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「源氏物語」三帖:空蝉(うつせみ)あらすじ

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大河ドラマ『光る君へ』のなかで、ついにまひろが源氏物語をしたため始めます。

こちらでは、まひろの描いた「源氏物語」の内容・あらすじを一帖ずつご紹介します。

 

桐壷きりつぼ 帚木ははきぎ 空蝉うつせみ 夕顔ゆうがお 若紫わかむらさき 末摘花すえつむはな
紅葉賀もみじのが 花宴はなのえん あおい 10賢木さかき 11花散里はなちるさと 12須磨すま
13明石あかし 14澪標みおつくし 15蓬生よもぎう 16関屋せきや 17絵合えあわせ 18松風まつかぜ
19薄雲うすぐも 20朝顔あさがお 21少女おとめ 22玉鬘たまかずら 23初音はつね 24胡蝶こちょう
25ほたる 26常夏とこなつ 27篝火かがりび 28野分のわけ 29行幸みゆき 30藤袴ふじばかま
31真木柱まきばしら 32梅枝うめがえ 33藤裏葉ふじのうらば 34若菜上わかなじょう 35若菜下わかなげ 36柏木かしわぎ
37横笛よこぶえ 38鈴虫すずむし 39夕霧ゆうぎり 40御法みのり 41まぼろし 42匂宮におうみや
43紅梅こうばい 44竹河たけかわ 45橋姫はしひめ 46椎本しいがもと 47総角あげまき 48早蕨さわらび
49宿木やどりぎ 50東屋あずまや 51浮舟うきふね 52蜻蛉かげろう 53手習てならい 54夢浮橋ゆめのうきはし

『光る君へ』を深く理解するためのご参考に、また、「源氏物語」の古文を読まれる際にもお役立ていただけましたら幸いです。

では三帖:空蝉(うつせみ)のあらすじ紹介です。

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「源氏物語」三帖:空蝉(うつせみ)あらすじ

光源氏17歳夏の話。

空蝉を忘れられない源氏は、彼女のつれないあしらいにも却って思いが募り、再び紀伊守きいのかみの屋敷へ忍んで行きました。

そこで継娘(軒端荻)と碁を打ち合う空蝉の姿を覗き見し、決して美女ではないもののたしなみ深い空蝉をやはり魅力的だと改めて心惹かれます。

夜、源氏は寝所に忍び込みますが、察した空蝉は薄衣一枚を脱ぎ捨てて逃げ去ります。

心ならずも後に残された軒端荻と契った源氏はその薄衣を代わりに持ち帰りました。

源氏は女の抜け殻のような衣にことよせて空蝉へ歌を送り、空蝉も源氏の愛を受けられない己の境遇のつたなさを密かに嘆きました。

 

二帖 帚木

四帖 夕顔

 

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「源氏物語」三帖:空蝉(うつせみ)ポイント

ここにきて源氏の好みが垣間見えてきます。
また、控えめで品の良い女性に惹かれているようです。

ポイント1:タイトルの「空蝉」とは

巻名の「空蝉」とは、
求愛する源氏に対して着物を一枚残して逃げ去ったことを、源氏がセミの抜け殻に例えて送った和歌とそれに応えた空蝉の和歌に依ります。

「空蝉の身をかへてける木のもとになほ人がらのなつかしきかな」
殻を脱いで変身した蝉のように あなたは衣をぬいで去った
木の下にあなたが脱け殻のように置いて行った衣は冷たいあなたの衣だけれど、やはりなつかしいよ

 

「空蝉の羽におく露の木がくれてしのびしのびにぬるる袖かな」
短命の蝉の、その羽の上に載る(すぐ落ちて消えてしまう)露のような儚い身の上のわたくしが、(それゆえに)木陰に隠れて見えないように(光源氏から)御情を受けて、人知れずひとり忍んで泣いております…)

ポイント2:空蝉のモデルは紫式部本人

控えめで慎み深く、小柄で容貌も美貌とはいえない地味な女性でしたが、立ち居振る舞いが際立っており趣味も良かったと描写されている空蝉。

源氏の求愛に対しても、悩み迷いながらも最後まで品良く矜持を守り通し、始めは彼女を見下していた源氏を感心させています。

この拒絶によって空蝉は、驕慢な貴公子であった源氏にとって忘れられない存在になりました。

空蝉のモデルに関しては、境遇や身分が似ているため、作者(紫式部)自身ではないかと言われています。

 

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