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『ばけばけ』実話モデル|蛇と蛙(阿佐ヶ谷姉妹)

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朝ドラ『ばけばけ』でほのぼのとしたやりとりを繰り広げる語り手「蛇と蛙」。

トキとヘブンを見守ります。

蛇は渡辺江里子さん
蛙は木村美穂さん

コンビで活動されている芸人、阿佐ヶ谷姉妹さんが声を担当されていますね。

この「蛇と蛙」、実在していたことがセツさんの著書『思ひ出の記』からわかります。

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著書『思ひ出の記』蛇と蛙

『思ひ出の記』とは

小泉セツさんが、夫であり作家・小泉八雲さんの没後、八雲さんの親友マクドナルドさんとエリザベス・ビスランドさんの勧めで、語り、本にした小泉八雲さんの回想録です。

蛇と蛙|エピソード

『思ひ出の記』にはこんな一節があります。

庭が大層気に入りまして、浴衣で庭下駄で散歩して、喜んでいました。山で鳴く山鳩や、日暮れ方にのそりのそりと出てくるがまがよいお友達でした。テテポッポ、カカポッポと山鳩が鳴くと松江では申します。その山鳩が鳴くと大喜びで私を呼んで「あの声聞きますか、面白いですね」。自分でもテテポッポ、カカポッポと真似して、これでよいかなどと申しました。蓮池がありまして、そこへ蛇がよく出ました。「蛇はこちらに悪意がなければ決して悪い事はしない」と申しまして、自分のお膳の物を分けて「あの蛙取らぬため、これをご馳走します」などといってやりました。(引用『思ひ出の記』小泉節子)

※「蟇(ガマ)」というのは、ガマガエル(ヒキガエル)
のこと。

島根県に生息する「蟇」は、ニホンヒキガエルとアズマヒキガエルの二種類で、
・ニホンヒキガエル(西日本に多く8cm〜15cmほど)
・アズマヒキガエル(東日本に多く4cm〜16cmほど)
のどちらかだそうです。

蛇と蛙|生息場所

日本での小泉八雲さんは、

材木町の冨田旅館
→末次本町の離れ座敷(セツ女中時)
北堀の士族屋敷(結婚したセツのために引っ越し)
→熊本
→神戸
→東京牛込
→東京西大久保

と何度か引っ越しをしています。

その中で、蛇と蛙が住んでいたのは
島根県の北堀町の士族屋敷の庭でした。

現在、この北堀の士族屋敷は「小泉八雲旧居」として蛇と蛙の住んでいた風情ある庭を公開されており、出雲大社、松江城とともに島根観光の要となっています。

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『ばけばけ』八岐の大蛇(ヤマタノオロチ)

今でも島根県の出雲大社周辺の山は「蛇山」と呼ばれており、「豊穣や再生のシンボル」とされています。

そんな特別な「蛇」の日本神話をご紹介いたします。

八岐の大蛇(ヤマタノオロチ)伝説

八岐の大蛇(ヤマタノオロチ)神話についてご紹介いたします。

舞台は出雲。
日本神話に登場する須佐之男命(スサノオノミコト)が、八つの頭と八つの尾を持つ巨大な怪物・八岐の大蛇(ヤマタノオロチ)を退治するという物語です。

『古事記』や『日本書紀』といった日本の古代文献に記されています。

「ヤマタノオロチ伝説」
①須佐之男命の追放
高天原を追放された須佐之男命が、出雲国の肥の川(現在の斐伊川)のほとりに降り立ちます。

(須佐之男命が追放されたのは、高天原(たかまがはら)を治めることをせず、泣き叫んで災害をもたらすなど、神々や姉である天照大御神(あまてらすおおみかみ)に迷惑をかけたためです。その後、一度は天照大御神に野心がないと認められたものの、今度は天照大御神が大切にしていた田畑を壊すなど、さまざまな乱暴な行い(悪行)を働いたため、神罰としてひげと手足の爪を切られて追放されました。)

②老夫婦との出会い
そこで彼は、足名椎命(アシナヅチ)と手名椎命(テナヅチ)という老夫婦と出会います。
夫婦は泣きながら、毎年ヤマタノオロチに娘を一人ずつ食べられていること、最後に残った櫛名田比売(クシナダヒメ)もまもなくオロチに食べられてしまうことを話しました。

③須佐之男命の作戦
須佐之男命は、櫛名田比売を妻にすることを条件に、オロチ退治を引き受けます。
そして老夫婦に、八つの門のある大きな垣根を作り、それぞれの門に強い酒を入れた酒桶を置くように命じます。

④オロチ退治
やがて現れたオロチは、八つの頭をそれぞれの酒桶に突っ込み、酒を飲み干して酔い潰れてしまいます。
その隙に、須佐之男命は十拳剣(とつかのつるぎ)でオロチを切り刻んで退治しました。

⑤天叢雲剣の発見
オロチの尾を斬った際、剣の刃が欠けてしまったため、尾を裂いてみると、中から素晴らしい太刀が現れました。これが後に三種の神器の一つとなる「天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)」、別名「草薙剣(くさなぎのつるぎ)」です。

この伝説は、川の反乱を巨大な蛇に象徴させ、それを治める英雄としての須佐之男命を描いた物語である、という解釈も存在します。

八雲さんの作品に、直接的に八岐大蛇の物語を題材としたものがあるかは定かではありませんが、その怪談や物語には、日本の神話や民俗学的な要素が深く反映されています。

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