大河ドラマ『光る君へ』のなかで、ついにまひろが源氏物語をしたため始めます。
こちらでは、まひろの描いた「源氏物語」の内容・あらすじを一帖ずつご紹介します。
1桐壷 | 2帚木 | 3空蝉 | 4夕顔 | 5若紫 | 6末摘花 |
7紅葉賀 | 8花宴 | 9葵 | 10賢木 | 11花散里 | 12須磨 |
13明石 | 14澪標 | 15蓬生 | 16関屋 | 17絵合 | 18松風 |
19薄雲 | 20朝顔 | 21少女 | 22玉鬘 | 23初音 | 24胡蝶 |
25蛍 | 26常夏 | 27篝火 | 28野分 | 29行幸 | 30藤袴 |
31真木柱 | 32梅枝 | 33藤裏葉 | 34若菜上 | 35若菜下 | 36柏木 |
37横笛 | 38鈴虫 | 39夕霧 | 40御法 | 41幻 | 42匂宮 |
43紅梅 | 44竹河 | 45橋姫 | 46椎本 | 47総角 | 48早蕨 |
49宿木 | 50東屋 | 51浮舟 | 52蜻蛉 | 53手習 | 54夢浮橋 |
『光る君へ』を深く理解するためのご参考に、また、「源氏物語」の古文を読まれる際にもお役立ていただけましたら幸いです。
では二十七帖:篝火(かがりび)のあらすじ紹介です。
「源氏物語」二十七帖:篝火(かがりび)あらすじ
光源氏36歳の7月。
近頃、内大臣の姫君である近江の君の悪評がたっています。
それを耳にした玉鬘は、実父・内大臣に引き取られていたら自分もどうなっていたのかと考えます。
そして、光源氏に引き取られた自身の幸福をしみじみと感じ、光源氏に心を開いていくのでした。
七月初旬の夕月夜、玉鬘のもとを訪れた光源氏は、琴を枕にして彼女と寄り添います。
そして己の恋情を庭前に焚かせた篝火の煙にたとえ、歌を詠みました。
篝火にたちそふ恋の煙こそ世には絶えせぬほのほなりけれ
(この篝火とともに立ちのぼる恋の煙こそは、いくつになっても燃え尽きることのない私の恋の炎だったのです)
行く方なき空に消ちてよ篝火のたよりにたぐふ煙とならば
(そんな煙のような恋ならば、空にあとかたもなく消し去ってくださいませ)
玉鬘は小さな声で返歌するものの、困惑してしまいます。
ちょうどその時、東の対では柏木(源氏のライバル・内大臣の長男)たちが夕霧(源氏と葵の上の息子)と合奏していました。
光源氏は彼らを招き、演奏させます。
事情を知らず玉鬘に密かな恋心をいだく柏木は、その手を緊張させています。
玉鬘は、名乗り合わない兄弟の楽を聴いて感動していました。