大河ドラマ『光る君へ』のなかで、ついにまひろが源氏物語をしたため始めます。
こちらでは、まひろの描いた「源氏物語」の内容・あらすじを一帖ずつご紹介します。
1桐壷 | 2帚木 | 3空蝉 | 4夕顔 | 5若紫 | 6末摘花 |
7紅葉賀 | 8花宴 | 9葵 | 10賢木 | 11花散里 | 12須磨 |
13明石 | 14澪標 | 15蓬生 | 16関屋 | 17絵合 | 18松風 |
19薄雲 | 20朝顔 | 21少女 | 22玉鬘 | 23初音 | 24胡蝶 |
25蛍 | 26常夏 | 27篝火 | 28野分 | 29行幸 | 30藤袴 |
31真木柱 | 32梅枝 | 33藤裏葉 | 34若菜上 | 35若菜下 | 36柏木 |
37横笛 | 38鈴虫 | 39夕霧 | 40御法 | 41幻 | 42匂宮 |
43紅梅 | 44竹河 | 45橋姫 | 46椎本 | 47総角 | 48早蕨 |
49宿木 | 50東屋 | 51浮舟 | 52蜻蛉 | 53手習 | 54夢浮橋 |
『光る君へ』を深く理解するためのご参考に、また、「源氏物語」の古文を読まれる際にもお役立ていただけましたら幸いです。
では三十二帖:梅枝(うめがえ)のあらすじ紹介です。
「源氏物語」三十二帖:梅枝(うめがえ)あらすじ
光源氏39歳の春。
東宮の元服に合わせ、源氏も明石の姫君の裳着の支度を急いでいました。
源氏は女君たちに薫物の調合を依頼し、自分も寝殿の奥に引きこもって秘伝の香を調合します。
雨の少し降った2月10日。
蛍の宮を迎えて薫物合わせの判者をさせました。
どの薫物もみなそれぞれに素晴らしく、さすがの蛍の宮も優劣を定めかねるほどです。
夜は管弦が催され、美声の弁少将(内大臣の次男で後の紅梅大納言)が「梅枝」を歌います。
翌日、明石の姫君の裳着が盛大に行われ、秋好中宮が腰結いを務めました。
姫の美しさに、目を細める中宮。
さすがは大臣の愛娘であること
と感心します。
源氏は本来ならば明石の御方も出席させるべきであったものの、噂になることを考えて、出席させられなかったことを悔やみます。
元服した東宮は明石の姫君の入内を待ちかねていました。
ですが源氏は、明石の姫君の異例の権勢を恐れ遠慮して入内を控える貴族が多いことを憂慮し、入内を延期します。
他の貴族にも姫君の入内を働きかけました。
それで、さっそく左大臣の姫(のちの藤壺女御。薫の妻・女二宮の母)が入内し、殿舎は麗景殿に決まります。
源氏は明石の姫君の殿舎を淑景舎(桐壺)と決め、華麗な調度類に加えて優れた名筆の手本を方々に依頼するのでした。
そんな華やかな噂を聞きながら、内大臣は雲居の雁の処遇に相変わらず悩んでいました。
源氏も夕霧がなかなか身を固めないことを案じており、親として自らの経験を踏まえつつ訓戒し、それとなく他の縁談を勧めます。
その噂を父の内大臣から聞かされた雲居の雁は衝撃を受け、あっさり忘れられてしまう自分なのだと悲しみます。
久しぶりに人の目を忍んで届いた夕霧からの文に、夕霧の冷淡さを恨む返歌をし、心変わりした覚えのない夕霧はどうして雲居の雁がこんなに怒っているのかと考え込むのでした。