『光る君へ』を見進めるうちに、藤原道長がまひろ(紫式部)とは別の女性と結婚し、まひろも”ソウルメイト”藤原道長以外の男性と結婚することが明らかになってきます。
まひろは誰と結婚したのでしょうか?
年の差は?
その人物像に迫り、馴れ初めから結婚に至るまでをご紹介いたします。
まひろ(紫式部)の夫は誰?
2024大河ドラマ『光る君へ』のまひろ(紫式部)の夫は
「藤原宣孝(ふじわらののぶたか)」。
佐々木蔵之介さんが魅力的に演じられています。
もともとは親戚(まひろの父・為時の母は、宣孝の祖父の妹)の二人。
ドラマではかなり序盤から登場していますが、
実際は花山天皇が即位し為時が六位蔵人に任じられた時に宣孝 も同じ六位蔵人になっているので、この頃から交流が始まったのではないかとみられています。
まひろ(紫式部)の夫・藤原宣孝ってどんな人?
まひろが選んだ藤原宣孝とはどんな人だったのか。
その人物像を、『光る君へ』とそれ以外の資料を元に洗い出してみます。
派手
清少納言の『枕草子』 第115段 「あはれなるもの」には、宣孝に関する記述が見られます。
正暦元年(990年) 宣孝は
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蔵王権現は みすぼらしい服装で参れとはおっしゃるまい
と言って、紫白山吹色の鮮やかな格好で金峯山寺(きんぶせんじ・奈良のお寺)を参詣したというエピソードが残っています。
同行した息子の隆光も紅色+青の狩衣、乱れ模様の袴というコーディネートでした。
『光る君へ』第13話でも、御嶽詣(みたけもうで: 二月の初午(はつうま)の日に京都伏見の稲荷神社のある稲荷山の山頂に参詣すること)帰りの宣孝が、派手な格好で為時の屋敷を訪れ、
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神様の目に止まろうと思った笑
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よく似合っていますね!
とまひろに褒められるシーンが出てきます。
有能で世渡り上手
藤原宣孝は明朗闊達で有能な官人だったと伝えられています。
権力者が変わってもうまく立ち回り、左衛門尉や六位蔵人を歴任。
筑前守に任ぜられ、太宰少弐も兼任していた仕事のできるタイプだったようですが、藤原実資は批判的だったようです。
風流にも通じていた
藤原宣孝は長保元年(999年)の「賀茂臨時祭調楽」では神楽(かぐら)のトップを務め、
「はなはだ絶妙である」
との評価を得ています。
また『宣孝記』という日記も書いており、現在978年から1001年のものが残っています。
子をなした女性が3人いながら、近江守・源則忠の娘にも求愛していたということです。
まひろ(紫式部)と夫・藤原宣孝との年の差は?
紫式部が生まれたのは973年(天延元年)。他には970年(天禄元年)978年(天元元年)など諸説あります。
一方、藤原宣孝の生まれ年は不明ですが
前出した宣孝の息子・隆光は、紫式部と同じ973年(天延元年)ということがわかっています。
息子と同い年のまひろ(紫式部)と結婚したことから、20歳ほどの年の差があったのでないかと思われます。
ちなみに、
まひろ役:吉高由里子さんは1988年生まれ
宣孝役:佐々木蔵之介さんは1968年生まれ
ちょうど20歳の年の差ですね。
『光る君へ』藤原宣孝役・佐々木蔵之介さんのコメント
藤原宣孝はまひろの夫になる人物。
まひろの父親・為時さんの同僚で、地位や経済面で恵まれない為時さん一家の行く末を案じる 気のいいおじさんとして登場します。
まひろのことは親戚の娘さんくらいに思っていて、利発で頭がいい子だな 、色々なことに興味を持っているんだな、と感心しているけど 、それが幸せにつながるとは限らないよな、 とも感じている。
そんな宣孝がどうしてまひろと結婚することになるのか 。まひろと道長の間に 特別な絆がある中で、どんな描かれ方になるかは分かりませんが、 お話の流れのままに演じさせていただこうと思っています。
僕自身の役作りの方向性は、「明るく朗らかで愉快なおじさん 」それだけ。笑
ただ、愉快であろうとは 心がけています。
できるだけ笑っていたいし、僕が映っているシーンはどこか クスッと笑えるものにしたい。
苦労しているのは やっぱり 所作 ですね 。
今回出演される方は 皆さん 感じていることだと思いますが 、烏帽子 がね …。天辺がどこにあるかとか、車幅感覚がつかめない 。
指を着物の袖から出さない所作も意外に難しい。
「ものを持つ時どうするんだ、 仕事できんやろ !」
と思いましたね。
大石さんが描く人物はみんな哀しみもおかしみもあってくっきり キャラクターが作られているので、 平安時代の人でも言動を身近に感じることができます 。
特に女性が自由にアクティブに行動しています。
そういうところを楽しんで見ていただきたいですね。
紫式部と藤原宣孝のなれそめと結婚まで
大河ドラマ『光る君へ』ではまったく下心を見せない藤原宣孝。
明るく優しく、時には厳しくまひろと接しています。
では実際はどうだったのでしょうか?
紫式部がどのような恋をしていたのかはあまり資料が残っていませんが、『紫式部集』という紫式部の歌集から、宣孝のことではないかと思われている歌が2つ残っていますのでご紹介します。
初めての求愛
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「おぼつかな それかあらぬか
あけぐれの そらおぼれする 朝顔の花」
(『紫式部集』4番)
意味(よくわかりません。昨夜のあの方なのかしら?違うのかしら?
お帰りの明け暮れの空の下で 空とぼけをなさった今朝のお顔では)
これは紫式部の屋敷に訪れた男性が部屋に忍び込み、男女の関係を持った時の歌です。
”なまおぼしきこと(男女の関係)”の後、朝顔の花を送り歌いかけたというシチュエーション。
情熱的な夜とは違い、空とぼけて気まずい朝の様子が描かれています。
この男性こそが、藤原宣孝だったのではないかと言われています。
まひろへの求婚
父とともに越前に行った紫式部に、求婚の書状を送った宣孝。
「新年になったら越前にいる宋人を見に行こう」
「春には氷が溶けるようにあなたの心も解ける閉ざさず私に打ち解けるものだと知らせてあげたい」
といった内容です。
それに対し、紫式部は
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「春なれど 白嶺のみゆき
いつやもり 解くべきほどの いつとなきかな」
(『紫式部集』28番)
意味(春にはなりましたが こちらの 白山の雪はいよいよ積もっています。
解けることなんか いつのことかは知れません)
イイ女風の思わせぶり返答に、テクニックを感じます。
その後の長徳3年(997年)、父を越前に置いたまままひろは単身帰京し、
そして、翌年の長徳4年(998年)頃に宣孝と結婚するのです。
このあたりのまひろの気持ちが『光る君へ』でどう描かれるのかも楽しみですね♪
なお、宣孝は紫式部とは別の妻と暮らしており、紫式部は正妻ではなかったようです。
紫式部と夫・藤原宣孝の年の差、なれそめ|まとめ
まひろ(紫式部)の結婚相手
■誰?…佐々木蔵之介さん演じる藤原宣孝
■年の差は?…20歳ほど
■馴れ初めは?…父・為時の同僚だった宣孝がまひろの部屋に忍び込み関係を持ったことに始まりました。
宣孝は多くの女性に求愛していましたが、越前に行ってしまった紫式部のことが忘れられず歌を交換し合います。
ドラマのように幼少期からまひろを見ていたとしたら、宣孝の中にもそこはかとなく「光源氏み」を感じますね。
宣孝は、明るさや見識の広さでまひろの知的好奇心を刺激したようです。
父と越前に行っていた紫式部は、約一年で京の都に舞い戻り、宣孝と結婚します。
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