大河ドラマ『光る君へ』のなかで、ついにまひろが源氏物語をしたため始めます。
こちらでは、まひろの描いた「源氏物語」の内容・あらすじを一帖ずつご紹介します。
1桐壷 | 2帚木 | 3空蝉 | 4夕顔 | 5若紫 | 6末摘花 |
7紅葉賀 | 8花宴 | 9葵 | 10賢木 | 11花散里 | 12須磨 |
13明石 | 14澪標 | 15蓬生 | 16関屋 | 17絵合 | 18松風 |
19薄雲 | 20朝顔 | 21少女 | 22玉鬘 | 23初音 | 24胡蝶 |
25蛍 | 26常夏 | 27篝火 | 28野分 | 29行幸 | 30藤袴 |
31真木柱 | 32梅枝 | 33藤裏葉 | 34若菜上 | 35若菜下 | 36柏木 |
37横笛 | 38鈴虫 | 39夕霧 | 40御法 | 41幻 | 42匂宮 |
43紅梅 | 44竹河 | 45橋姫 | 46椎本 | 47総角 | 48早蕨 |
49宿木 | 50東屋 | 51浮舟 | 52蜻蛉 | 53手習 | 54夢浮橋 |
『光る君へ』を深く理解するためのご参考に、また、「源氏物語」の古文を読まれる際にもお役立ていただけましたら幸いです。
では二十九帖:行幸(みゆき)のあらすじ紹介です。
「源氏物語」二十九帖:行幸(みゆき)あらすじ
光源氏36歳の冬から37歳の2月まで。
12月、冷泉帝(源氏と故・藤壺の息子)の大原野への行幸が行われ、玉鬘も見物に参加しました。
初めて実父(内大臣)を見た玉鬘。
蛍の宮、髭黒の大将などの姿も見ますが、それ以上に(源氏にそっくりな)冷泉帝の端麗さに見とれます。
そんな心中を見透かしたように、源氏は玉鬘に尚侍として出仕する形での入内を勧めました。
うちぎらし朝ぐもりせしみゆきにはさやかに空の光やは見し
(朝曇りした雪空でございましたから。空の光…帝のお姿を拝することなど、どうしてできましたでしょうか)
あかねさす光は空にくもらぬをなどてみゆきに目をきらしけむ
(どうしてあのすばらしい行幸のお姿に目を曇らせてしまったのでしょう。目を霞ませてしまったのでしょう。残念なことですね)
源氏は玉鬘の入内を実現するため、裳着を急ぎます。
そしてその腰結いの役を実父・内大臣に頼みます。
玉鬘が実娘とは知らない内大臣は、母・大宮の病を口実に遠慮します。
そこで源氏は自ら大宮の見舞いと称し、久々に内大臣に対面します。
すると昔のように心を通じ合わせることができました。
そして大宮と(後から来た)内大臣に、玉鬘が実は夕顔と内大臣の娘であるという素性を明かしました。
すると内大臣は今度は喜んで腰結いを引き受け、裳着当日ようやく親子は対面を果たしのでした。
やがて事の次第が世間にも知れ渡り、近江の君は玉鬘ばかりが誰からも大切にされるのを羨んで、兄・柏木の中将がたに不満を訴えます。
父である内大臣には
そんなに出仕したいのならどうして私に相談しなかったのだ
とからかわれ、また世間によくない噂が立ったそうです。