2025年大河ドラマ
『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』の初回第1話
「ありがた山の寒がらす」
のあらすじ
を紹介いたします。
順次あらすじを公開していきますので、お楽しみいただけますと幸いです。
※ネタバレ含みます
全話あらすじ | |||||
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大河ドラマ『べらぼう』第1話 あらすじ
大河ドラマ『べらぼう』第1話 あらすじをご紹介いたします。
明和の大火
1772 年(明和9年)
江戸の町を大火が襲います。
人々が逃げ惑う中、1人の若者が半鐘を鳴らし続けています。
名は蔦屋重三郎(つたやじゅうざぶろう:横浜流星)。
人呼んで「蔦重」。
蔦重は、逆走して九郎助稲荷(くろすけいなり声:綾瀬はるか)へ向かう女郎・花の井(小芝風花)らの姿を目にして駆けつけます。

焼けたら願い事が叶わなくなる!
と禿(かむろ)のさくら(金子莉彩)とあやめ(吉田帆乃華)が、2体のお稲荷さんの像を運ぼうとしているではありませんか。

よし、燃えなきゃいいんだな!
そう叫ぶと蔦重は、2体の九郎助稲荷を吉原を囲むお歯黒どぶに沈め、祠を背負い、水を体にかけて大門の外へ花の井たちと駆け出します。
江戸の町を逃げるうち、今度は1人の少年(渡邉斗翔)の姿が目に留まります。
周囲に親の姿はなく、虚ろな目をして返事もしない少年に

べらぼうめ!何考えてんだ!
と怒鳴り、少年の手を引き、火の手から救い出しました。
炎は三日三晩燃え盛り、江戸の町を焼きつくします。
死者1万4700人、行方不明者4000人の大惨事です。
江戸幕府誕生から170年。
今や100万都市となった江戸でこの大火が起こった時の将軍は、10代徳川家治。
側室 知保の方と大奥高岳を従えて御鈴廊下を歩きます。
江戸には欲の業火も燃え盛っていました。
蔦重の生い立ち
1773年(安永2年)
火事から1年半が過ぎ、狐の像(九郎助稲荷)も元の場所に戻されています。
その頃、吉原では3000人の女郎を含む10000人が暮らしていました。
吉原は幕府公認の色里です。
場所は市中の北、浅草の外れ。日本橋からは徒歩1時間ほど。
「田んぼの中に浮かぶ島」といった趣です。
吉原への唯一の出入り口である「大門(おおもん)」に至る道を「五十間道(ごじっけんみち)」いい、蔦重は義理の兄・次郎兵衛(中村蒼)の営む茶屋・蔦屋に勤めています。
五十間道の茶屋は、客の刀や荷物を預かり、女郎屋の情報を教える吉原の案内所を兼ねています。
次郎兵衛の父・駿河屋市右衛門(高橋克実)も、吉原の大通りである 仲の町で引手茶屋・駿河屋を営み、行くところのない子供を養い、成長すると吉原のあちこちの店に若い衆として奉公に出していました。
奉公には出されなかった蔦重は、茶屋の仕事の合間に様々な本を担いで吉原を回り、貸本屋の副業をしています。
そして火事の際に助けた記憶喪失の少年に、蔦重の幼名でもある「唐丸」を名付け、手伝わせ始めました。
ある日のこと
蔦重と唐丸が、貸本を持ち花魁・花の井の所属する大見世の女郎屋・松葉屋を訪れると、花の井が朝顔に弁当箱に詰めた料理を届けてほしいと頼みます。
朝顔はもとは大見世・松葉屋の所属でしたが、体を壊し、今ではお歯黒どぶに面した浄念河岸の女郎屋・二文字屋に所属しています。
河岸は吉原の場末で、揚げ代は「線香一本燃え尽きる間の一切り(1回)で100文」、大見世とは比べ物になりません。
二文字屋の女郎たちは、薄いおかゆをすすりながら3日も客が来ていないと嘆いています。
蔦重にも

遊んでいって
と声をかけてきますが、吉原の男が吉原で遊ぶのはタブー。
奥の物置部屋では、体を壊してやせ細った朝顔(愛希れいか)が横になっています。
蔦重は朝顔に料理や薬を持っていくたびに本を読み聞かせ、朝顔もそれを楽しみにしていました。
この日は、平賀源内のベストセラー「根南志具佐(ねなしぐさ:実際にあった歌舞伎役者の溺死事件を小説化したもの)」を読み聞かせる蔦重。

背に角を負うて一文字になってくるものは サザエにてぞありける。
これも忍びの役人なれば 龍王見給い、「人間界の様子 いかにいかに」とせめ給う。
その時 サザエにじり出て申しけるは「私は小田原町から通り筋をいっぺん回り候が…」
鬼平・長谷川平蔵
吉原は、幕府公認ですが江戸の中心街・日本橋から1時間ほどの辺鄙な場所にあるうえ、しきたりも多く、何かと金もかかります。
深川や本所などにある無許可営業の風俗街「岡場所」、品川や新宿などにある”飯盛女(売春婦)”を置いた「宿場」に客を奪われ、客足は減る一方でした。
蔦重は、この状況に危機感を覚えます。
花の井が和泉屋(田山涼成)という馴染みに呼ばれ、宴席に向かいます。
その花魁道中、ある武士が、花の井を見て心を奪われました。
ただ、松葉屋では店の主人(正名僕蔵)や女将のいね(水野美紀)から「花の井にはなじみ客が来ている」と断わられます。
すると連れの男が武士を指差し

こちらは火付盗賊改め方・長谷川平蔵宣雄様のご子息だ!
と言い出しました。
長谷川平蔵宣雄といえば明和の大火の咎人をとらえた有名人です。

長谷川平蔵宣以(のぶため)様だぞ!
この度 長谷川家のご当主になられたんだからな!
それを聞いた蔦重は、

いやー 実は私 長谷川様のお目当ての女郎とは幼馴染でございまして
お二人のご縁をとびきりのものにするべく、
お大身(身分の高い武士)の長谷川様にふさわしい吉原イチの手引き茶屋で仕切り直しをさせてもらえませんか?
と駿河屋に案内しました。
花魁を呼ぶ客は、まず引手茶屋で一席宴を開くのがしきたりです。
平蔵も駿河屋に芸者を呼び、飲み始めました。
蔦重が駿河屋に世間知らずで極上のカモだと吹き込むと、駿河屋は満面の笑顔を作り、平蔵に挨拶に行き平伏しました。

この度はお越しいただき恐悦至極
河岸見世の窮状
翌日、朝顔の死が知らされます。
朝顔は、浄閑寺の墓地の穴に無造作に捨てられ、盗人に着物をはぎとられて裸でした。
蔦重は持ってきた着物でそっとくるみ、唐丸に朝顔との思い出を語ります。
7つで親に捨てられ駿河屋の養子となったこと。
他の養子にいじめられ辛い日々を過ごしていたこと。
当時「あざみ」という名の禿だった花の井ともども、松葉屋の女郎だった朝顔が可愛がってくれたこと。

吉原に好き好んでくる女なんていねえ
女郎は口減らしに売られてくんだ
きつい勤めだけどおまんまだけは食える、それが吉原だったんだ
それがろくに食えもしねえって…そんなひでえ話あるかよ
今の河岸の女郎たちは、食べることもままなりません。
朝顔は蔦重が届けた料理には手をつけず飢えた女郎に食べさせ死に至ったのでした。
駿河屋の2階の座敷では
女郎屋や引手茶屋の主人たちが寄り合いを開き、豪華な百川(ももかわ:料理屋)の料理を前に笑い合っています。
蔦重は皆が集まる2階に乗り込み、河岸見世の女郎たちのために炊き出しをしてくれないかと訴えますが、耳を貸す者はいません。

このままじゃ 女郎はどんどん減りますよ
そうなりゃ客も減るし見世も潰れる
そんなの親父様達だって望んでねえでしょう

うっせえな!
別に悪かねえんだよ、女郎がどんどん死ぬのは
河岸見世の女郎は呼び出しみたいな格別な女でもねえ
正直どこにでもいる女が一切れ 100文で股開いてるだけだろうが!
そんなもんなどんどん死んで入れ替わってくれた方が客も楽しみなんだよ!

親父様たちは人じゃねえです!

あいにく 私たちは「忘八」なもんでね
「忘八は 丑寅門の 人でなし 午の出入りは なき葦の原」
吉原(忘八)は、江戸の中心部から見て鬼門とされる「丑寅」にあって、午(南)に出入り口はない、それが葦の原(吉原)

でも、俺たちは 女郎に食わしてもらってるんじゃねえんですか!
叫ぶ蔦重。
駿河屋は、階段から蔦重を投げ落とします。
吉原通いをすることやその男。
吉原の妓楼主たちは女を売り物に金儲けに明け暮れ、
「仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌」の徳を忘れた外道として「忘八」と揶揄される存在でもありました。
田沼意次との出会い
気が済まない蔦重は、奉行所に岡場所への「けいどう」をしてほしいと訴えます。
「けいどう」とは町奉行が行う抜き打ちの取り締まりのこと。
吉原と違って岡場所は幕府の許可を得ていません。
「けいどう」で岡場所が潰れれば吉原に客が戻ると考えたのです。
ですが、名主からでないと訴えを聞けないと断わられてしまいます。
怒り心頭の蔦重は、たまたま入った長屋の便所で炭売り男( 安田 顕)と出会い、つい愚痴ってしまいました。
炭売り男は田沼家御用達で、田沼屋敷にも出入りしていると話し、老中・田沼意次(渡辺謙)を訪ねてはどうかと勧めてきます。
意外なことに、意次は町の者の話にも耳を傾けるというのです。
さっそく田沼屋敷へ赴く蔦重。
屋敷の前で吉原の常連客・和泉屋を見つけると、荷物持ちをすると言って一緒に屋敷に上がり込んでいきます。
和泉屋は

実によい肥やしができまして…
と壺に入った小判を田沼に手渡します。

これはこれは…実によう効きそうな肥やしじゃの

たわわに実りましょうぞ 山吹の実が
意次と和泉屋の話に割って入った蔦重は、吉原の窮状を訴え岡場所への「けいどう」を願い出ます。

吉原のためだけに 国益を逃すわけにはいかぬのだ
宿場町といえば千住、板橋、品川、内藤、新宿あたり。
その江戸へ入る五街道沿いの宿場町がもし1つでも潰れたらどうなると思う?

宿場町から宿場町への間が長くなりますから旅が大変になり、商いの機会も減りましょう

そうだ
宿場が潰れれば商いの機会が減り、それにより大幅な利益、つまり国益を逸することになる
裏を返せば、宿場が栄え商いの機会が増えれば 莫大な国益を生む
では、宿場を栄えさせるのは何だ?

女と博打にございます

さようなわけで、ここのところの宿場町での飯盛女の大幅な増加を認めてきた
そのおかげで宿場は栄え、運上(税)もつつがなく上がるようになった
それを棒に振って吉原だけを救うために「けいどう」を行うわけにはいかんだろう
意次は蔦重に歩み寄り、畳み掛けます。

百川が、吉原の親父たちは上得意だと言っていた
吉原の女郎たちが食えぬのは、何も岡場所や宿場のせいばかりではなかろう
「けいどう」を願う前に正すべきは、あの忘八親父たちの不当に高い取り分ではないのか?
さらに言えば、吉原に客が足を運ばぬのは、もはや吉原が足を運ぶ値打ちもない場に成り下がっているのではないか?
人を呼ぶ工夫も足りぬのではないか?
お前はなにかしているのか?客を呼ぶ工夫を
その瞬間、蔦重の目からウロコが落ちました。

まこと、ありがた山の寒ガラスにございます!
さて、吉原に帰った蔦重を待っていたのは、吉原の主人たちからのお仕置きです。
蔦重が岡場所への「けいどう」を求めたことを知り、激怒しています。
もし「けいどう」が行われれば、岡場所の女たちの面倒を吉原で見なければいけなくなります。
蔦重が意次を訪ねたことを口にすると、一同はさらに激怒。
蔦重を殴る蹴るしたあげく、逆さにした大きな桶に閉じ込めて重しを乗せてしまいました。
蔦重は、桶の中で三日三晩、吉原に人を呼ぶ方法を考え続けます。

吉原に客を呼ぶにはどうすればいいのか
ようやく桶から出された蔦重がふらつきながら蔦屋に戻ると、店先に並んだ吉原のパンフレット『吉原細見』が目に入りました。
手に取りじっと見つめる蔦重。

これ、だ
大河ドラマ『べらぼう』第1話ゆかりの地(吉原)
第1話のあらすじに登場する場所をご紹介いたします。
吉原神社(語り:九郎助稲荷)
2025年大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』の中で綾瀬はるかさんの語りという形で登場するのが、この吉原神社の神様・九郎助稲荷(くろすけいなり)です。
廓内の四隅にあった、「九郎助稲荷」、「開運稲荷」、「榎本稲荷」、「明石稲荷」の4社のうち、一番人気だったのが九郎助稲荷でした。
吉原神社は、最下級の女郎がいる羅生門河岸の稲荷長屋の隣にありました。
明治14年(1881年)に、他の社などとともに合祀され、吉原神社が生まれました。
当初は吉原大門の外に社殿が建てられたのですが、関東大震災後に中の町通り突き当たりへ移転してきたということ。
この近くの七福神めぐりの神社でもある吉原神社ではミニガイドブックや吉原の地図も購入できます。
まずは、こちらで吉原の地図を入手してから観光すると便利です☆
〒111-0031 東京都台東区千束3丁目20−2
五十間通り(五十間道ごじっけんみち)
24歳の時、かつて水路だった山谷堀から吉原へ続く道・五十間道(五十間通りで)蔦屋重三郎はまず、貸本屋を営みました。
10年間こちらにいたとされています。
五十間通りは別世界である遊郭が外から見えないようS字に蛇行しているのが特徴です☆
吉原遊郭の入り口(吉原大門前)、現在の東京都台東区千束4丁目11番地付近に店を構えていたとされていますので、五十間道の終わり(南西)付近にあったと思われます。
〒111-0031 東京都台東区千束4丁目35−1
見返り柳(みかえりやなぎ)
吉原で遊んだ男性が後ろ髪引かれて遊郭を振り返った場所見返り柳が有名です。
〒111-0031 東京都台東区千束4丁目10−8
(当時の見返り柳は山谷堀脇の土手にあったそうですが、今はこちらの場所に移転)
吉原大門跡(よしわらおおもんあと)
五十間通りを抜けると見えてくるのが、吉原大門跡です。
遊郭の入り口は、上方風に「おおもん」といいます。
(東京で「だいもん」というのは芝増上寺の大門を指しています)
江戸の吉原には「吉原大門」という立派な黒塗りの入り口があったのですが、現在は道の両脇に柱が名残を残しているだけです。
〒111-0031 東京都台東区千束4丁目15 仲之町通り
大河ドラマ『べらぼう』第1話|登場人物とキャスト
第1話のあらすじに出てくる人物をご紹介いたします。
役名 | キャスト | 役柄 |
語り: 九郎助稲荷(くろすけいなり) |
綾瀬はるか | 吉原遊廓内にあった稲荷社。 現在は吉原神社に祀られている。 |
蔦屋重三郎 | 横浜流星 | 主人公 |
駿河屋 | 高橋克実 | 主人公の養父 |
ふじ | 飯島直子 | 主人公の養母 |
次郎兵衛 | 中村蒼 | 主人公の義兄 |
唐丸 | 渡邉斗翔 (子役) |
才能ある少年 |
半次郎 | 六平直政 | 蕎麦屋 |
松葉屋 | 正名僕蔵 | 妓楼 |
いね | 水野美紀 | 松葉屋の女将 |
大文字屋 | 伊藤淳史 | 妓楼 |
扇屋 | 山路和弘 | 妓楼 |
りつ | 安達祐実 | 大黒屋女将 |
花の井 | 小芝風花 | 松葉屋女郎・五代目瀬川 |
朝顔 | 愛希れいか | 元松葉屋女郎 |
松の井 | 久保田紗友 | 松葉屋女郎 |
うつせみ | 小野花梨 | 松葉屋女郎 |
とよしま | 珠城りょう | 松葉屋の番頭新造 |
さくら | 金子莉彩 (子役) |
松葉屋禿 |
あやめ | 吉田帆乃華 (子役) |
松葉屋禿 |
志津山 | 東野絢香 | 玉屋女郎 |
ちどり | 中島瑠菜 | 河岸見世「二文字屋」女郎 |
きく | かたせ梨乃 | 河岸見世「二文字屋」女将 |
まさ | 山下容莉枝 | |
和泉屋 | 田山涼成 | 松葉屋の常連客 |
田沼意次 | 渡辺謙 | 老中 |
長谷川平蔵 | 中村隼人 | 鬼平・定信に登用される |
三浦庄司 | 原田泰造 | 意次の側近 |
厠の男 (平賀源内) |
安田 顕 | 作家・発明家 |
徳川家治 | 眞島秀和 | 10代将軍 |
知保の方 | 高梨臨 | 家治の側室・家基の母 |
高岳 | 冨永愛 | 大奥総取締 |
松平康福 | 相島一之 | 田沼の外戚 |
松平武元 | 石坂浩二 | 老中首座 |