に瀬川を呼び出すと、身請けの話を断ってほしいと切り出しました。
蔦重の言い分はこうです。
瀬川がいなくなっては客が吉原から離れてしまう。
身請けで幸せになってほしいとは言ったけれど検校で手を打つことはない。鳥山検校は幕府の優遇に乗じて大金を稼ぐクズだ、ヒルだ
あんただってわっちに吸い付くヒル
言い合いのあと
後生だから行かねえで!
俺がお前を幸せにしてえの
だから行かねえでください
涙声の蔦重。
どうやって 幸せにしてくれるの
涙をこらえつつ聞く瀬川。
どうにか
曖昧な返事しかできない蔦重。
どうにかってなんだよ、べらぼうが
瀬川から突っ込まれます。
年季明けには必ず請け出す
心変わりしないか
蔦重は、自分の気持ちに気づくまで20年もかかったのだから心変わりなどしないと誓います。
松葉屋との攻防
瀬川から身請けを断ると言われた松葉屋夫婦は絶句します。
女将のいねが理由を尋ねると、瀬川は
断った方が瀬川の値打ちが高まるから、瀬川は千両でもフッたと評判になれば自分の値打ち、吉原の花魁の値打ちも高まると言い訳をします。
いねは身請け証文まで交わしていると怒り出しますが、 瀬川の意思は 固く、いったんは受け入れることにします。
間違いない、間夫(まぶ)ができたんだ
相手は「アレ」だと言ういねに、今さら?と驚く松葉屋。
ここは吉原。掟破りは許されません。
いねと松葉屋は2人を泳がし、見つかり次第きつく折檻すればなんとでもなると監視を始めます。
吉原育ちの蔦重と瀬川は、見張られていることに気づきます。
蔦重が貸本業で松葉屋を訪れる際に本の間に挟んだ紙切れで、慎重にコミュニケーションをとっていました。
女将・いねの作戦
なかなか尻尾を出さない2人に、ついにいねが強硬手段に訴えます。
瀬川にひと晩5人もの男の相手をさせる嫌がらせです。
先代の瀬川もこうやって気の進まぬ身請けをのまされた挙句、自害したのでは?
あれは松葉屋の大名跡を潰してくれた迷惑千万なバカ女さ
その言葉を聞いた瀬川は怒りを殺しながら壁をたたきます。
主人・松葉屋の作戦
松葉屋は離れに蔦重を通します。
襖の奥から瀬川の喘ぎ声が聞こえてきます。
お前さんはこれを瀬川に年季明けまでずっとやらせるのかい?
松葉屋が襖を少しだけ開けると
そこには揺れる瀬川。
目が合う瀬川と蔦重。
襖を閉める松葉屋。
松葉屋は、年季明けまで命を削り続ける瀬川に蔦重ができることは、何もしないことだけだと諭します。
足抜け
蔦屋に戻ると新之助が若い娘・久(ひさ)を連れてやってきました。
新之助は玉菊燈籠を見たいという久の通行切手をもらって大門をくぐっていきます。
蔦重は通行切手を眺めながら、瀬川との足抜けを思いつきました。
その日の深夜、最後の客が寝入った後、屋根をつたって抜け出したうつせみが新之助と合流。
2人は玉菊燈籠で知り合った男女のふりをして久の通行切手で大門をくぐると、足早に走り去っていきました。
避ける瀬川に蔦重が本を渡しました。
開くと、中には紙切れと通行切手が入っています。
その時、いねが慌ててやってきました。
うつせみが足抜けしたことに気づいたのです。
蔦重たちより一足早く足抜けをした新之助とうつせみでしたが、ほどなく松葉屋の追手に捕まってしまいました。
新之助はボコボコにされ、家に帰ると切腹しようと脇差を手にしていました。
そこにやってきた蔦重が慌てて止めます。
うつせみと心中する覚悟だった新之助は、蔦重から吉原は女郎を殺したりしないと聞くと、我に帰ります。
一方、松葉屋の庭ではうつせみも木に縛られ、水を浴びせかけられていました。
いねはぐったりしたうつせみの髪を掴みながら詰問します。
食い縁がないままでどうやって暮らすつもりだったのか。
挙句の果てには女は夜鷹に身を落とすのが関の山、それで幸せなのか。
瀬川の決意
その光景を見ていた瀬川は、いねと2人きりになると四代目瀬川を迷惑千万と言った本意について尋ねます。
いねは、自分一人の色恋のために、後に続くはずだった多くの女郎の幸せになる道を20年近くも潰したことを怒っていたのでした。
ここは不幸なとこさ
けど人生をガラリと変えることが起こらないわけじゃない
そういう背中を女郎に見せる務めが「瀬川」にはあるんじゃないかい?
瀬川が名跡を継ぎたいという言葉を聞き、これで多くの女郎たちが救われると喜んだと話します。
この名を背負う意味を改めて考えた瀬川は、蔦重に通行手形入りの本を返しました。
この馬鹿らしい話を重三(じゅうざ=蔦重)が勧めてくれたこと、わっちはきっと一生忘れないよ
正式に瀬川の身請けが決まりました。
身代金は1400両。
住み慣れた松葉屋を年の暮れに出て行きます。
同じく年の暮れに住み慣れた場所を去るのは、田安賢丸(寺田心)。
妹・種姫との会話の中からある妙案を思いついていました。
大河ドラマ『べらぼう』第9話 あらすじの登場人物
『べらぼう』9話の主な登場人物一覧です。
役名 | キャスト | 役柄 | 史実では |
語り: 九郎助稲荷(くろすけいなり) |
綾瀬はるか | 吉原遊廓内にあった稲荷社。 現在は吉原神社に祀られている。 |
|
蔦屋重三郎 | 横浜流星 | 主人公 | 江戸の名プロデューサー 蔦屋重三郎は何をした人? |
駿河屋 | 高橋克実 | 主人公の養父 | 「蔦屋」茶屋などを営む |
ふじ | 飯島直子 | 主人公の養母 | |
次郎兵衛 | 中村蒼 | 主人公の義兄 蔦屋の主 |
大門口の引手茶屋の主。 実家が裕福なので商売に熱心ではない |
留四郎 | 水沢林太郎 | 五十間道の蔦屋で働く | |
半次郎 | 六平直政 | つるべ蕎麦店主 | |
鳥山検校 | 市原隼人 | 盲目の大富豪 | 五代目瀬川を身請けした大金持ちの盲人 |
松葉屋半左衛門 | 正名僕蔵 | 妓楼主 | 吉原の有名妓楼主 最盛期を築く |
いね | 水野美紀 | 松葉屋女将 | |
花の井/五代目瀬川 | 小芝風花 | 松葉屋女郎 | 伝説の悲運の名妓 |
うつせみ | 小野花梨 | 松葉屋女郎 | |
松の井 | 久保田紗友 | 松葉屋女郎 | |
とよしま | 珠城りょう | 松葉屋番頭新造 | |
朝顔 | 愛希れいか | 松葉屋女郎 | |
きく | かたせ梨乃 | 河岸見世・二文字屋女将 | |
ちどり | 中島瑠菜 | 二文字屋女郎 | |
大文字屋市兵衛 | 伊藤淳史 | 妓楼主 | 2代目大文字屋 初代が小柄でケチで「カボチャ」と呼ばれた。 狂歌界のキーパーソン |
扇屋右衛門 | 山路和弘 | 妓楼主 | 蔦重と同じ狂歌グループで吉原の交流で重要な役割を果たす |
りつ | 安達祐実 | 大黒屋女将 | |
志津山 | 東野絢香 | 玉屋女郎 | |
鱗形屋孫兵衛 | 片岡愛之助 | 版元 | 「鶴鱗堂」『吉原細見』を独占刊行した書店・版元。 武家とトラブルを起こす |
鱗形屋長兵衛 | 三浦獠太 | 鱗形屋の跡取り息子 | |
藤八 | 徳井優 | 鱗形屋の番頭 | |
須原屋市兵衛 | 里見浩太朗 | 版元『解体新書』を出版 | 「申椒堂」平賀源内や杉田玄白の本を刊行 |
小泉忠五郎 | 芹澤興人 | 本屋 | |
徳川家治 | 眞島秀和 | 10代将軍 | 文武両道で将来を嘱望されていたが神経質で長男を亡くし政治に興味を失う。 |
知保の方 | 高梨臨 | 家治の側室・家基の母 | 子を産むが正室(倫子)の養子に出され抱くことが許されなかった |
徳川家基 | 奥智哉 | 家治の息子 | 文武両道。18の時、鷹狩の帰り道に腹痛に見舞われる |
清水重好 | 落合モトキ | 家治の弟・御三卿 | |
徳川家斉 | 11代将軍 | ||
一橋治済 | 生田斗真 | 家斉の父・家治のいとこ・御三卿 | 時代のキーマン。画策につぐ画策。 一橋治済|黒幕と呼ばれた男 |
大崎 | 映美くらら | 家斉の乳母 | 治済とともに家斉を支持 一橋治済|黒幕と呼ばれた男 |
田沼意次 | 渡辺謙 | 老中 | 将軍に寵愛され派手に出世したイケメン。大奥でも大人気。 田沼意次|狂乱の時代を作った男 |
田沼意知 | 宮沢氷魚 | 意次の息子 | 将来を嘱望された優秀な人材 |
田沼意致 | 宮尾俊太郎 | 意次の甥 | |
三浦庄司 | 原田泰造 | 意次の側近 | |
宝蓮院 | 花總まり | 定信の養母 | |
田安賢丸 (松平定信) |
寺田心 | 老中・御三卿 | あと一歩で将軍だった。「寛政の改革」を行った。 松平定信/田安賢丸|将軍になりそこねた男 |
種姫 | 小田愛結 | 宝蓮院の娘 | 家治の養女となった家基の正室候補 |
平賀源内 | 安田 顕 | 作家・発明家 | エレキテルなどを発明した万能の奇才。心身を病んで獄中死。 |
小田新之助 | 井之脇 海 | 浪人 | |
松本秀持 | 吉沢悠 | 勘定奉行 |