こちらのページでは、
2024年NHK大河ドラマ『光る君へ』
第11〜19話のあらすじ
をまとめてご紹介しています。
放映を見逃してしまった方や、見る時間がない方、内容だけ知りたい方などのお役に立てましたら幸いです。
※各話も公開中
※ネタバレ含みます
11話『光る君へ』あらすじ
失業
花山天皇(本郷奏多)の様子を伝える間者を辞めたまひろの父・藤原為時(ためとき・岸谷五朗)は、花山天皇の突然の出家&譲位により式部丞と蔵人の職を失います。
為時は道長の父・藤原兼家(段田安則)に
「帝の様子を探る役目をやめたい」
と自ら申し出たことを思い出しますが、今となっては意味がありません 。
家計の困窮 は避けられず、まひろ(吉高由里子)はなんとかしなければ、と考えます。
イツメン
四条宮では藤原公任(きんとう・町田啓太)、藤原斉信(ただのぶ・金田哲)、 藤原行成(ゆきなり・渡辺大知)の仲良しグループが深夜のクーデターの話題で盛り上がっています。
そこに実行者の一人である藤原道長(柄本佑)が入ってきて 、漂う緊張感 。
斉信がそんな空気に臆することなく
どうやって真夜中に連れ出したのだ?
と問うも、道長の返答は
聞かない方がいいよ
行成は道長の顔つきが以前とは変わっていることに気づきました。
就活
まひろは左大臣の娘・源倫子(黒木華)に父・為時の就職を頼んでみますが、きっぱり断られてしまいます。
摂政様のお決めになったことは帝がお決めになったこと。
左大臣(倫子パパ)でも覆すことはできません
それなら摂政様(兼家)に直接頼もう!
と兼家の屋敷に赴きますが
わしの元を去ったのはそなたの父のほうだぞ
ひとたび背いた者に情をかけることはせぬ
わしの目の黒いうちにそなたの父が官職を得ることはない
とあっさり断られ、さらに落ち込みます。
物陰で その様子を見ていた道長。
まひろが帰った後、まひろのことを虫けら扱いする兼家。
婚活
屋敷を訪ねてきた父の友人・藤原宣孝 (佐々木蔵之介)は、まひろが兼家に直談判したと聞き、その度胸に驚きます。
婿を取れ。
北の方(貴族の正妻)にこだわらなければいくらでもおろう
そなたは博識であるし話も面白い
器量も………
そう悪くない
とアドバイスをするもまひろは
北の方にはなれそうもないし、妾になるのもなんだかなあ…
と気が進みません。
それでも宣孝は
身分よりも 富がある男が良いな。
わしのような男はおらんかのう
探してみるわ!
と言い残して帰って行きました。
まひろの 心にあるのは、やはり道長でした。
摂政となった兼家は、長男・道隆(井浦新) を権大納言 に、次男・道兼(玉置玲央)を参議に、と息子たちを露骨に出世させていきます。
わずか7歳で即位することとなった兼家の孫・一条天皇。
その母で兼家の長女 ・藤原詮子(あきこ・吉田羊)は国母となり、帝(の世話に忙しい。
多忙な中 、妾・寧子(やすこ・財前直見)の元に通う兼家は、またまた
「息子・道綱(上地雄輔)も出世を」
としつこく頼まれうんざり。
一条天皇、即位
一条天皇 即位の日。
元慶寺では、花山法皇がひたすらお経をあげています。
大極殿の大内裏では天皇の即位の際にだけ使われる玉座の準備を始めた女官たちが悲鳴をあげます。
なんとそこには子供の生首が置かれていたのです。
警備をしていた 道長は、すぐさま その場を片付けさせ、 目撃した者たちに口止めをします。
結局何事もなかったように 即位式は行われ、その顛末を聞いた兼家は道長の判断を評価し
誰の仕業かは分かっている
といいます。
道長はその日、五位蔵人に昇進します。
東三条殿1組目
東三条殿では 、道隆の長男・藤原伊周(これちか・三浦翔平)が 安倍晴明(ユースケ・サンタマリア)と会っています。
父・道隆の後継ぎはわたしであり叔父(道兼)の出番はない
と自信満々の伊周。
東三条殿2組目
同じ時、別の部屋では次男・道兼が自分の立身を兼家に訴えていました。
兼家は
おまえのの3歳の娘をいずれ入内させよう。
しきたりにうるさい公御の心をつかみ地固めをしておけば 、兄を超えることができる
と説明します。
プロポーズ
道長から届いた熱烈な和歌にまひろは
「あれは間違いだった」
と漢詩で返します。
倫子から
意中の人がいるの
名前は言えない
かならず夫にします
この家の婿にします
うふふふふ♡
と聞かされます。
道長から会いたいと伝えられ、道長に会いに行ったまひろ。
熱く抱き合い唇を重ねる二人。
ついにプロポーズされます。
妻になってくれ
都にいて政の頂きを目指す
だからそばにいてくれ
それは…わたしを北の方にしてくれるってこと?
妾になれってこと?
北の方はむりだ
耐えられないそんなの!
お前の気持ちはわかっておる
わかってない!!
ならばどうしろというのだ!
どうすればお前は納得するのだ
勝手なことばかりいうな…!
悩める若い二人。
(縁談を進めるよう)父兼家に願い出る道長。
今後の運命を大きく変えることになっていきます。
12話『光る君へ』あらすじ
道長の縁談
プロポーズをした日、まひろ(吉高由里子)と気まずく別れた道長(柄本佑)は父・兼家(かねいえ・段田安則)に
お願いがございます
左大臣家・源倫子(黒木華)との縁談をお進めください
と言ってしまいます。
さわとの出会い
そんなこととはつゆ知らず、まひろは
高倉の家で重い病に伏しているなつめを看護している父・為時(ためとき・岸谷五朗)に着替えを届け、
「なつめの元夫のところにいる娘・さわ(野村麻純)を連れてきてほしい」
と頼まれます。
駆けつけたさわは衰え果てた母の姿に戸惑いますが、為時とまひろに感謝します。
その夜、なつめは息を引き取りました。
後日、さわがまひろの家を訪ねてきます。
下女に暇を出したため 家事や畑仕事に忙しいまひろの姿に驚きますが、
継母に無視され家にいづらいさわ は、まひろを手伝い 楽しく過ごします。
まひろ様はたくさんの書物をお読みで、文も歌もお上手で、
たくさんの殿御が文を贈ってくるのでしょうね
文をくれたのはひとりだけよ
どんなお方ですか?
その御方は背が高くてシューッとした感じ…
まひろの縁談
藤原宣孝(のぶたか・佐々木蔵之介 )が
まひろの婿には、北の方をなくしたばかりの 左中将・藤原実資様(さねすけ・秋山竜次)がちょうどよい!
高い学識があり、人望があり、何より財がある!
願ってもない婿だぞ
と話を持ちかけてきます 。
ですが、この縁談は実資が赤痢にかかったことで白紙に戻ります。
あれは駄目だ
もう半分死んでおる
すぐ次を探そうとする宣孝にまひろは思わず
もう おやめくださいませ
と言いますが
霞を喰ろうて生きていけると思っておるのか
甘えるな!
と現実をつきつけられてしまいます 。
食べていくためには 見知らぬ人の妻になるしかないのかな…
そう覚悟を決めようとするまひろ。
正妻と妾
兼家は、倫子の父・藤原雅信(まさのぶ・益岡徹)に道長の婿入りの話を再度持ちかけていました 。
欲望のためには手段を選ばない 兼家の一族を敬遠する雅信は、
「娘の気持ちを確かめる」
と言ってその場を逃げます。
道長は11歳年上の異母兄・道綱(上地雄輔)と話しています。
明るく裏表のない道綱とは 本音で話せる間柄でした。
夫と暮らせる正妻と違って、自分の母のような妾はいつ来るともわからない男を待ち続けている
男は精一杯可愛がっているつもりでも、妾は辛いのだ
と道綱から聞いた道長は、プロポーズの時
北の方にはなれないの?
と聞いてきたまひろの気持ちを思います。
土御門邸
倫子の屋敷である土御門邸では
まひろが、 倫子のサロンに通い続けていました。
畑仕事をしていると話すと、高貴な姫たちに驚かれます。
さりげなくフォローしてくれた倫子に感謝するまひろ。
倫子は「これからも学びの場に来てね」と言い、笑い合う二人でした。
一方、
「此者道長也(この者が道長です)」
とひとこと書かれた兼家の文を左大臣・雅信に手渡す道長。
雅信は
舐めておる
と立腹します。
道長を御簾の向こうから見ながらうっとりする倫子と母。
そして倫子は父・雅信に伝えます。
私は…道長様をお慕いしております
待て待て…
そなたは猫しか興味がなかったのではないか?
そのようなこと、申したことはございませぬ!
父上のお力でどうか道長様を私の婿に
摂政家でなければ、よいのだがのう
叶わねば私は生涯猫しか愛でませぬ
と雅信に懇願したことで 一気に進むこととなり、母・穆子(石野真子)も小麻呂も抱き合い、手を取り合って喜びます。
あきことあきこ
道長の姉・藤原詮子(あきこ・吉田羊)は、その縁談を知りながら道長に明子女王(あきこじょおう・源明子)と会わせようとします。
” 醍醐天皇の孫にして源高明(たかあきら)の一の姫 ”という高貴な血筋の明子(瀧内公美)は、現在は藤原兼家一家の策略で没落の身。 高明は陥れられ九州の太宰府に追いやられていたのでした。
詮子と明子は丁寧ですが、乾いた会話を続けます。
(道長との縁談を)お世話させていただいてもよろしいでしょうか?
お願い致します…
道長を明子に見せようと御簾を上げると道長 は姿を消していました。
明子の胸には父の敵 ・兼家への憎悪が湧き上がってきます。
藤原公任
F4メンバー・公任は、やる気のない道長がやる気を出していることで焦りを感じていました。
このままでは兼家率いる一族の思いのままになってしまうと考えているのです。
そんな公任に、兼家のライバルだった父・頼忠(よりただ・橋爪淳)は内裏から退く意向を伝え、
兼家の長男・道隆ではなく、次男・道兼に付くよう指南します。
決断の時
眠ってはいけないと言い伝えられている 庚申待(こうしんまち:庚申の日に神仏を祀って徹夜をする行事「おさる待ち」などともいう)の夜。
道長から文が届き、まひろ は「妾でもいい」と伝えるため 道長のもとに駆けていきます。
思いがあふれるまひろに道長は、縁組のことを伝えます 。
相手が倫子だと聞いてしまったまひろは「妾でもいい」とは言い出せません。
道長 はその一言を待っていたのですが、 「道長様と私はたどる道が違うと思いました」と心にないことを口に出してしまうまひろでした。
ついに本音を出せないままに二人は別れ、道長はその足で土御門邸の倫子を訪ねます。
道長を押し倒す倫子。
二人は結ばれます。
今はまだ、月を眺めながらすすり泣くことしかできないまひろでした。
13話『光る君へ』あらすじ
定子、入内
990年。
花山天皇(本郷奏多)を退位に追い込んだクーデターから4年の月日が流れ 、一条天皇(子役)は 元服の儀式を迎えました。
摂政・兼家は、息子たちを昇進させ 政権の中枢を担っています。
兼家の長男・道隆(井浦新)の屋敷では定子(高畑充希)が 伊周(これちか・三浦翔平)の恋文を見つけてはしゃいでいます。
家族の穏やかな時間を過ごした後、定子は一条天皇元服の20日後に入内します 。
清涼殿で、幼い帝と4歳年上の定子のおままごとのような日々が始まりました。
道兼(玉置玲央)は兄を超えるため 7歳の娘・尊子の入内に意欲を見せますが、妻の 繁子に
「自分の栄達でばかりではなく娘の幸せも考えてほしい」
と嫌な顔をされます。
まひろ(吉高由里子)が乙丸(矢部太郎)とさわ(野村麻純)を連れ立ってに東市(月の前半に催される公営の市、月の後半は西市が開催)で買い物をしている時、人買いが無理やり子供を連れて行こうとする場面を目撃します。
母親は
「染め物師に預ける約束なのに」
と訴えるのですが、人買いは証文見せ、
「売ると書いてある!」
と反論。
文字が読めないことで民が理不尽な目にあっていると実感したまひろは、少しでも民を救えるならと子供たちに文字を教え始めます 。
ですがそれは 家計の足しにはならず、家の困窮 は続いていきます。
跡目争い
清涼殿の殿上の間では 、道隆を中心に 上訴の検討がされています。
国司の横暴を訴える案件が多く、雅信(益岡徹)は心配しますが、 道隆は
帝に奏上する必要はないだろう
と相手にしません 。
そんな中 道長だけは
民の声には切実なものがあるはずだ
と意見を述べます。
筋を通す男として知られる実資も道長に賛成です 。
その議論の最中、唐突に
橋桁の修繕は…
と無関係なことを言い出す兼家の老いに、その場にいた者たち全員が衝撃を受けます。
「父上が正気なうちに 跡継ぎを指名してもらいたい」という次男・道兼。
「父上には まだ働いてもらわねば 」という長男・道隆。
道長は兄たちの会話をむなしく聞いています 。
屋敷に帰った長男・道隆は、妻・貴子(板谷由夏)と今後について話し合います。
父は夏を超えられないだろう
心づもりはできています
次男・道兼は蔵人頭となった 公任(きんとう・町田啓太)に
自分が父の後を次いで摂政になった際には取り立ててやるから、
その代わり父・兼家の様子を報告してくれ
と持ちかけます。
土御門邸(倫子の屋敷)では 道長と倫子の一の姫・藤原彰子が2歳の可愛いさかりとなっていました。
兼家の老いの現実を見た道長は、 浮かない顔をしています。
宣孝
御嶽詣(みたけもうで: 二月の初午(はつうま)の日に京都伏見の稲荷神社のある稲荷山の山頂に参詣すること)帰りの宣孝(のぶたか・佐々木蔵之介)が、為時の屋敷を訪れました。
神様の目に止まろうと思った笑
という宣孝の派手な身なりに呆れる為時でしたが、 まひろ は
よく似合っていますね!
と褒めます 。
またまた婿取りの話になると為時が
おまえ(宣孝)の息子はどうだ?
と言い出すのですが
ダメダメ!
それより兼家は具合が悪いらしいよ
と 慌てて帰っていきました。
明子の復讐
道長はもう一人の妻・源明子(瀧内公美)から懐妊を告げられます。
うれしい報告の際にも明子はけして笑顔を見せません 。
道長に頼んで兼家を見舞った明子は、道長が席を立った隙に兼家の扇を手に入れました。
扇を使って兼家を呪詛し、息の根を止めるつもりの明子。
兄の源俊賢は、
「お腹に子がいるのだから呪詛などやめろ」
と止めますが、聞く耳を持ちません。
まひろは自分の働き口を探して回りますが、父に官職がないためうまくいきません。
噂を聞いて心配した倫子は、まひろを土御門邸に招きます 。
倫子からの土御門邸での仕事の誘いに感謝するまひろですが、
道長が婿入りしたお屋敷には行けないわ…
と考え、
仕事は決まったから大丈夫!
と断ります。
14話『光る君へ』あらすじ
再会
土御門邸。
帰宅した 道長(柄本佑)と目が合ってしまったまひろ(吉高由里子) は動揺し、振り返らずに屋敷を出ていきます。
道長はまひろのことを考えると、妻の倫子(黒木華)や愛らしい彰子の姿も目に入りません。
まひろが 土御門邸でも仕事を断られたと聞いた乳母のいと(信川清順)は、家計を助けるために暇を願い出ます。 夫と子を亡くし行くあてがないいとに為時は
「ここはお前の家だ、ここにおれ」と遺留し、涙を流すいと。
後継者指名
衰弱が進む兼家は
関白を辞し出家する。跡継ぎは長男・道隆とする
と宣言します。
すると、父のために、兄を超えるために、手を汚し尽くしてきた道兼(玉置玲央)は
正気を失っている!
と言いますが
お前のような人殺しに一族の長が務まると思うか
これからも道隆を助けて汚れ仕事を続けるか、それが嫌なら去れ!
と一蹴され、絶望します。
この老いぼれが…
とっとと死ね!!
兼家の死
兼家の妾・寧子(やすこ・財前直見)は、兼家との息子・道綱(上地雄輔)を出世させるため衰えた兼家の耳元で息子の名前を繰り返します。
道綱は呆れますが、兼家が突然「蜻蛉日記」で寧子が詠んだ歌を口ずさみ、母子で思い出を噛みしめるのでした。
嘆きつつひとり寝(ぬ)る夜のあくる間いかに久しきものとかは知る…
(嘆きながら一人で寝る夜が明けるまでの間は、どんなに長いものか分かりますか?いえ、分からないでしょう)
そのころ、高松殿では道長のもう一人の妻・明子が、兼家の扇を使って呪い殺そうと呪詛をかけており、
安倍晴明(ユースケ・サンタマリア)の屋敷では、不穏な予言がなされます。
その夜。
東三条殿をさまよう兼家。
土御門邸で眠れない道長。
腹痛に見舞われる源明子。
翌朝。
庭で亡くなっている父・兼家を見つけた道長は、死の穢れも恐れず亡骸を抱きしめます。
後日。
まひろの家にはいつものように藤原宣孝(佐々木蔵之介)が訪れています。
兼家の死を知らせた宣孝は
わたしは筑前守(ちくぜんのかみ)となり筑前に下ることとなった
いよいよわしも国司になるぞ
先の関白様(兼家)の死去で為時殿の家運も上向くだろう
よかったよかった!
と意気揚々と帰っていきました。
流産した明子は、喪に服しながらも見舞い労ってくれる道長に優しさを感じ、ようやく惹かれ始めます。
絶望した道兼は荒れ、妻の繁子に
好いた殿御ができました
と娘の尊子と家を出ていかれます。
摂政となった道隆は、まだ17歳の長男・伊周(これちか・三浦翔平)を一足飛びに蔵人頭に任命します。
全く持って異常
異常中の異常!
と、藤原実資(ロバート秋山)も愚痴ります。
道隆は、妻・高階貴子(板谷由夏)の提案で伊周の伴侶選びのため和歌の会を企画しまひろやききょう(ファーストサマーウイカ)も呼ばれます。
二人は伴侶候補ではなく、和歌の腕を見込まれてのメンバー入りでした。
”秋風の 打吹(うちふくごとに 高砂の 尾上(おのへ)の鹿の 鳴かぬ日ぞなき”
再会したききょうは
まひろさんに志はないの??
女房として宮中で仕えるため、夫を捨てようと思います
広く世間を知り己の為に生きることが、他の人の役にも立つ道を見つけたいのです
と話しますが、まひろは自分にはそれほどの情熱はないなあと思っています。
民を救うことを目指しているまひろでしたが、教え子・たね(竹澤咲子)の親には「俺ら、あんたらお偉方の慰み者じゃねえ」と言われます。
変わる兄
内裏では、検非違使(けびいし・警察)の改革を提案した道長が、道隆から
下々のことにかまうな
そんなことより現中宮(正妻)・遵子様を「皇后」にお上がりいただき、現女御(妾)・定子様を「中宮」にする
これは相談ではない、摂政の命令。
との前例のない難題を公卿たちを説得して納得させるよう命じたのでした。
道長の目には、兄が権力を手にして変わってしまったように映ります。
俺は何一つなしてない…
まひろと道長、世の中を変えることの難しさを痛感しなからそれぞれの場所で同じ月を見ていました。
公卿たち全会一致で決まった
ありえぬ
という決議ですが、
定子を中宮とするという宣言がなされました。
ここから道隆の独裁が始まります。
大河ドラマ『光る君へ』第15話 あらすじ
おごれる道隆の采配
990年
公卿たちの反発を無視し、娘・定子(高畑充希)を「中宮」に立てた道隆(井浦新)は、その3日後、一条天皇の母で道隆の妹・詮子(あきこ・吉田羊)を内裏から遠ざけます。
道長(柄本佑)は、公任(きんとう・町田啓太)から
「道兼(玉置玲央)が家に居着いて困っている」
と相談され行ってみると、
俺はもう死んでんだ
摂政の首が取れたら未練なく死ねる
と荒む兄の姿が。
兄上は変われます。
この道長がお支えいたします。
しっかりなさいませ
もう父上はおられないのですから
この道長の言葉に咽び泣く道兼。
993年
除目が行われ、道隆の異母兄弟・道綱(上地雄輔)と藤原公任は参議に昇格します。
道兼も見違えるようなきちんとした身なりで訪ね、兄に深く頭を下げました。
道兼は内大臣に昇進しています。
伊周(三浦翔平)も道兼と並ぶ権大納言に大抜擢。
実直で真面目な実資(さねすけ・秋山竜次)は
意味がわからぬ
摂政殿(道隆)の身内びいきで世が乱れる、心配じゃ心配じゃ
と繰り返します。
道長も同意見。
まひろの父・為時は今回もお役目がありません。
ただ、まひろの弟・惟規(のぶのり・高杉真宙)は大学に手応えを感じており、一家の希望となりました。
まひろ自身は自分が停滞していると感じて、少し寂しく感じながら琵琶を弾きます。
その夜、二条第では、一条天皇(塩野瑛久)が笛を吹き定子が聴き入っています。
後宮の誕生
道隆の妻・貴子は、女官が定子を中宮にした道隆の強引なやり方を揶揄しているのを耳にしてしまいます。
「この親(道隆)にしてこの子(定子)あり笑」
そこで、定子が中宮として輝けるよう才能のある教育係をつけ、”後宮”を作ることを思いつきます。
その教育係の女房に選ばれたききょう(ファーストサマーウイカ)は、まひろを訪ねます。
その話を聞くまひろは、つい
道長さまも来るのかなあ…
などと考えてしまい、結局自分は何一つ成し遂げていないことを焦ります。
そのききょうも、定子と初めての対面ではその美しさに声も出せません。
そなたを清少納言と呼ぼう
別れた夫は少納言ではありませんが
素敵な呼び名なのでぜひそれでお願いします
その率直な受け答えに
ふふふ愉快である笑
一身にお仕え申します
おごれる伊周の弓競べ
一方、内裏では、道隆の長男・伊周が公卿の反対を押し切り儀式の先例をないがしろにしたり、定子の住まいである「登華殿」の改装を公費で賄ったりすることが問題だと考えた道長が、道隆の意見を聞くため二条第に出向いています。
ですが、変わってしまった兄はまともに取り合ってくれません。
自信満々の伊周は、弓競べ(ゆみくらべ)で一人勝ちをしています。
途中から道長は伊周と願い事をしながら弓を射ることになり
我が家より帝が出る
と願って放った2人のうち、道長の矢だけが見事命中。
次の
われ、関白となる
と願った伊周の矢は大きく外れました。
源明子(瀧内公美)と過ごしていた道長に、正妻である倫子の父・源雅信(益岡徹)の危篤の一報が入ります。
駆けつける道長。
家族に見守られながら74歳で旅立ちました。
土御門邸では、道長と妻・倫子(黒木華)の間に鶴君という長男が産まれています。
寧子のホンネ
まひろとさわは気晴らしに近江の石山寺に詣でます。
道中、お互い結婚できなかったら助け合いながら末永く暮らしていこうと笑い合う2人。
そこで道長の父・兼家の妾だった寧子(財前直見)と出会い、「蜻蛉日記」の大ファンのまひろは感激。
話を聞くうちに寧子から
心と体はうらはらでございますから
という言葉が飛び出し、道長を愛した過去の自分を思い出します。
また、寧子は妾の辛さも語り、
できることなら相手を高望みせず、正妻におなりなさい
とも言います。
そこにやってきた寧子の息子・道綱は、まひろに一目惚れ。
そしてさわは道綱に一目惚れ。
まひろに夜這いをかけた道綱は間違ってさわのところにいってしまいます。
傷つくさわ。
まひろとさわの間に微妙な空気が漂います。
大河ドラマ『光る君へ』第16話 あらすじ
メンヘラさわ
突然
死んでしまいたい
と川へ走り出したさわ(野村麻純)を追いかけるまひろ(吉高由里子)。
二人は突然立ち尽くします。
そこで見たのは都で流行り始めた疫病によるたくさんの遺体でした。
道行く 2人。
さわは
石山寺の局で『蜻蛉日記』の話をした時 のけ者にされたし
道綱(上地雄輔)様も私ではなくまひろ様に気があるし
家にも居場所がない
生きていても仕方がないの
とまひろを振り切り走って行ってしまいました 。
帰宅しても意気消沈したまま 食欲もないまひろは、書くことで己の悲しみを救ったという寧子(やすこ・財前直見)の言葉を思い出し、
自分も 書き始めたい!!
と思うようになりました。
イキる伊周
内裏の一条天皇(塩野瑛久)と定子(高畑充希)の住まい登華殿では、定子の兄・伊周(これちか・三浦翔平)、公任(きんとう・町田啓太)、斉信(ただのぶ・金田哲)、 行成(ゆきなり・渡辺大知)、そして伊周の弟・隆家が集まっていました 。
行成は初めて目にした美形の帝の姿にキュンとします。
定子の
香炉峰の雪はいかがであろうか
の一言を受け、 ききょう(ファーストサマーウイカ)が御簾を巻き上げると、見事な雪景色。
公任は定子の投げかけが白楽天の詩だと教養を見せました。
すると定子が 雪遊びを提案。
帝も乗り気になって庭に出ます。
みんなで雪山 などを作り童心にかえって遊ぶのですが、隆家だけは
何が面白いのかわからぬ
とふてくされています。
四条宮に引き上げた公任、斉信、 行成は、
「伊周だけ黒束帯ではなく冠直衣で帝の前に出て許されている」
などと関白家の不満をあらわにします。
その夜、 娘の彰子の寝顔を見ながら、嫡男・鶴君を抱いた道長に源倫子(黒木華)が話しています。
彰子を入内させようなんてお考えにならないでくださいね
案ずるな
この子に帝の妃は務まらん
それはわかりません
今はぼんやりしているけれど、そのうち化けるかもしれません
ぼんやりしているのは俺に似たのかな
うふふ
このままでよい
このまま苦労なく育ってほしい
後日、登華殿では帝が笛を吹き 、歌や踊りで賑やかなひと時を過ごしていました。
そこに女院の称号を与えられた詮子(あきこ・吉田羊)が現れ、「 騒々しい舞」と苦言を呈します 。
ですが 伊周は
これがお上の望む新しい後宮の姿にございます
と叔母であり帝の生母である詮子を黙らせてしまいました。
その 堂々とした態度に、伊周の両親・道隆(井浦新)と貴子(板谷由夏)は満足そうですが、居合わせた道綱は後になって道長にその話をします。
また、石山寺でまひろを見初めたことも話し出し、 驚く道長に
「忍びに行ったら友と間違えてしまって参った参った」
とのんきに笑うのでした。
放火
まひろは幾度も文をさわに届けさせているのですが、 返事は来ません 。
ある夜、内裏で火事が起き、帝と定子は避難します。
心配する貴子に隆家が
犯人は女院かもなあ
そうでなければ 父上を恨む者ですよ、大勢いるでしょう
と口にします。
疫病
その時 安倍晴明(ユースケ・サンタマリア)はまたしても不吉な予言を口にしていました。
疫病が蔓延し、道端に多くの死者が放置される事態になっても 道隆は目を背け続け 、21歳の伊周を内大臣にしました。
疫病についてどう思うか と道長の次兄・道兼(玉置玲央)に問われた伊周は、
病は貧しい者がかかるもの。
叔父上は何かなさったのでしょうか?
このまま何もなさらないのも悪くないと存じます
と答えます。
冴えない日々を送るまひろを、かつて文字を教えたたねが訪ねてきます 。
両親が飛田院(ひでんいん・仏教の慈悲の思想に基づき貧しい人や孤児を救うために作られた施設)に行ったまま帰らないというのです 。
乙丸(矢部太郎)が止めるのも聞かず、たねと飛田院に向かうまひろ。
そこは 疫病患者と死者で溢れていました 。
両親の亡骸を見つけ 嘆き悲しむ たねもまた意識不明となりました。
看病も虚しく命を落としてしまいます。
一方 道長は、道隆に病の対策を進めるように進言しますが、
疫病より帝と中宮様(定子)を狙った放火の方が一大事である
とやはり聞き入れられません。
せめて実態を知るために動こうとする道長に、道兼は
汚れ仕事は俺の役目だ
と声をかけてくれます。
まひろは、ふらつきながら悲田院で民の看病を続けていました 。
そこに道長の姿が。
目があった途端、まひろは倒れこんでしまいます 。
道長はまひろを家へ連れて帰り、驚くまひろの父・為時(岸谷五朗)に構わず一晩中 看病を続けて続けるのでした。
生まれてきた意味は見つかったのか
逝くな、戻ってこい
容態が落ち着いたまひろを残し帰ってきた道長を見て、倫子は夫の心の中に第三の女性が住んでいるのではないかと疑いつつ
うふふふふ
と笑うのでした。
大河ドラマ『光る君へ』第17話 あらすじ
まひろ回復
病から回復したまひろ(吉高由里子)は
悲田院で道長様に出会ったのは幻だったのかなあ
と思います。
まひろの回復に安心した従者・乙丸(矢部太郎)は、主の為時(岸谷五朗)より先に話すか迷ったものの 、
道長(柄本佑)がまひろの 魂を呼び戻してくれたのだと思うと黙っていられず
まひろ様を助けた道長様が、一晩中寝ずに看病していたのです
と説明。
まひろは
7年前の
「望む世を作るために励む」
というわたしとの約束のために悲田院に現れたのかな?
いやあ、そんなことないか
と考えます。
疑う倫子とごまかす道長
一方、道長は「救い小屋」を作るべきだと長兄・道隆(井浦新)に進言しますが、
放っておけば疫病なんていずれ 収まる。
作りたければ自分の財を使え
道兼(玉置玲央)とともにわたしを追い落とそうとしているのではないか?
疑いまでかけられ、憤然とします。
道長の屋敷・土御門邸では
救い小屋のためわたしの財もお使いくださいませ
とあっさり承諾する太っ腹な妻・倫子(黒木華)の一面に道長は感心していました。
ですが、夫の心の中には自分の知らない女性が住んでいるのではないかと疑う倫子は
悲田院に行った夜はどこにいらしたのですか?
と問い、
内裏で朝まで仕事をしていた
という道長の言葉を信じたフリをします。
道長は、従者・百舌彦(本多力)に
まひろの様子を見てきてくれ
と命じます。
まひろは百舌彦に感謝を伝えます。
その夜。
父・為時は改めて道長との関係をまひろに問います。
懸命に看病する様子を見て
道長様にまひろの世話をしてもらえたら
という願いを口にする父に
それはないと存じます
とまひろ。
しかし 乳母・いとは2人が深い中であることを見抜いていました。
道隆、倒れる
後日、登華殿では斉信(ただのぶ・金田哲)がききょう(ファーストサマーウイカ)に言い寄りますが、
深い仲になったからって自分の女みたいに言わないで。
ときっぱり言われてしまいます。
前の夫とよりを戻したのか?
そういうことをネチネチ聞くあなたって本当に…
そこへ一条天皇たちが現れます。
道隆が笛を吹き始めますが、まもなくして倒れてしまいます。
呪詛に違いない
心当たりがありすぎる
と道隆は訴えますが、安倍晴明(ユースケ・サンタマリア) は寿命だと言います。
延命の祈祷を命じられた晴明は、弟子に祈祷を任せます。
病いの者の穢をもらった
疲れた疲れた…
女たちの策略
翌年の正月、病床の道隆は新たな元号を「長徳」とするよう 帝に勧めています。
内裏では 実資(秋山竜次)らが
「長徳」という名前は疫病が長引く
チョードク、チョードク!
帝は関白(道隆)の言うことを聞きすぎだ
と不安がります。
その会話の一部始終を壁の穴から見聞きする一条天皇(塩野瑛久)…!
父を案ずる定子は一条天皇に
兄・伊周(これちか・三浦翔平)を呼んで家の様子を聞きとうござりまする
と甘えます。
やってきた伊周を前にした定子は帝の前とは別人の顔で、兄に
”内覧”となるよう勧めます。
それはずっと空席になっている関白に準ずる地位でした。
一方、道兼と道長から引水病と聞いた帝の母・詮子は、
次の関白は道兼がいいわ。
わたし、道兼の兄上は好きではありません
でもあの出過ぎ者の伊周(甥)がなるよりはマシだわ
と本人を前にして言います。
公卿はみんな伊周が嫌いだからうまくいくわ
お〜…
お〜…
道長も道兼も感心します。
二条第では、道隆が弟・道兼に
妻と子には酷なことをしないでくれ
どうか、どうか…
我が家を頼む
と頼んでいます。
さわは石山寺でのことをまひろに謝りに現れます。
まひろへ送り返した文をすべて書き写していたさわ。
「友さえいればいい」
そんなさわの言葉に「書くこと」への情熱が募ります。
道隆、死す
皇子を産め…皇子を産め…皇子を産め…皇子を産め…
次第に道隆は正気を失い始め 、定子や一条天皇にまで無体を働くようになり
最期の時が来ます。
大河ドラマ『光る君へ』第18話 あらすじ
宣孝、帰京
長徳元年(995年)4月。
筑前に赴任していた宣孝(佐々木蔵之介)が4年ぶりに為時(岸谷五朗)の屋敷を訪ねてきました。
太宰府の土産を山ほど抱えた宣孝は羽振りがよく、唐の酒を
戦人の飲む酒だ
我らは戦を致さぬゆえ口に合わぬが、おかしなものも一興であろう
とまひろ(吉高由里子)にも勧めます。
カッといたしますね!
まさに戦に出る己を鼓舞するお酒でございますね
と感想を述べるまひろに
打てば響くよい女になったのう
年を重ねて色香を増した
まひろは
宋の国には”科挙”という制度があり、身分に関係なく政に参加できる
という話に目を輝かせます。
まひろには唐の紅を用意してくれています。
関白道兼
内裏では、道綱(上地雄輔)や実資(さねすけ・秋山竜次)らが
道隆殿が身まかられて10日も経つのに、帝はなぜ次の関白を指名しないのだろうか
出過ぎ者の中宮様(高畑充希)が伊周殿(これちか・三浦翔平)を強く推しているに違いないが、帝も伊周殿も若い。
道兼殿は好きではないが、まったく好きではないが、
道兼殿が関白になるべきだ
と話しています。
そこに大納言が疫病で亡くなったという一報が入ります。
一条天皇(塩野瑛久)はその一部始終を壁の穴から覗いています。
一条天皇は、道兼(玉置玲央)を関白とする詔(みことのり)を出します。
不満を定子にぶつける伊周。
定子は
もっと人望を得られませ
精進していただきたく思います
とムッとします。
道兼は
荒れていたおれを救ったお前のおかげだ
と感謝し、道長も
兄上ならきっとよき政(まつりごと)ができましょう!
と励まします。
しかし、この時すでに道兼は病に侵されていたのでした。
道兼、死す
一条天皇に慶賀奏上をしようとした道兼は、倒れます。
心配した道長が兄を見舞おうとしますが、道兼は
おれは疫病だ。
お前が倒れれば我が家は終わってしまう。
二度とくるな
と追い返します。
死を前に読経を続ける道兼。
悪人の自分が浄土に行こうとしているのか
ぶざまな…
ハハハ…
と高らかに笑い声をあげ、35歳でこの世を去りました。
慶賀奏上から7日のことでした。
二条第では、伊周の弟・隆家が、「七日関白」と道兼のことを嘲笑しています。
伊周は次こそ自分が関白だと喜んでいます。
政で何かやりたいことはあるのですか?
と聞く弟に
家が強ければ政も安泰だ
と答える伊周。
道長は兄の死に涙を流します。
為時とまひろも道兼の死を知りました。
母の仇だったとはいえ無念だったろう
という父の言葉にまひろは
道兼の罪も天に昇って消えますように
と琵琶を奏でます。
道長vs伊周
大納言以上の位にある公卿で疫病にならず生き残っているのは、道長、伊周だけとなりました。
姉で帝の生母・詮子(あきこ・吉田羊)に
次の関白はお前よ
と言われるも、道長にも倫子(黒木華)にも権力欲がなく
うつけもの!
と怒らせてしまいます。
一方、伊周は「公卿たちの意見を聞こう」と公卿たちを集め接待します。
実資は不参加。
F4ら公卿たちは、伊周に貸しを作り利用していこうと考え始めます。
まひろのもとをききょう(ファーストサマーウイカ)が訪れます。
贅沢を戒める道長の不人気ぶりを聞いて、ふと笑ってしまいまうまひろ。
そして、ついに強硬手段に出た詮子は
清涼殿を訪れ、関白を伊周に決めた一条天皇に決定をひるがえすよう迫ります。
泣き崩れる母を見た一条天皇は、道長を”内覧”(太政官から天皇に奏上する公文書を奏上の前に内見し政務を代行する者)とします。
そのことに怒り狂った伊周は、妹の定子に暴言を吐きます。
皇子を産め、皇子を産め、早く皇子を産めえ!
ひと月後、道長は右大臣に昇格。
関白も左大臣も不在のなか公卿のトップに就いたのでした。
身動きの取れない関白ではなく、存分に政にて働ける地位を選んでのこと。
その時、道長は
道長様が政によってこの国を変えていくさまを、死ぬまで見つめ続けます
そう話したまひろの言葉を思い出し外に出るとまひろに出会います。
昔の己に会いに来たのね…
何も話さずすれ違うふたり。
大河ドラマ『光る君へ』第19話 あらすじ
伊周・隆家兄弟のさかうらみ
道長(柄本佑)は一条天皇(塩野瑛久)より右大臣に任命され、内大臣の伊周(三浦翔平)を抜き公卿のトップに躍り出ます。
関白にはなりたくございません
右大臣として陣の定に参加し、公卿とともに議論することで 帝を支えたいと存じます
これまでの関白とは異なる道を歩みとうございます
と話す道長。
一条天皇は道長の度量に感心し、定子(高畑充希)も権力のことしか頭にない兄・伊周とは器が違うと気づきます。
まひろは、弟・惟規(のぶのり・高杉真宙)が借りてきた「新楽府」の写本に勤しんでいます。
政を学べると喜ぶまひろに、
「それよりも婿を取ることを…
清水寺にでも行ってまいりませ♪」
と乳母のいと(信川清順)。
いつものやりとりをしている最中、肥前に移り住んだ”さわ”から婿を取ったという知らせが舞い込みます。
内裏では、道長が政務に力を発揮しています。
「疫病で疲弊した地方の租税を一部免除する」
という一条天皇の考えに源俊賢、実資(秋山竜次)、公任(町田啓太)たち多くの公卿が賛同するなか、伊周だけが異を唱えますが、
民を救うことは上に立つ者の使命
という道長の言葉には反論できません。
皆が席を立った時、伊周は
父上と道兼叔父上を呪詛したのは、右大臣殿か
と道長に食って掛かります。
ありえぬ
そう言って去ろうとする道長。
つかみかかる伊周。
すんでのところでかわす道長。
無様に倒れ込む伊周。
これ以降、伊周・隆家兄弟は参内しなくなります。
道長は、除目(貴族の人事)で忙しくなります。
F4の集まりで
公任(町田啓太)は、
出世より漢詩や和歌、管弦を楽しみながらこれからは生きていきたい
陣の定めでは見事だった
道長と競う気にならない
といい
行成(渡辺大知)を使って情報を集めるよう提案します。
大好きな道長のため貴族の裏の顔の情報収集を開始し、道長に大切なことを日記に記録するように勧めました。
小麻呂を抱きかかえるとき、源倫子(黒木華)は日記を見つけます。
ふうーん…
参議となった源俊賢は伊周の元を訪ね
帝が伊周殿と隆家殿の参内を望んでいると思います
と告げます。
それは内大臣と中納言をないがしろにしていないというアピールのため、道長が講じた策でした。
まひろ、後宮へいく
為時の屋敷では、今年も任官を求める申し文を書く話になっていました 。
10年も書き続けたのに願い叶わず、為時はこれで最後にしようと考えています。
まひろはききょう(ファーストサマーウイカ)と科挙という身分を飛び越えた制度のある宋の国の話などをしているうち、定子(高畑充希)のいる後宮を訪れてみることになります。
後宮では、廊下で嫌がらせの釘を踏んで驚くまひろでしたが 、ききょうは、
わたしの足の裏は傷だらけです
でもわたしは平気です
と気にも留めません。
まひろが定子と話そうとした時、 不意に
会いたくなってしまった
と帝が現れ、定子を連れ奥へと消えました。
『後宮では子を授かることが第一』という使命を目の当たりにしたまひろ。
その後、定子と一条天皇の前で科挙や「新楽府」の話をし、帝に感心されますが、定子には「キケンな女」と目をつけられてしまいます。
為時、就職
道長は一条天皇から
為時の娘は面白い
と言われて驚きます。
為時はまひろから
越前守(えちぜんのかみ)を希望してはどうでしょうか?
越前には宋人がたくさん来ております
父上は宋の国の言葉も話せます
と提案されますが、越前守は五位以上の身分がなければ就任できません。
道長は為時の除目の申文を見つけます。
そこには
「淡路守(あわじのかみ)を希望する」
という内容が書かれてありました。
しばし思案する道長。
後日、為時は従五位下の身分を突然与えられます。
道長にお礼に加え
悲田院で助けてもらった娘も元気です
と伝えますが、道長はだだ
仕事に励んでください
と言うだけでした。
長徳の変
伊周は斉信(金田哲)の妹・光子のもとに通っています。
ある晩、光子の屋敷の前に立派な牛車が停まっていました。
伊周は光子が他の男性を招き入れていると思い、沈んで帰宅します。
そんな兄の様子に弟・隆家は相手が誰か確かめようと光子の屋敷に出かけ、
その相手に矢を放ちます。
相手は、前の天皇・花山法皇(本郷奏多)でした…!
これが、伊周・隆家・定子兄妹の運命を大きく変えることとなった
「長徳の変」の始まりです。