大河ドラマ『光る君へ』のなかで、ついにまひろが源氏物語をしたため始めます。
こちらでは、まひろの描いた「源氏物語」の内容・あらすじを一帖ずつご紹介します。
1桐壷 | 2帚木 | 3空蝉 | 4夕顔 | 5若紫 | 6末摘花 |
7紅葉賀 | 8花宴 | 9葵 | 10賢木 | 11花散里 | 12須磨 |
13明石 | 14澪標 | 15蓬生 | 16関屋 | 17絵合 | 18松風 |
19薄雲 | 20朝顔 | 21少女 | 22玉鬘 | 23初音 | 24胡蝶 |
25蛍 | 26常夏 | 27篝火 | 28野分 | 29行幸 | 30藤袴 |
31真木柱 | 32梅枝 | 33藤裏葉 | 34若菜上 | 35若菜下 | 36柏木 |
37横笛 | 38鈴虫 | 39夕霧 | 40御法 | 41幻 | 42匂宮 |
43紅梅 | 44竹河 | 45橋姫 | 46椎本 | 47総角 | 48早蕨 |
49宿木 | 50東屋 | 51浮舟 | 52蜻蛉 | 53手習 | 54夢浮橋 |
『光る君へ』を深く理解するためのご参考に、また、「源氏物語」の古文を読まれる際にもお役立ていただけましたら幸いです。
「源氏物語」八帖:花宴(はなのえん)ポイント
花宴のポイントです。
ポイント:兄に入内予定の女性との恋
右大臣邸で藤の宴が催され、朧月夜と一夜をともにする光源氏。
最初は、姫の素性を知らない源氏ですが、兄・東宮に入内予定の六の君だったことが分かります。
そして、源氏との恋のため女御としての入内は取り消されます。
また光源氏自身も、このことがきっかけで、波乱の人生を招き寄せることになっていきます。
では八帖:花宴(はなのえん)のあらすじ紹介です。
「源氏物語」八帖:花宴(はなのえん)あらすじ
源氏20歳の春。
南殿で催された桜花の宴で、光源氏は頭中将らと共に漢詩を作り舞を披露しました。
賞賛される源氏に対して、弘徽殿女御はますます憎しみを募らせます。
宴の後、おぼろ月夜に誘われふと入り込んだ弘徽殿で、廊下から聞こえる歌に耳を澄ますと、声が聞こえてきます。
照りもせず 曇りも果てぬ 春の夜の 朧月夜に似るものぞなき
源氏はその歌を詠んでいた若い姫君の袖を掴み
“二人が巡り合うのは過去世からの約束なのですよ”
と歌を詠みかけ、
まろは、みな人に許されたれば
(私は、誰からも咎められない身です)
と迫り、姫君は光源氏だと知りながら契りを交わします。
明け方、2人は扇を取り交わして別れました。
素性を明かさなかった姫君こそ、右大臣の六の君で、敵である弘徽殿の女御の妹(朧月夜)。
兄・東宮(弘徽殿女御の息子)への入内が決まっている姫でした。
再会は難しそうだと考える源氏。
源氏との逢瀬に思いふけっている朧月夜。
ひと月後、右大臣家の藤花の宴に招かれた源氏は装いを凝らして訪れます。
右大臣に呑まされ、酔いを醒ますためと言ってその場を離れた源氏。
姫君たちの居室に向かい、
「扇を取られて辛(から)き目をみる」
と言って朧月夜を探りまわります。
歌を詠み持ち主を問うと、返した声はまさに朧月夜本人のものでした。
源氏はさりげなく姫君の手を握ります。
朧月夜の姫君と再会でき、喜ぶ源氏。