2025年大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第25話あらすじ
を紹介いたします。
順次あらすじを公開していきますので、お楽しみいただけますと幸いです。
※ネタバレ含みます
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大河ドラマ『べらぼう』第25話 あらすじ
意知との取引

蔦屋さん、うちからあの店買いまへんか?
大阪の書物問屋・柏原屋から丸屋の購入を持ちかけられた蔦重。
鶴屋の勧めで丸屋を買い取ったものの、出店するにあたり費用がかさみそうなので手放したいというのです。
蔦重はこの話に飛びつきますが、「吉原者は江戸市中の屋敷を購入できない問題」を解決しなければなりません。
須原屋を伴い田沼屋敷を訪ねた蔦重。
松前家の抜け荷、直取引の証拠となる絵図を取引の材料に使います。

この絵図が騒ぎとなった折、持ち主より相談を受け、私が買い取りうやむやにいたしました次第で
絵図を買い取るという田沼意知に、金の代わりに望みを2つ叶えてほしいと提案する須原屋。
その願いとは
①将来的な蝦夷地での商いを須原屋に許可すること
②蔦重の日本橋進出の手助け
意知はこの両方を受け入れ、松前家の抜け荷の証拠を手に入れ、
蔦重も日本橋の丸屋を手に入れることができました。
浅間山大噴火
1783年5月9日(天明3年4月9日)
浅間山が噴火します。
轟音と激しい揺れが襲い、浅間山の灰が江戸に降り注ぐと、蔦重は、

こりゃあ恵みの灰だろ…
と大荷物を担いで日本橋へ向かいます。
ていに「ここは俺の店なんで」「一緒に店を守りませんか」と店の売り渡し証文を見せますが、ていはスルー。
灰が入らないよう使用人のみの吉に戸を閉めさせます。
閉め出された蔦重は、丸屋の屋根に登り、
瓦の隙間に灰が入りこまないよう女郎たちの着古した着物で屋根を覆い尽くします。さらに樋が詰まらないよう古い帯で巻きました。
その様子を見ていた鶴屋と村田屋。
自分たちの店も蔦重と同じように屋根に布をかけ始め、日本橋通油町の店々がそれに倣います。
次に、蔦重は灰を溜める桶を丸屋の店先で売り始めました。

桶に灰を溜めときゃ掃除すんの楽ですよ!
夕方、閉まっていた丸屋の戸板が開き、中の土間に水を張った洗い桶とおむすびが用意されていました。
蔦重は大喜びでおむすびを食べ、楽しそうにみの吉と話しています。
その様子をていが奥の部屋から聞いていました。
誰袖と意知
大文字屋では、意知がてきぱきと灰の処理をし、誰袖がその姿をうっとりと見つめています。
意知が花魁わかなみ(玉田志織)と楽しげに話していると

その方はわっちの色でありんす
と取っ組み合いの喧嘩に発展。
髪が崩れ、下ろし髪の誰袖のあどけない姿を見て、意知の胸が騒ぎます。

案じずとも身請けの責は果たす

わっちの身請けは責だけで…?
そこに、松前兄弟の弟・松前廣年が大量の琥珀を届けに来ました。
ですが、それは商人「越中屋」名義で行ったもの。
松前家は琥珀をロシアとの直取引をした証拠にはならず、隣の間で聞いていた意知はがっかりします。
誰袖は廣年に呼ばれます。
灰捨て競争
翌日、鶴屋は早急に灰を川や空き地に捨てよとの奉行所の指示を店々に伝えました。
蔦重は、みんなで一緒に川に捨てていけば効率的なので、通りの右と左でチームを組み、競争しよう!と提案します。

くだんねえ、遊びじゃねえんだよ
と村田屋。

遊びじゃねえから遊びにすんじゃねえですか!
面白くねえ仕事こそ面白くしねえと
勝ったチームには10両の賞金を出すという蔦重の提案に、鶴屋も25両と張り合い、灰捨て競争は大いに盛り上がります。
ラスト1桶の鶴屋が一歩リード。
2桶残っている蔦重は、負けじと2つの桶を持ち川に飛び込みますが、溺れてしまいます。
助けられた蔦重は

誰か助けてくれるかと思ったんすけどね

べらぼうか!
思わず鶴屋も笑ってしまいました。

今、笑いましたね?

…私はいつだって、にこやかです
勝負は引き分け。
鶴屋の会所で宴会が開かれます。
プロポーズ
ふと、蔦重が宴会を抜け、丸屋に向かうと、ていが一人で店の床を拭いています。
一緒に掃除をし始めた蔦重に、ていは

蔦重さんは『陶朱公』という人物はご存知ですか?
越の武将だった范蠡です
戦から退いた後はいくつかの国に移り住んで土地を富み栄えさせた人物・范蠡(陶朱公)に例え、蔦重にも同じような才覚があると、話します。
別名:范蠡(はんれい)
中国春秋時代の越の忠臣
勾践(こうせん)に仕え、呉を滅ぼすという功績を挙げた後、官を退き、山東の陶の地に住んで「朱公」と名乗ったことから、陶朱公と呼ばれるようになりました。
悲願が達成されて有頂天になる勾践を見て、陶朱公は密かに越を脱出。
そして斉で鴟夷子皮(しいしひ)と名前を変えて商売を行い、巨万の富を得ます。
その名を聞いた斉は陶朱公を宰相にしたいと迎えに来ますが、陶朱公は名が上がり過ぎるのは不幸の元だと財産を全て他人に分け与えて去ったという伝説が残されています。
その商才は、後世に「陶朱の富」として知られ、富を築くための教訓として語り継がれています。

店を譲るならそういう方にと思っておりました
ていは、自分は明日店を出ていき出家するつもりだけれども、みの吉達奉公人を働かせてほしいと頭を下げました。
蔦重は、

陶朱公の女房になりませんか?
俺ゃ人付き合いしか能はねえけど、女将さんみてえな学はねえし…
俺ゃこんなでけえ店動かすのは初めてですけど、女将さんは生まれた時からここにいるわけで…
夫婦になり協力すればいい店ができるはずだと説得します。

日本橋は「みせ(店・見世)」ではなく「たな」の方が馴染みます。
あと、「俺」ではなく「私」
日本橋の主に「俺」はそぐいません
求婚を断るでもない、承諾しているのかもわからないていの言葉に蔦重は戸惑います。
意知の恋
この夜の大文字屋。
意知は誰袖への想いを詠んだ狂歌の書かれた扇を誰袖に贈ります。
「袖に寄する恋
西行は花の下にて死なんとか
雲助袖の下にて死にたし」
出会って1年半。

好いた女に何をさせておるのだと私は己を責めるよりほかなくなる
いっそ蝦夷などやめればと思うようになるかもしれぬ
とこれまで関係を持たず抑えていた気持ちを打ち明け、詫びる意知。

お許ししんすゆえ、ちょいとわっちの袖のもとで死んでみなせんか
意知の歌になぞらえて意知を膝枕する誰袖。

花魁が…望月のようだ

「願わくば花の下にて春死なん
その如月の望月の頃
(桜の下で春に死にたい、それも旧暦2月15日の満月の頃に:西行)」
西行になったご気分はいかがで?
誰袖を見上げ

まずい…ひどくまずい
と言いながら誰袖の頬に触れる意知。
これは、自然との一体感を求め、死を美しく受け入れようとする西行の死生観を表しています。
蔦重結婚
駿河屋の座敷では、蔦重とていの祝言が執り行われています。
美しいていと緊張する蔦重。
「形だけの夫婦」となりました。
そこへ鶴屋が、通油町からの祝いの品である暖簾を届けに来ました。

日本橋通油町は蔦屋さんを快くお迎え申し上げる所存にございます
駿河屋もこれまでの無礼を詫び、頭を下げ和解。

灰降って地固まる
ついに鶴屋、そして日本橋に認められた蔦重は、
1783年(天明3年)9月
蔦屋耕書堂を日本橋にオープンさせました。
大河ドラマ『べらぼう』第25話登場人物・キャスト
語り(九郎助稲荷)|綾瀬はるか
蔦屋重三郎|横浜流星
喜多川歌麿|染谷将太
てい|橋本愛
誰袖|福原遥
田沼意知|宮沢氷魚
小田新之助|井之脇海
ふく|小野花梨
平秩東作|木村了
土山宗次郎|柳俊太郎
みの吉|中川翼
留四郎|水沢林太郎
松前廣年|ひょうろく
わかなみ|玉田志織NEW!
タケ|ベッキー
ウメ|福田麻貴
丁子屋長十郎|島英臣
湊源左衛門|信太昌之
柏原屋|川畑泰史
村田屋治郎兵衛|松田洋治
長崎屋小平治|千葉清次郎
桐屋伊助|キンタカオ
玉屋庄兵衛|岡山和之
万字屋半四郎|岡けんじ
山口巴屋半助|真木仁
マツ|伊藤かずえ
次郎兵衛|中村蒼
若木屋与八|本宮泰風
松葉屋半左衛門|正名僕蔵
大文字屋市兵衛|伊藤淳史
扇屋宇右衛門|山路和弘
半次郎|六平直政
とく|丸山礼NEW!
りつ|安達祐実
志げ|山村紅葉
ふじ|飯島直子
鶴屋喜右衛門|風間俊介
徳川家治|眞島秀和
駿河屋市右衛門|高橋克実
須原屋市兵衛|里見浩太朗
田沼意次|渡辺謙
大河ドラマ『べらぼう』第25話|誰袖
『べらぼう』25話の頃、つまり1783年の誰袖についてご紹介いたします。
誰袖とは
誰袖(たがそで)は、吉原の「大文字屋」に在籍していた実在する遊女の名です。
「誰袖」の由来は、袖のような形の「匂い袋」
『古今和歌集』よみ人知らずの和歌
「色よりも香こそあはれと思ほゆれ 誰が袖ふれし宿の梅ぞも
(梅の香りが良いのは、誰かの袖が触れて、その移り香が残っているのだろう)」
に由来します。
『吉原細見五葉枩』1783年正月
誰袖の名は、
1783年(天明3年)正月発行の細見
『吉原細見五葉枩』
(版元:蔦屋重三郎、改:小泉忠五郎)
に見ることができます。
「大もんしや」
「大もんしや市兵衛」
のページには
「よび出し たがそで」
と掲載されており、
大文字屋の「呼び出し(引手茶屋から客に指名されて出向く最高位の花魁)」だったことがわかります。
『万載狂歌集』1783年正月
“女流狂歌人”としても知られる誰袖は
1783年(天明3年)正月発行
四方赤良(大田南畝)・朱楽菅江共著
『万載狂歌集』
(版元:須原屋伊八)
にも「遊女たが袖 」として歌が選出されています。
掲載されている誰袖の狂歌は
わすれんとかねて祈りし紙入れの などさらさらに人の恋しき(恋12-489)
(忘れたいのに、あの人からいただいた紙入れを見るとますます人恋しい)
こちらは、万葉集の
「多摩川にさらす手作りさらさらに 何ぞこの児のここだ悲しき」を本歌取りしたものです。
※『万載狂歌集』には、二代目大文字屋主人「加保茶元成(かぼちゃのもとなり)」の狂歌
いつのまにか色づきそめしほおづきを 人のちぎらんことをしぞ思ふ(恋12-472)
(ほおずきのようにいつのまにか色づいた娘を、人が契るのだろうな、惜しいなあ)
も掲載されています。
この2冊が同時に発行されていることから
1783年(天明3年)の誰袖は
まさに才色兼備、当代一の花魁として名を轟かせており、絶頂期だったともいえるでしょう。
なお、翌年1784年の細見『吉原細見五葉枩』からは誰袖の名が抹消されており、1783年のうちに身請けがあったものと推察されます。