大河ドラマ『光る君へ』のなかで、ついにまひろが源氏物語をしたため始めます。
こちらでは、まひろの描いた「源氏物語」の内容・あらすじを一帖ずつご紹介します。
1桐壷 | 2帚木 | 3空蝉 | 4夕顔 | 5若紫 | 6末摘花 |
7紅葉賀 | 8花宴 | 9葵 | 10賢木 | 11花散里 | 12須磨 |
13明石 | 14澪標 | 15蓬生 | 16関屋 | 17絵合 | 18松風 |
19薄雲 | 20朝顔 | 21少女 | 22玉鬘 | 23初音 | 24胡蝶 |
25蛍 | 26常夏 | 27篝火 | 28野分 | 29行幸 | 30藤袴 |
31真木柱 | 32梅枝 | 33藤裏葉 | 34若菜上 | 35若菜下 | 36柏木 |
37横笛 | 38鈴虫 | 39夕霧 | 40御法 | 41幻 | 42匂宮 |
43紅梅 | 44竹河 | 45橋姫 | 46椎本 | 47総角 | 48早蕨 |
49宿木 | 50東屋 | 51浮舟 | 52蜻蛉 | 53手習 | 54夢浮橋 |
『光る君へ』を深く理解するためのご参考に、また、「源氏物語」の古文を読まれる際にもお役立ていただけましたら幸いです。
では二十一帖:少女(おとめ)のあらすじ紹介です。
「源氏物語」二十一帖:少女(おとめ)あらすじ
光源氏33歳の夏から35歳。
源氏はまだ朝顔の姫君に言い寄っていますが、姫君のかたくなな態度は変わりません。
一方、源氏の息子・夕霧(源氏と亡き嫡妻・葵の上との子)は12歳で元服を迎えます。
源氏は夕霧をあえて優遇せず、六位にとどめて勉学を身につけるため大学に入れました。
大宮も夕霧もその処遇には不満でしたが、発奮した夕霧は異例の早さで昇進します。
同じ年、源氏の養女・斎宮女御(亡き六条御息所の娘)が冷泉帝(源氏と亡き養母・藤壺との子)の中宮に立后しました。
源氏は太政大臣に、ライバルで親友の右大将(かつての頭中将)は内大臣に昇進します。
斎宮の女御が中宮に立后したことに焦る内大臣は、大宮に預けている次女・雲居の雁を東宮妃にと期待をかけます。
ただ、雲居の雁は共に育った幼馴染の従兄弟・夕霧と密かに恋仲になっていました。
これを知った内大臣は激怒し、雲居の雁を自らの邸に引き取ると宣言。
大宮を嘆かせます。
引越し当日、
諦め切れない夕霧は密かに雲居の雁に会いに行きます。
涙ながらに別れを惜しむ二人。
そこへ女房が割り込み
内大臣様の姫君のお相手が六位とは
と嫌味を言い、その場から雲居の雁を連れ出し、二人の仲を裂いてしまったのでした。
源氏は夕霧の後見を花散里に依頼します。
夕霧は容姿はふつうながら気立てのよい花散里に心を許します。
月日は流れ、秋が深まり宮中では新嘗祭を迎えています。
傷心の夕霧は御所へ行き、豊明節会を見物する事に。
源氏は、昔、目を留めた少女(おとめ・筑紫の五節)のことを思い出します。
そして久しぶりに筑紫の五節へ文を送りました。
をとめごも神さびぬらし天つ袖ふるき世の友よはひ経ぬれば
(あの頃のうら若き舞姫も年をとられたことでしょう
古い友の私も年を重ねてしまったのですから)
「かけていへば 今日のこととぞ 思ほゆる 日かげの霜の 袖にとけしも
(五節の舞についていわれますと、あなたに打ち解けたことが今日のように思われます)
夕霧もまた、五節の舞姫(藤原惟光の娘。後の藤典侍。)を垣間見、その美しさに惹かれて文を送りました。
日かげにもしるかりけめやをとめごがあまの羽袖にかけし心は
(五節の舞姫がかける「日蔭のかずら」。
そのひかげという言葉のように、日影(日が当たるところ)で、はっきりわかったことでしょう。舞姫の天の羽袖に惹かれている私の心が)
ですが、彼女は宮仕えする事が決まっていました。
夕霧は落胆します。
夕霧からの文を読んでいた、惟光の娘と兄。
父に見つかり文を取り上げられてしまいます。
文の手蹟(字)が夕霧だと知ると、惟光は態度を一変。
あわよくば明石入道のようになれるやもしれない
と多大な望みを抱き、家族から顰蹙を買うのでした。
その後、夕霧は進士の試験に合格、五位の侍従となりました。
また、源氏は六条に四町を占める広大な邸(六条院)を完成させました。
秋の町を中宮(元・斎宮女御)の里邸としたほか、春の町に紫の上、夏の町に花散里、冬の町に明石の御方をそれぞれ迎えました。