2025年大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』の第10話あらすじ
を紹介いたします。
順次あらすじを公開していきますので、お楽しみいただけますと幸いです。
※ネタバレ含みます
※各話も公開中
大河ドラマ『べらぼう』第10話 あらすじ
賢丸の種まき
瀬川の身請け話が決まった頃、
田安家から白河松平家に養子に行くため江戸城を出ることになった田安賢丸(寺田心)は
「種を蒔く」
と走り出していました。
江戸城西の丸では、ともに8代将軍・徳川吉宗の血を引く徳川家基(奥智哉)と田安賢丸が将棋を指しています。
その様子を見ながら、10代将軍家治の側室・知保(高梨臨)と賢丸の養母・宝蓮院(花總まり)が賢丸の白河行きの理不尽さについて愚痴っています。
宝蓮院は、賢丸は同じ吉宗公の血を引く家基を傍で支えたいと望んでいたけれどおそらく田沼意次(渡辺謙)の息子・意知(宮沢氷魚)がその役につくのだろうと予想し、悔しがります。
知保から
どうにかならないか
と聞かれた松平武元(石坂浩二)は
一つだけ手がございますかと
それは賢丸が思いついた妙案でした。
花魁道中にあわせた商売
駿河屋の2階の座敷では、瀬川の身請けにかこつけた商売の話題でもちきりです。
瀬川の最後の花魁道中は年の暮れ。
正月だったら正月発売の吉原細見がよく売れるはずなのに…と残念がりますが、地本問屋に合わせる必要がなくなったことに気がつき、それなら年末に売ってしまえばいいという結論に達しました。
そして次のランクの女郎の錦絵も売りだそうという流れになり、主人たちは錦絵作りの金に糸目をつけないので瀬川の最後の道中を盛り上げ、ついでに地本問屋を潰してしまえと鼻息荒く盛り上がります。
元気のない蔦重が仲の町に出ると、身請けの挨拶回りをしている瀬川の姿がありました。
この馬鹿らしい話を重三(じゅうざ=蔦重)が勧めてくれたこと、わっちはきっと一生忘れないよ
と通行手形入りの本を返されたことを思い出し、さびしい気持ちになる蔦重ですが、
その直後、吉原出入り禁止になったはずの西村屋(西村まさ彦)と忠五郎(芹澤興人)が女郎屋の若木屋に入るのを見かけます 。
どうやら駿河屋(高橋克実)たちとは違うグループの引手茶屋や女郎屋たちが集まっている様子です。
西村屋の誘導で、出入り禁止は駿河屋たちが勝手に決めたことなので、若木屋たちのグループは今まで通り地本問屋と取引しようという流れになりました。
西村屋はにやり。
蔦重の夢
蔦重が市中の本屋に行ってみると、必死で作った『籬(まがき)の花』が店に出されず屑屋に売られていました。
話を聞いてみると
「吉原ものがこの本が欲しければ買いに来いと言った」
「問答無用で地本問屋を殴った」
など吉原の悪評が広まっているというのです。
蔦重がどうしたものかと考えていると、平賀源内(安田顕)が声をかけてきました。
源内は須原屋(里見浩太朗)と芝居小屋に行くところで、
蔦重が地本問屋から締め出された相談すると、芝居が終わるまで遊んでいてくれと言われます。
蔦重は、芝居町(芝居小屋を中心に役者などが暮らした町)を見て回るうちに、オフの役者がプライベートな時間を思い思いに過ごす姿を目の当たりにして興味を抱きます。
さらに絵草紙屋では勝川春章(前野朋哉)を真似た偽絵も売っており、興味深く見て回りました。
蔦重はそこで鱗形屋(片岡愛之助)を見かけたちょうどその時、源内たちが戻ってきました。
居酒屋に入り、2人にこの状況を何とかしたいと相談すると、
須原屋は、吉原はそんなに悪い状況ではないので慌てなくても良いという意見。
「吉原細見」を鱗形屋が刊行し、女郎たちの「錦絵」を西村屋が刊行すれば、放っていても吉原に人を呼んでくれるというのです。
そして、以前のように蔦重が「改(あらため=改訂作業)」に専念すれば関係も修復されるだろうと、物事を引いてみることを教えてくれました。
ただ、吉原から甘い蜜を吸うつもりの鱗形屋&西村屋の悪だくみを知っている蔦重は、受け入れがたく…。
源内はやりたいようにやればいいと助言し、蔦重にやりたいことを尋ねました。
絵に描いた餅と笑われるだろうが
と前置きをして話しはじめる蔦重。
蔦重は、吉原を昔のように江戸っ子憧れの場にしたい、女郎たちも幸せになる場所にしたいという夢を語ります。
花魁は高嶺の花。
女たちは身請けやよい出会いに恵まれる。
楽しいことにあふれた場にして瀬川を喜ばせたいと願っているのでした。
『青楼美人姿合鏡』お上献上大作戦
いいじゃねえか
吉原をみんなが仰ぎ見るとこに変えてやろうぜ
それこそ千代田のお城みてえによ
この源内の言葉にひらめいた蔦重。
浮かんだ案はなんと完成した錦絵本を上様に献上すること。
献上したという噂が広がるだけで、吉原の格は大いに上がるはずです。
源内の力を借りれば、田沼意次までは確実に届けられます。
心に火がついた蔦重、源内、須原屋の3人は、さっそく実現に向けて策を練り始めました。
まず、蔦重は女郎屋の主人たちに計画を伝え、資金の100両を出してほしいと頼みます。
入銀ではなく貸付なら半分出す
と駿河屋。
本が売れなければ蔦重の借金となります。
主人たちに100両を借りることができ、蔦重は大いに張り切ります。
次は絵師の選定です。
『一目千本』の絵を描いた北尾重政(橋本淳)と人気絵師の勝川春章(前野朋哉)が錦絵本を描いてくれることを承諾してくれました。
蔦重は開店前の松葉屋に二人を連れていき、花魁たちの普段暮らしている姿を見せます。
そしてついに豪華な吉原錦絵本『青楼美人姿合鏡(せいろうびじんあわせすがたかがみ)』が完成。
献上本を持ち、源内に連れられて駿河屋、扇屋(山路和弘)と意次の屋敷を訪れます。
意次は、蔦重から話を聞くうち
ありがた山ではないか
おぼえてくれていたのですか?
あのように地口(駄洒落)で礼を言った者は他におらぬからな
蔦重は、名跡・瀬川の落籍(身請け)を祝って出版した天下御免の色里にふさわしい錦絵本をお上に献上して吉原の格を上げ、徳川家の威光を世に伝えたいという趣旨を説明します。
すると意次は
以前、日光社参にかかる費用に頭を悩ませていた意次に対して「花魁道中のように見世物にして金を稼げばいい」とアイディアを出した源内に
恩を返さないわけにはいかぬな
と答えたのでした。
種姫輿入れ大作戦
ですが、意次が江戸城に『青楼美人姿合鏡』を献上しに上がると、驚くべき話を10代将軍徳川家治(眞島秀和)から聞かされます。
田安家の種姫(賢丸の妹)を家治の養女とし、ゆくゆくは息子・家基(奥智哉)と結婚させるというのです。
田安家を取り潰す考えだった意次はこの話を聞き、唖然とします。
これこそ将来「松平定信」となる田安賢丸(寺田心)が、大奥や松平武元らの協力で蒔いた「種まき」でした。
種姫は、大奥総取締役・高岳(冨永愛)が仕切る大奥に迎え入れられました。
瀬川最後の花魁道中
瀬川が吉原を去る落籍の日。
ガランとした部屋にいる瀬川に、蔦重は餞別として錦絵本『青楼美人姿合鏡』を贈ります。
本には瀬川が本を読む姿が描かれています。
瀬川は自分の意外な姿を見て楽しかったことばかり思い出すと喜びます。
俺ぁはここを楽しいことばかりのとこにしようと思ってんだよ
売られてきた女郎がいい思い出いっぺぇ持って大門を出て行けるとこにしたくてよ
これは瀬川と自分が2人で見てきた夢なのではないかと続けます。
俺と花魁をつなぐもんはこれしかねえから
俺ぁはその夢を見続けるよ
そりゃあまあ、べらぼうだねえ
瀬川の目からひと筋の涙が流れます。
やがて太鼓が鳴り、黒山の人だかりの中、花嫁衣装の瀬川の花魁道中が始まりました。
前だけを見て歩く瀬川のきりりと媚びないけれど優しい面持ちが人々を惹きつけています。
瀬川がふと蔦重の前で立ち止まります。
しばらく見つめ合う2人。
瀬川は別れの言葉を口にして大門を出ていきました。
蔦重は気持ちを切り替えます。
声を張り上げ、瀬川の最初で最後の絵姿を入れた錦絵本『青楼美人姿合鏡』 を売り始めました。
店や通りにいる駿河屋達や若い衆も錦絵本を一斉に掲げます。
瀬川の最初で最後の絵姿を入れた錦絵本であること、
すべての花魁をが載っていること
お上に献上された本であることなどを宣伝する蔦重。
人々は沸き上がります。
後日、鶴屋(風間俊介)と鱗形屋は、年の暮れに吉原で細見がばらまかれたということを知り、年明けに発売する細見が売れなくなると舌打ちをしています。
そこに西村屋が駆け込んできます。
西村屋によると書物問屋(=漢籍や医学書など固めの本を売る本屋)の須原屋でも売られていたとのこと。
書物問屋とは、漢籍や医学書など固めの本を売る本屋です。
錦絵本は地元問屋で売るジャンルの本なので、にわかには信じられませんが、確かに流通ルートを考えると可能です。
ただ、ページを捲ってみた鶴屋は、
心配しなくてもこの本は売れない
と断言するのでした。
大河ドラマ『べらぼう』第10話 あらすじの登場人物
『べらぼう』 10話の主な登場人物一覧です。
役名 | キャスト | 役柄 | 史実では |
語り: 九郎助稲荷(くろすけいなり) |
綾瀬はるか | 吉原遊廓内にあった稲荷社。 現在は吉原神社に祀られている。 |
|
蔦屋重三郎 | 横浜流星 | 主人公 | 江戸の名プロデューサー 蔦屋重三郎は何をした人? |
駿河屋 | 高橋克実 | 主人公の養父 | 「蔦屋」茶屋などを営む |
ふじ | 飯島直子 | 主人公の養母 | |
次郎兵衛 | 中村蒼 | 主人公の義兄 蔦屋の主 |
大門口の引手茶屋の主。 実家が裕福なので商売に熱心ではない |
留四郎 | 水沢林太郎 | 五十間道の蔦屋で働く | |
半次郎 | 六平直政 | つるべ蕎麦店主 | |
松葉屋半左衛門 | 正名僕蔵 | 妓楼主 | 吉原の有名妓楼主 最盛期を築く |
いね | 水野美紀 | 松葉屋女将 | |
花の井/五代目瀬川 | 小芝風花 | 松葉屋女郎 | 伝説の悲運の名妓 |
うつせみ | 小野花梨 | 松葉屋女郎 | |
松の井 | 久保田紗友 | 松葉屋女郎 | |
とよしま | 珠城りょう | 松葉屋番頭新造 | |
朝顔 | 愛希れいか | 松葉屋女郎 | |
きく | かたせ梨乃 | 河岸見世・二文字屋女将 | |
ちどり | 中島瑠菜 | 二文字屋女郎 | |
大文字屋市兵衛 | 伊藤淳史 | 妓楼主 | 2代目大文字屋 初代が小柄でケチで「カボチャ」と呼ばれた。 狂歌界のキーパーソン |
誰袖(たがそで) | 福原遥 | 大文字屋女郎 | 狂歌を詠んだ悲劇の遊女 |
かをり | 稲垣来泉 | 大文字屋女郎 | |
志げ | 山村紅葉 | 誰袖のお目付け役 | |
扇屋右衛門 | 山路和弘 | 妓楼主 | 蔦重と同じ狂歌グループで吉原の交流で重要な役割を果たす |
りつ | 安達祐実 | 大黒屋女将 | |
志津山 | 東野絢香 | 玉屋女郎 | |
鳥山検校 | 市原隼人 | 盲目の大富豪 | 五代目瀬川を身請けした大金持ちの盲人 |
北尾重政 | 橋本淳 | 絵師 | 蔦重最初の本の絵を描いた。人望があり長生き。 |
勝川春章 | 前野朋哉 | 絵師・北斎の師匠 | 一時、役者絵界隈を牛耳る |
東洲斎写楽 | 絵師 | 浮世絵界最大の謎。 「斎藤十郎兵衛」説濃厚 喜多川歌麿&東洲斎写楽 |
|
鶴屋喜右衛門 | 風間俊介 | 地本問屋 | 京都本店の大書店「仙鶴堂」。通油町に店を構える。蔦重&京伝と3人で日光に旅行にも。 |
鱗形屋孫兵衛 | 片岡愛之助 | 版元 | 「鶴鱗堂」『吉原細見』を独占刊行した書店・版元。 武家とトラブルを起こす |
鱗形屋長兵衛 | 三浦獠太 | 鱗形屋の跡取り息子 | |
万次郎 | 鱗形屋の次男 | ||
藤八 | 徳井優 | 鱗形屋の番頭 | |
西村屋与八 | 西村まさ彦 | 版元「永寿堂」 | 「永寿堂」絵師鳥居清長を擁した蔦重のライバル |
須原屋市兵衛 | 里見浩太朗 | 版元『解体新書』を出版 | 「申椒堂」平賀源内や杉田玄白の本を刊行 |
小泉忠五郎 | 芹澤興人 | 本屋 | |
徳川家治 | 眞島秀和 | 10代将軍 | 文武両道で将来を嘱望されていたが神経質で長男を亡くし政治に興味を失う。 |
知保の方 | 高梨臨 | 家治の側室・家基の母 | 子を産むが正室(倫子)の養子に出され抱くことが許されなかった |
徳川家基 | 奥智哉 | 家治の息子 | 文武両道。18の時、鷹狩の帰り道に腹痛に見舞われる |
清水重好 | 落合モトキ | 家治の弟・御三卿 | 清水家初代当主 |
徳川家斉 | 11代将軍 | ||
一橋治済 | 生田斗真 | 家斉の父・家治のいとこ・御三卿 | 時代のキーマン。画策につぐ画策。 一橋治済|黒幕と呼ばれた男 |
大崎 | 映美くらら | 家斉の乳母 | 治済とともに家斉を支持 一橋治済|黒幕と呼ばれた男 |
田沼意次 | 渡辺謙 | 老中 | 将軍に寵愛され派手に出世したイケメン。大奥でも大人気。 田沼意次|狂乱の時代を作った男 |
田沼意知 | 宮沢氷魚 | 意次の息子 | 将来を嘱望された優秀な人材 |
田沼意致 | 宮尾俊太郎 | 意次の甥 | |
三浦庄司 | 原田泰造 | 意次の側近 | |
松本秀持 | 吉沢悠 | 田沼派の勘定奉行 | |
平賀源内 | 安田 顕 | 作家・発明家 | エレキテルなどを発明した万能の奇才。心身を病んで獄中死。 |
小田新之助 | 井之脇 海 | 浪人 | |
松平武元 | 石坂浩二 | 老中首座 | 意次の上司。 吉宗に重用され、家重の後見に。 |
松平康福 | 相島一之 | 田沼の外戚 | |
松平輝高 | 松平武元の死後、老中首座となり絹織物や生糸に課税したため一揆が起こる | ||
宝蓮院 | 花總まり | 定信の養母 | |
田安賢丸 (松平定信) |
寺田心 | 老中・御三卿 | あと一歩で将軍だった。「寛政の改革」を行った。 松平定信/田安賢丸|将軍になりそこねた男 |
種姫 | 小田愛結 | 宝蓮院の娘 | 家治の養女となった家基の正室候補 |
高岳 | 冨永愛 | 大奥総取締 |