2014年度後期放送(2025年再放送)第91作
NHK連続テレビ小説『マッサン』!
こちらでは、朝ドラ『マッサン』について、あらすじやキャスト、放送日などをご紹介いたします。
『マッサン』をもっと深く楽しみたい方
『マッサン』を観る時間のない方
あらすじや概要だけ知りたい方
そんなみなさまのお役に立てましたら、幸いです。
※ネタバレを含みます
- 朝ドラ『マッサン』概要
- 『マッサン』第1週あらすじ「鬼の目にも涙」
- 『マッサン』第2週あらすじ「災い転じて福となす」
- 『マッサン』第3週あらすじ「住めば都」
- 『マッサン』第4週あらすじ「破れ鍋に綴じ蓋」
- 『マッサン』第5週あらすじ「内助の功」
- 『マッサン』第6週あらすじ「情けは人のためならず」
- 『マッサン』第7週あらすじ「触らぬ神に祟りなし」
- 『マッサン』第8週あらすじ「絵に描いた餅」
- 『マッサン』第9週あらすじ「虎穴に入らずんば虎子を得ず」
- 『マッサン』第10週あらすじ「灯台下暗し」
- 『マッサン』第11週あらすじ「子に過ぎたる宝なし」
- 『マッサン』第12週あらすじ「冬来たりなば春遠からじ」
- 『マッサン』第13週あらすじ「急いては事をし損じる」
- 『マッサン』第14週あらすじ「渡る世間に鬼はない」
- 『マッサン』第15週あらすじ「会うは別れの始め」
- 『マッサン』第16週あらすじ「人間到る処青山有り」
- 『マッサン』第17週あらすじ「負うた子に教えられる」
- 『マッサン』第18週あらすじ「遠くて近きは男女の仲」
- 『マッサン』第19週あらすじ「万事休す」
- 『マッサン』第20週あらすじ「夏は日向を行け 冬は日陰を行け」
- 『マッサン』第21週あらすじ「物言えば唇寒し秋の風」
- 『マッサン』第22週あらすじ「親思う心にまさる親心」
- 『マッサン』第23週あらすじ「待てば海路の日和あり」
- 『マッサン』第24週あらすじ「一念岩をも通す」
- 『マッサン』第25週あらすじ「人生は冒険旅行」
朝ドラ『マッサン』概要
『マッサン』は、日本のウイスキー産業の礎を築いた夫婦の、愛と冒険に満ちた波乱万丈の生涯を描いた物語です。
放送日
本放送
2014年9月29日〜2015年3月28日
再放送
2025年12月22日(月)から
毎週月~金曜 12:30~12:45(1日1話ずつ150回)
NHK ONE(新NHKプラス)でも視聴できます。
2018年4月2日〜2018年9月22日
2022年5月2日〜2022年10月24日
時代背景
大正から昭和にかけての激動の日本が舞台
主な登場人物
亀山政春(マッサン)
日本で本格的なウイスキーを造るという夢を持つ青年(モデルはニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝)。
亀山エリー
政春の妻。スコットランド出身で、夫の夢を叶えるために異国の地・日本へ渡る(モデルは竹鶴リタ)。
制作陣
脚本
羽原大介
主題歌
『麦の唄』中島みゆき
語り
松岡洋子
タイトル制作
関和亮
制作統括
櫻井賢
プロデューサー
山本晃久
『マッサン』第1週あらすじ「鬼の目にも涙」
1920年(大正9年)5月。
本場のウイスキーづくりを学ぶため単身スコットランドに渡った亀山政春は、広島で代々続く造り酒屋「亀山酒造」の次男。
2年ぶりに妻・エリーを連れて日本へ帰国しました。
実家の母・早苗からは「外国人の嫁なんか絶対に認めまへん!」と反対されるものの、法事の席で親戚にエリーを紹介し、認めてもらおうと奮闘します。
酒造を継いでほしい両親と、夢を追う息子。
父はその夢を応援しますが、母は泣き落としにかかります。
「後生ですけん国に帰ってつかあさい」泣きながら懇願する早苗を悲しませたくない。エリーは別れを決めました。
去っていくエリー。追いかける政春。
『マッサン』第2週あらすじ「災い転じて福となす」
2人は、政春の勤め先、大阪の住吉酒造を訪れます。
大歓迎のなか、エリーとの結婚を告げると状況は一変。
政春は社長・田中大作の娘・優子と婚約中で、政春が婿に入る前提でスコットランドへ留学させたのだというのです。
ただこれは大作の思い込み。誤解は解けたものの、激怒した優子からいびられるエリー。
日本でのウイスキーづくりを諦めてスコットランドへ戻ろうかと提案する政春を、エリーは気丈に励まします。
そんななか、政春のウイスキーづくりに興味を示した人物がいました。
発注元・鴨居商店の鴨居欣次郎です。
『マッサン』第3週あらすじ「住めば都」
田中家を出た政春とエリーの新生活が始まりました。
ウイスキー造りに没頭して毎晩帰りの遅い政春に、エリーは不満です。
今日こそ早く帰ると約束し、大急ぎで帰宅した政春の目に、鴨居に送ってもらい挨拶のハグをするエリーの姿が飛び込んできました。
政春は
「スコットランドに帰って、スコットランド人と結婚したらええじゃろうが!」
と家を飛び出し田中家へ。
そんな政春を「今のエリーさんが頼れるんは、政春さんしかおらへんねんで」と諭す優子。
翌朝、エリーが炊いたまだ芯が残るご飯を食べながら、新生活のささやかな幸せを噛みしめる2人でした。
『マッサン』第4週あらすじ「破れ鍋に綴じ蓋」
1920年(大正9年)7月。
ウイスキー事業の承認を目指すなか、各地でワイン瓶の爆発騒ぎが発生し、住吉酒造は太陽ワインの製造をストップ。発注元の鴨居商店も窮地に陥ります。
ウイスキー研究を中断し、太陽ワインの安全性を証明すべく実験に没頭する政春。鴨居の得意先へのお詫び行脚へも同行します。
一方、経営難に陥った住吉酒造では、優子の政略結婚の話が持ち上がります。
鴨居は太陽ワインの再起を図るため、女性ヌードを使った広告を打ち出し、突然、一緒にウイスキーを作ろうと政春を誘います。
魅力的な提案に心揺れながらも、住吉酒造に残る決意をする政春。
『マッサン』第5週あらすじ「内助の功」
太陽ワインの生産を再開した住吉酒造。
政春と大作はウイスキー事業の承認を得るため株主会議の開催にこぎつけます。日本人に馴染みのない味が受け入れられるのか、エリーは不安な気持ちでいっぱいです。
案の定、会議で本場の原酒を振る舞うも不評。
そこで、エリーは優子らの協力を得てウイスキーに合う和洋食を考案し、提供します。
エリーが用意したスコットランド料理を口にした後でウイスキーを飲むと、株主たちの表情が一変し、拍手が沸き起こります。
ですが、優子の婚約者・藤岡次郎の反対により事業は否決。継続すれば、藤岡家からの資金提供も優子の縁談も白紙となってしまいます。
会社と孫娘のために夢を諦めるよう懇願する、大株主で優子の祖父・守谷長五郎。
政春は断腸の思いで退職届を提出することに。
夢を諦めないと誓う政春をエリーは笑顔で出迎え、優子は無事に嫁いでいきました。
『マッサン』第6週あらすじ「情けは人のためならず」
秋になりました。
住吉酒造退職から2か月。稼ぎは男の仕事だとエリーが働くことを許可しない政春。ただ、政春は仕事が続かず、蓄えも尽きかけています。
一方、鴨居は、ウイスキー事業に本腰を入れ始めます。
エリーは、内職や教会の手伝い、派手な着物を着て歌う鴨居商店の仕事も引き受けます。
ある日、風邪に罹った梅子の子供・健太を徹夜で看病したエリーが倒れます。たくさんの差し入れで快方に向かうエリーですが、牧師の妻キャサリンは政春をぎゃふんと言わせようと企みます。
「大変や!エリーが!息が止まってしもうた」
死んだふりをするエリー。泣きながら
「わしはエリーを幸せにするために結婚したんじゃ!」
と叫ぶ政春。
この一件で、エリーが周囲に愛されていることを知り、自分の不甲斐なさを猛省する政春でした。
『マッサン』第7週あらすじ「触らぬ神に祟りなし」
家賃を待ってもらう代わりに、エリーは大家である野々村の娘・幸子とナツに英語を教えることになりました。
姉妹の姉・幸子は亡くなった母に悪いと考え、継母の由紀子を「お母さん」と呼べません。娘を思い、由紀子との離婚を考える野々村。事情を知ったエリーは、自身の経験と重ね合わせて幸子に寄り添いアドバイスを送ります。
エリーは、野々村家の絆を取り戻そうと由紀子の誕生日パーティーを計画するも、当日、野々村の姿はありません。
重苦しい空気のなか、「オールドラングサイン」を歌うエリー。
乾杯のタイミングで、幸子は自分で摘んだ花束を手に
「お誕生日おめでとう…お母さん。」
初めて「お母さん」と呼ぶことができました。
こっそり覗っていた野々村は、幸子を抱きしめます。
『マッサン』第8週あらすじ「絵に描いた餅」
母・早苗からの「チチキトク、スグカエレ。」の電報に騙され、広島の実家に戻った亀山夫妻。政春は、腰をいためた父・政志の代理を務めることに。
蔵人の俊夫とともに日本酒の試験醸造に取り組む政春は、俊夫から「西洋にかぶれた人間に日本酒造りは無理だ」と言われながらも、職人たちの活気に触発され、やる気が湧いてきます。
一方、嫁ではなく「女中」として早苗や千加子から厳しい指導を受けるエリー。
千加子から伝授された「亀山家のみそ汁」で政春を励まします。
千加子に子どもが生まれました。
赤ちゃんを抱くエリーを見た政春は、将来を考え、実家の酒蔵を継ごうと考えます。
ですが、これを認めない両親。
政春がウイスキー造りの夢から逃げていると見抜いたうえでの、厳しい判断でした。
大阪へ戻る際、エリーは、早苗から「女中代」を渡されます。
『マッサン』第9週あらすじ「虎穴に入らずんば虎子を得ず」
政春は、鴨居に雇ってもらうため、鴨居商店を訪れます。
ですが、鴨居が日本人向けに「ウイスキーの炭酸割り」を売り出すと聞くと、「あの人ぁ本気でウイスキーを造る気なんかないんじゃ!」と帰ってしまいます。
一方、鴨居の通訳として技術者探しに参加したエリー。
同郷のスコットランド人に、日本人にはウイスキーが造れない、スコットランドのどの事業者も技術者を派遣しない、例の日本人を捜してはどうか、と言われます。
例の日本人とは、スコットランドでウイスキー技術を学んだ政春のことでした。
そこで、エリーは「女中代」を料亭の支払いにあて、政春と鴨居の会合をセッティングすることに。
鴨居の情熱を知り心を打たれる政春ですが、鴨居からクセを抑えた日本人向けウイスキーへの改良を提案され、再び衝突します。
いっそ教師に転身しようかと考えた頃、突然鴨居が亀山家を訪問します。
「鴨居商店の人間になれ」とウイスキーの書籍や酒樽の並ぶ「秘密基地」へ案内する鴨居。熟成し良質なアルコールとなるウイスキーを「神の御業」と語る鴨居の本気を知り、ようやく政春は鴨居のもとで働くことを決意します。
『マッサン』第10週あらすじ「灯台下暗し」
1921(大正10)年4月の鴨居商店。
政春は、スコットランドと風土が似た北海道に工場を建てたいと夢を語ります。ですが、鴨居は輸送コスト面からこれを却下。
水質の良い「山崎」に白羽の矢を立てました。
鴨居の決定に不満を募らせる政春。
一方エリーは、借家の改装に余念がありません。
山崎の自然に触れ、その地がウイスキーづくりに適していることを発見した政春は、鴨居の選択眼に感服しながらも、鴨居が宣伝効果を重視して選んだと知ると、将来一緒にやっていけるか一抹の不安がよぎります。
広島の蔵人・俊夫も加わり、
1924(大正13)年10月
3年半の月日を経てついに山崎工場にポットスチルが設置されました。
山崎工場が完成し歓喜に湧くなか、政春に耳打ちをするエリー。
「わたしもできた…赤ちゃんができちゃったの」
それは、エリーが一番望んでいたプレゼントでした。
『マッサン』第11週あらすじ「子に過ぎたる宝なし」
念願の山崎工場完成とエリーの妊娠で、政春は喜び、張り切っています。
そんななか、鴨居の長男・英一郎が政春の弟子として同居することに。
父を恨む英一郎は、周囲と壁を作り、ウイスキーづくりにも消極的。ですが、亡き母の姿をエリーに重ねて次第に心を開いていきます。
ある日、部屋から出ない英一郎と一緒に過ごそうと2階へ夕飯を運ぶ際、エリーが階段から落ちてしまいます。
子が流れ、政春に謝るエリー。
自分を責める英一郎。
さらに、政春は、体の弱いエリーは今後妊娠したとしても出産時に母体に危険が及ぶと医者から告げられます。
『マッサン』第12週あらすじ「冬来たりなば春遠からじ」
「もしまた赤ちゃんができたら、ちゃんと産みます」
エリーの言葉に何も答えられなかった政春も、ようやく事実を伝えました。
泣き崩れるエリー。
「わしらは助けられたんじゃ。もしあのまま産んどったらエリーは命を落としとったかもしれんいうて先生が言うとった。つまりの、わしらの子はエリーを生かしてくれた。エリーの命を助けてくれたんじゃ。」
政春は、エリーを抱きしめます。
一方、政春不在の山崎工場では、お披露目会を前に混乱が続いていました。
お披露目会の延期はありえないと鴨居。
その日は、英一郎の母の命日でした。
鴨居はエリーに促され、英一郎と向き合います。
工場のお披露目会の日を迎えます。
『マッサン』第13週あらすじ「急いては事をし損じる」
1928年(昭和3年)11月。
山崎工場が完成し、養女のエマを迎え入れてから4年。
原材料の高騰や景気の悪化により、厳しい経営状況にある鴨居商店。
熟成不足の原酒をブレンドし、乗り切るしかありません。
試行錯誤の末、政春は最後にスモーキーな原酒を少し垂らし、ピートの効いた納得のウイスキーを完成させました。日本初の国産ウイスキーの誕生です。
涙ながらに喜ぶ政春とエリー。
ですが、これはまったく売れませんでした。
鴨居は日本人の味覚に合わせた飲みやすい味への改良を提案しますが、信念を曲げたくない政春は反発。
「ウイスキーの味もわからん人に飲んでもらおうとは思いません。本物の味が分かる人にだけ飲んでもらえたらええ思っとります。客に媚びてまで売れる商品を造ることには賛成できません」
2人の間に亀裂が生じます。
鴨居は京都帝大の教授をウイスキーづくりに加え、山崎工場の責任者を政春から英一郎に替えると言い渡しました。
『マッサン』第14週あらすじ「渡る世間に鬼はない」
政春は、営業への異動を命じられ、単身北海道へ。
ニシン漁の親方・森野熊虎と出会います。
熊虎の住まいは、澄んだ川と泥炭地帯に恵まれた、スコットランドにも似た「余市」でした。
一方、早苗が危篤との電報を受け取ったエリーは、連絡の取れない政春を待たず、広島へ。
理想の地「余市」を報告するため本社に電話をかけた政春も、母の病を知り広島へ向かいます。
早苗の容態は、一時持ち直したものの、吐血し、余命わずかと告げられます。
花嫁衣装を着て早苗に三つ指をつくエリー。
早苗は、女を理由に酒造りに携われなかった過去を語り、
「ええ嫁じゃ。あのバカタレの夢を支えられるんは、あんたしかおらん。あんたは日本一の、世界一のええ嫁じゃ」
ついにエリーを認めます。
政春が広島へ駆けつけると
「センキュー…グッドバイ…グッドバ…」
早苗は旅立ちました。
『マッサン』第15週あらすじ「会うは別れの始め」
決意新たに大阪へ戻り、鴨居に頭を下げる政春。
「いつか理想のウイスキーを造るためにも、ここで飲みやすいウイスキーを造ります!」
再び工場長となった政春は、自分の価値観に反するものをひたすら追求し続けます。人が変わったようなその姿は、エリーも英一郎も心配になるほどです。
完成したブレンデッドにGOを出す鴨居ですが、政春には達成感などありません。
結局、そこまでした「鴨居ウヰスキーレッドラベル」も売れず、会議で責め立てられた政春は倒れてしまいました。
「これからは、マッサンがマッサンのためにがんばって。マッサンが本当に造りたいウイスキーのためにがんばって。だから、大将の会社もう辞めていいよ。」
エリーは、政春自身の工場を造ろうと提案します。
リンゴジュースを売った収益をウイスキー造りにあてる計画ですが、必要な設備資金は50万。大家の野々村と実業家の渡芳利から20万ずつ投資を得ても、10万円足りません。
退職を告げた政春に
「無理や、お前は経営者にはなれん。無理やり社長になったら皆が不幸になる」
そう言いながら、退職金として10万円の小切手を手渡す鴨居でした。
『マッサン』第16週あらすじ「人間到る処青山有り」
1932年(昭和7年)。
夢の実現のため、ついに北海道・余市へとやって来ました。
余市川の味を確かめる政春と、土手で「ラブレター」を書くエリー。
まず、以前出会ったニシン漁の親方・森野熊虎を訪ね、土地や資金調達の仲介をお願いします。
ですが、ニシンが不漁で莫大な借金を負った熊虎の保証人である親戚たちからは、協力が得られません。
借金のせいで夢を諦めた息子・一馬も、父を恨み、家の権利書を手放そうとします。
息子に殴られ、これまでどんな思いで家を守ってきたのかを語る熊虎。そして、政春に
「おらの代わりにここで殿様になれ!新しい時代を切り開いてくれ!」
と権利書を託しました。
その思いを受け止め、この地をたくさんの人が集うウイスキーの里にすることを誓う政春。一馬たちに工場を手伝ってほしいと頼みます。
1年後、エリーのもとにラブレターの相手が訪ねてきました。
『マッサン』第17週あらすじ「負うた子に教えられる」
1933年(昭和8年)
政春の会社「北海道果汁」では、リンゴジュースの在庫が山積み。
エマは、自分と母エリーの外見の違いに疑問を持ち始めます。
学校の作文課題「わたしのかぞく」に悩むエマは、同級生にエリーのことをからかわれ、喧嘩をしてしまいました。エリーはエマの気持ちを理解しつつも、問題の根深さを痛感します。
一方、大阪に呼び出された政春は、出資者から利益が出るまでウイスキー造りを禁止され、営業に奔走。
母との外見の違いに悩むエマのため、政春とエリーはついに養女であることを告白。真実を知り、作文が書けないエマは、高熱を出して倒れてしまいました。
エリーの献身的な看病で元気になったエマは、同級生と仲直りし、心も元気に。
そして、「エマより先に死なないで。エマの本当のお父さんとお母さんは死んじゃったから今はもう会うことができないんでしょ?だからお父さんとお母さんはエマより先に死なないで。約束してくれる?」とお願いし、父兄参観の日、エマは堂々と作文を読み上げました。
『マッサン』第18週あらすじ「遠くて近きは男女の仲」
1934年(昭和9年)
工場は軌道に乗り始めますが、ある日、りんごジュースの品質に関する苦情が入り、全返品・費用負担を強いられます。
一方、エリーは、熊虎の娘・ハナが俊夫をからかっているところを目撃。その時、ハナには見合いの話が来ていました。
焦ったエリーが2人のことを熊虎に相談すると、熊虎は突然俊夫につかみかかります。ハナは見合いをすると言って父をなだめながらも、俊夫に告白。俊夫も勇気を振り絞りプロポーズしました。
そんななか、政春とエリーのもとに英一郎の訃報が届きます。
葬儀で鴨居から、英一郎が政春をライバル視し、ウイスキーづくりに懸命だった話を聞いた政春は、りんごブランデー製造のため野々村と渡から増資を取り付けました。
「まさかその蒸留器でウイスキー造るつもりやないやろな」
「違います!ウイスキーはお許しをいただけるまで造りません!」
北海道に戻った政春は、初めての仲人を務め、俊夫とハナを盛大に祝福します。
そしてその場で発表しました。
「ウイスキーを造り始めることにしました!」
『マッサン』第19週あらすじ「万事休す」
1940年(昭和15年)9月初旬、日中戦争のさなか
余市へ来て8年、エマは15歳の活発な少女に成長していました。
6年前から仕込んできた原酒は、熟成を重ねてついに理想のウイスキーの完成です。
試飲した作家・上杉龍之介から「うまい」と絶賛されて勇気を得た政春は、出資者の渡と野々村に打ち明ける決意を固め、会う約束を取り付けます。
そこに突然現れた出資者2人。
エリーやエマ、熊虎の説得で、なんとか認められました。
ところがこの「ドウカウイスキー」は売れませんでした。
出資者2人から、事業継続をしたければ代わりに従業員を半分にするよう命じられた政春。ふと鴨居の「無理やり社長になったら皆が不幸になる」という言葉が蘇ります。
未来のため、原酒を守るため、会社倒産の危機を回避するため、苦渋の決断を下しました。
『マッサン』第20週あらすじ「夏は日向を行け 冬は日陰を行け」
1943年(昭和17年)
海軍の指定工場となった政春の工場では、徴兵で働き手が減り、新たな工員として中村美紀・秀子親子が加わりました。母親の美紀は家事を担当、秀子は工場の仕事を手伝います。
ある日、エリーは、「ひこくみん、くにかえれ、きちく」と子供たちに石を投げられ、ケガを負います。戦況悪化に伴い外国人への迫害が強まるなか、渡英を決めたキャサリンが、エリーを誘います。
ただ、英国へ行くには英国籍に戻すこと、つまり離婚が必要です。
日本に残りたいエリーと、日本でエリーが迫害されることを恐れるエマ。
苦悩しながらも政春が離婚届にサインしようとした矢先、エリーにスパイ容疑がかかり、特高警察が家に押し入ります。
迷いなく寝室のタンスの三段目の引き出しからエリーの手紙を押収する特高。
両腕を掴まれ、裸足のまま連れ出されるエリー。
ちょうどその時、駆けつけた海軍士官が特高を追い払い、窮地を救いました。
政春は離婚届を破り捨て、家族3人で日本で暮らすことを決断します。従業員から湧き上がる拍手のなか、美紀が謝罪を始めました。
家の中のことを特高に教えたのは美紀だったのです。
『マッサン』第21週あらすじ「物言えば唇寒し秋の風」
1943年(昭和18年)秋。戦争が始まり2年。エマ17歳。
海軍の要請による葡萄酒づくりを政春から任された一馬は、研究に没頭する毎日。
工場の後継者は一馬が適任だと考えるエリーですが、エマが一馬に恋をしていると知ると「まだ早すぎる」と猛反対。エリーに釘を刺され、エマに会うのをやめようと告げる一馬。エマは絶望します。
エリーは、エマに自身の初恋のつらい経験を打ち明けました。
初恋の相手ジョージとエリーは結婚の約束を交わしていましたが、ジョージは戦死。その時エリーは、エマと同じ17歳でした。
エマに自分と同じ思いをしてほしくないと話すエリー。
エマは母に感謝しつつも、自分の思いを伝えます。
娘の成長に気づいたエリーがようやく2人の交際を許した時
「おめでとうございます。召集令状です」
一馬は赤紙を受け取りました。
『マッサン』第22週あらすじ「親思う心にまさる親心」
1943年(昭和18年)10月
一馬の出征は3日後。
一緒に逃げようと話すエマとは対照的に、「よかったな!」とはしゃぎ続ける一馬の父・熊虎。
エリーは、本心を隠して振る舞う熊虎に「オールド・ラング・サイン」の歌詞を渡します。これは「蛍の光」と同じメロディでありながらも再会を願う歌。本心を歌に乗せるよう促します。ですが、熊虎は、戦地へ向かう一馬の決意を鈍らせたくないと考えていました。
一馬は唯一、政春にだけ本心を打ち明けます。
「怖いんです、本当は。覚悟なんかできてない。怖くて怖くて…今すぐに消えてなくなってしまいたいぐらい怖いんです。死にたくないんです」
「お前は死なん!生きて帰ってくるんじゃ!」
壮行会。
「蛍の光」の後「オールド・ラング・サイン」を歌い始めた熊虎。次第に大合唱となり、一馬は涙を堪えることができません。その後、書けなかった遺書を書き上げました。
出征の朝、
「生きて帰ってこい。逃げ回ってもいい、隠れてもいい、臆病者になっても、卑怯者になってもいいから…生きて帰ってこい!わかったな」
熊虎に力いっぱい抱きしめられ、出発する一馬でした。
『マッサン』第23週あらすじ「待てば海路の日和あり」
1945年(昭和20年)7月。
戦況が悪化するなか、一馬の戦死通知が届きます。
大きな悲しみに包まれるながらも前を向かなければなりません。
自分に何ができるのか。
終戦後、工場の稼働をストップし、敷地を開放して畑を作り、皆のため食糧確保に努める政春。
10月。
海軍からの受注がなくなり倒産の危機に直面した政春は、エリーを同行させて出資者のいる大阪へ向かおうとしますが、人と会うのを恐れるエリー。エリーは戦争中、迫害を受け、心に傷を負っていたのです。
その時、ウイスキーを売ってほしいと進駐軍から申し出がありました。
「海軍が買うてくれんようになったら進駐軍に乗り換えるような、そがなことできるわけがなあ…一馬じゃって浮かばれん」
そう言いながらも政春は、一人思い悩みます。
「フロムイングランドからカンバックジャパーン!」
突然キャサリンが現れます。キャサリンは号泣するエリーを抱きしめました。
政春は心を決めました。
『マッサン』第24週あらすじ「一念岩をも通す」
1948年(昭和23年)10月
戦禍を生き抜いた15年熟成の原酒で「スーパードウカ」を開発中の政春。
ところが、出資者の渡からは、安物の三級ウイスキーの製造を命じられます。
ある日、シベリアで抑留され帰国した甥の悟と再会します。
三級ウイスキーを「ろくに原酒も入っとらん偽物」と呼ぶ政春に、「酒に本物も偽物もなあでしょう」と悟。
悟は壮絶な戦争体験を語ります。
「腹が減って腹が減って…消化されんと排便で出た大麦をもう一回水で洗って食うんです。叔父さんは自分の出した便を食うたことがありますか?」
解放され初めて飲んだ三級ウイスキーこそ自分にとって本物だと言うのです。
「叔父さんは誰のために酒を造っとるんです?偉そうなこと言うて高い酒造っても、今の日本人は誰も飲めん。飲めん酒なんぼ造っても、そりゃ造っとらんのと同じことじゃ」
ウイスキーの語源が「命の水」だと思い出し、安くてうまい三級ウイスキー造りを決意した政春。
政春は、父・政志の助言で、ウイスキーの肝となるキーモルトを見つけます。それは一馬が託した種から造ったものでした。こうして香料も着色料も使わない三級ウイスキーが完成。
試飲会は大好評。
以前、政春の造った「鴨居ウヰスキー」の試作を酷評した大阪長越百貨店社長の澤田も、政春の酒が「伝える酒」になったと絶賛します。
政春は、原酒だけを使った本格ウイスキーを造り続けると宣言するのでした。
『マッサン』第25週あらすじ「人生は冒険旅行」
1949年(昭和24年)
酒の自由販売が始まり半年。
三級ウイスキー「余市の唄」は大評判となっていました。
30年ともに過ごした俊夫が、広島の政春の実家「亀山酒造」を継ぐことに。
「もう坊ちゃまの面倒見んでええ思うたらうれしゅうて泣けてくるんでがんす」
ハナと余市を発ちました。
1961年(昭和36年)
「スーパードウカ」が大ヒットし、経営は順調。
悟は政春の養子となり、後継者として成長を続けています。
エリーが息子夫婦や孫に囲まれ幸せな日々を送っていたある日、英国からエマが婚約者マイクを連れて帰国しました。
賑やかな日々が続くなか、政春は、主治医からエリーが余命わずかだと知らされ、まだ挙げていなかった自分とエリーの挙式を決意します。
政春とエマがウエディングドレスを注文に出かけたその時、エリーは倒れます。
「できるだけ楽しく、笑顔で過ごさせてあげてください」と主治医。
エリーは政春にラブレターを手渡し
「私は今とても幸せ。まだ冒険は続いてる。死ぬことも、また、新しい冒険」と語り、政春からもらった「指貫」のネックレスを胸に旅立ちます。
丸2日間、寝室にに閉じこもり悲しみに暮れる政春でしたが、ラブレターを読み始めます。
励ましの言葉。本当はウイスキーの味がよくわかっていないこと。政春のウイスキーが大好きなこと。夜寝る前に思い出してほしいこと。
最後は「おおきに、ありがとう。たくさんの感謝と愛を込めて エリー」と綴られています。翌日、政春は部屋から出て新たな原酒を仕込み始めました。
1971年(昭和46年)10年後
「スーパーエリー」がベスト・オブ・スコッチ賞に輝き、エリーの墓前で祝杯をあげる政春でした。

