大河ドラマ『光る君へ』のなかで、ついにまひろが源氏物語をしたため始めます。
こちらでは、まひろの描いた「源氏物語」の内容・あらすじを一帖ずつご紹介します。
1桐壷 | 2帚木 | 3空蝉 | 4夕顔 | 5若紫 | 6末摘花 |
7紅葉賀 | 8花宴 | 9葵 | 10賢木 | 11花散里 | 12須磨 |
13明石 | 14澪標 | 15蓬生 | 16関屋 | 17絵合 | 18松風 |
19薄雲 | 20朝顔 | 21少女 | 22玉鬘 | 23初音 | 24胡蝶 |
25蛍 | 26常夏 | 27篝火 | 28野分 | 29行幸 | 30藤袴 |
31真木柱 | 32梅枝 | 33藤裏葉 | 34若菜上 | 35若菜下 | 36柏木 |
37横笛 | 38鈴虫 | 39夕霧 | 40御法 | 41幻 | 42匂宮 |
43紅梅 | 44竹河 | 45橋姫 | 46椎本 | 47総角 | 48早蕨 |
49宿木 | 50東屋 | 51浮舟 | 52蜻蛉 | 53手習 | 54夢浮橋 |
『光る君へ』を深く理解するためのご参考に、また、「源氏物語」の古文を読まれる際にもお役立ていただけましたら幸いです。
では、四十九帖:宿木(やどりぎ)のあらすじ紹介です。
「源氏物語」四十九帖:宿木(やどりぎ)あらすじ
薫25歳の春から26歳の夏にかけて。
帝は、女二宮を薫に託したいと考えます。
亡き大君を引きずっている薫は、気が進まないながらも承諾。
女二宮の暮らす藤壺へ婿として通うようになる薫ですが、渋々通う様子に周囲は訝しがります。
夕霧は娘の六の君と匂宮の縁談を進め、8月16日が婚儀の日に決まりました。
二条院に住む中君にとって大変な衝撃です。
5月頃に懐妊し体調の悪い状態が続く中君。
経験に乏しい匂宮はそれに気づかず、中君は心さびしい日々を過ごします。訪れた後見人の薫に「宇治に帰りたい」と漏らしても諌められるだけでした。
気のすすまぬまま夕霧の婿となった匂宮は、次第に六の君の美しさのとりこになり、中君のもとに通わなくなってきます。
何かと相談相手になり慰める薫は、中君へ慕情がこみ上げてきます。
ついにある夜、薫は思いを打ち明けて近づきますが、中君の懐妊を知り、自制しました。
二条院に帰宅した匂宮は、中君に薫の移り香がするのを怪しみ、中君を問い詰めようとします。
匂宮は、嫉妬からふたたび中君のもとにいることが多くなりました。
中君は薫が煩わしく、気持ちをそらすために亡き姉・大君に似た異母妹の浮舟の存在を明かします。
翌年2月。
中君は無事男児を出産。
薫は権大納言兼右大将に昇進し、女二宮と結婚しました。
女二宮は藤壺を出て、三条宮で暮らし始めます。
4月下旬、宇治を訪ねた薫は偶然、初瀬詣で(長谷寺参詣)の帰路に宇治の邸に立ち寄った浮舟一行と出会います。
垣間見た浮舟が亡き大君に似ていることに驚いた薫は、尼となった弁に仲介を願い出るのでした。
やどりきと思ひ出でずは 木のもとの旅寝もいかにさびしからまし
(昔、ここに宿ったことを思い出さなかったなら、この山荘の旅寝もどんなにさびしいことであろうか)