2025年大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』の第19話
「鱗の置き土産」あらすじ
を紹介いたします。
順次あらすじを公開していきますので、お楽しみいただけますと幸いです。
※ネタバレ含みます
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大河ドラマ『べらぼう』第19話 あらすじ
知保の方の狂言自殺
将軍家治の嫡男・家基が鷹狩りで急死し、後継問題に揺れる江戸城。
事件が起こります。
家治の側室で家基の母である知保の方が毒を煽り、自殺を図ったのです。
家治に宛てた文には、家治が鶴子を迎えたことに触れ、亡き息子のもとへ行きたいという切ない気持ちが綴られていました。
胡散臭さを感じた田沼意次は、大奥へ向かいます。
大奥総取締の高岳は

おそらくこれは女たちが組んだ狂言かと
とため息をつきました。
翌日、知保の方は、見舞いに来た宝蓮院に「薬に詳しい大崎が”よき塩梅に”調整してくれた」ことを話し、にやりと笑うのでした。
鱗形屋と恋川春町
地本問屋が集まり、鱗形屋の今後についての話し合いが持たれています。
細見と次男の万次郎は西村屋が引き取り、『金々先生栄花夢』で大ヒットを飛ばした恋川春町は鶴屋で執筆するとまとまったところに、蔦重が顔を出します。
細見の板木を3倍で買い取ると申し出、恋川春町にも誘いをかける蔦重に、春町は一喝し去っていきました。
年が明け、1781年1月
駿河屋の2階の座敷では、大文字屋市兵衛が年末に亡くなったため「カボチャの会」が催されていました。
蔦重は、西村屋刊行の鳥居清長の美人画を見せられ、りつや吉原の主人たちに恋川春町を引っ張るよう促されます。
『美南見十二候』鳥居清長筆(出典:千葉美術館公式サイト)
日本橋へ向かった蔦重は、須原屋市兵衛の知恵を借りることにしました。
須原屋は、鶴屋と春町は反りが合わないようだと話します。

力のある者同士だとお互いに戦っちまって潰し合う、こういうこともあるんだよ
蔦重は、ウキウキしながら帰っていきました。
その夜、蔦重が鱗形屋の本を須原屋経由で密かに購入していたことを初めて知った鱗形屋は、蔦重の律義さを思い、考えを巡らせています。
鱗形屋の頼み
耕書堂で、
蔦重が朋誠堂喜三二に恋川春町を引っ張る相談をしていると、そこへ鱗形屋の長男がやってきて文を手渡します。

おめえさん、鶴屋から春町先生をかっさらってくんねえか?
突然の話に蔦重は面食らいます。
喜三二は、春町が偽板事件の時の家の家臣で、家老がしたことを申し訳ない、償いたいという思いから、しかたなく鱗形屋の借金のカタに鶴屋へ移るのだと説明します。
鱗形屋は春町について

春町先生は「誰もやってねえ」ことをやりたがるお人なのよ
俺への義理立てをかなぐり捨てさせるのは、これは誰かに譲りたくねえって思える「案思」を持ってくしかねえと思うのよ
と言い、蔦重なら「案思」を思いつくのではないかと話します。
そんな鱗形屋に蔦重は、一緒に「案思」を考えてくれるよう頼みました。
絵からネタをつくる
蔦重、鱗形屋、喜三二に、絵師の北尾政演、二文字屋きく、志水燕十(北川豊章)、りつも加わり、どんどん青本のネタの意見がでてきます。
徹夜で他の本とネタが被っていないかを検証すると、どれもこれも使われたことのあるネタでした。
そこへ歌麿が遠慮がちに意見を出します。

いっそ絵から考えるってなあねえの?
青本は文と絵があるわけで、行き詰まってんならこんな絵見てみてえなって

それだああ!!
全員で「みんなが見てみたい絵」を考えます。

100年先ってどんな髷が流行ってんでしょう?見てみたくねえですか?

それだあああああ!!!
春町、陥落
喜三二に呼び出された春町。
蔦重の姿を見て店を出ていこうとしますが

この先の江戸を描いてみませんか?
誰も見たことのねえ100年先の江戸なんてものを
という蔦重の言葉に足を止めました。
蔦重はさらに巧妙に、そして真剣に畳み掛けます。
このネタを鶴屋で使ってもいい、春町の描く絵が見たいのだと熱弁する蔦重の言葉に、春町の心が震えます。
時代に迎合しろと言う鶴屋に対し、今のままの春町がいいと語る蔦屋。

俺で良いのか?古臭いぞ、俺は

古い?新しい?んなもん鼻くそでしょう
だって先生の書くのは100年先なんですよ!
葛藤する春町に、喜三二が

鱗の旦那だって見てみてえんじゃないのかな
お前さんの描くこの先の江戸
とダメ押し。
春町陥落。
家治の決心
江戸城では
10代将軍徳川家治が、子供を作ることを諦めたいと意次に話しています。

上様が実のお子に恵まれれば、御台所でもない知保の方様は養母となることが叶いませぬ
同じく縁組が危うくなる田安様も加わっての、これは企みなのではないかと
上様はまことそれでよろしいのでございますか?
同じ徳川とはいえ、上様の血をまったく受けぬ者が将軍を継ぐのでございますぞ

実のところ、余の血を繋ぐのが怖いところもある
父上はお体が利かぬ方であられたし、余の子はみな体が弱い
授かったところで無事育つかどうかはわからぬ
いや、この座をくれてやりさえすれば育つのやもしれぬが…
蓋を開けてみれば、跡を継げるような男子は「あの家」にしかおらぬ
これは果たして偶然なのか
それは、たくさんの男子に恵まれている御三卿の一つ、一橋家のこと。

吉宗公が体の利かぬ長男に跡を継がせ、秀でた次男四男を選ばなかった、その遺恨がこんにちの異様な有り様を作り出しているというのは余の思い込みか?
家治は、自分にできることは養子をとり因縁を断ち切ることと、意次達を守ることだと続けます。

よかろう、血筋は譲ろう
しかし「知恵」は、「考え」は譲りたくない
10代家治は凡庸なる将軍であった
しかし一つだけ素晴らしいことをした
それは田沼主殿頭を守ったことだ
田沼がおらねばこの繁栄はなかったのだから
余は後の世にそう評されたい、叶えてくれるか
意次は感動に打ち震えます。
鱗形屋との別れ
後日、鱗形屋が蔦重に会いにきました。
鱗形屋の策だと知らない春町が詫びに来たという報告です。
鱗形屋は蔦重にこれまでのことを謝りました。
大伝馬町の店を引き払い、人形町で商売をすると話し、焼け残った『塩売文太物語』の板木を蔦重に手渡します。
『塩売文太物語』は幼い頃、瀬川に渡した思い出の赤本です。

俺、これ初めて買った本なんでさ
駿河屋の親父様に初めてもらったお年玉握りしめて買いに行って
嬉しくててめえの名前書いて…
そうか、これ鱗形屋だったのか…
俺にとっちゃこんなお宝ねえです…!
2人は感極まって、あふれる涙を拭いながら笑い合いました。
その後、鶴屋に謝罪した鱗形屋は日本橋から去っていきました。
『菊寿草』ランキング
春、桜が咲き誇る九郎助稲荷では、蔦重が誰袖にバックハグをされ、大文字屋に無理やり書かせた遺言書を見せられています。
耕書堂に逃げ帰る蔦重。
耕書堂では、青本のランキング本『菊寿草』を見ている面々。
著者は「四方山人(よもさんじん)」こと「寝惚先生」こと「大田南畝」です。
そこには
極上上吉、『見徳一炊夢(みるがとくいっすいのゆめ)』、蔦や座
という文字が。
最優秀賞に輝いたのは、腎虚の恐怖に襲われながら書いた喜三二の作品でした。