大河ドラマ『光る君へ』のなかで、ついにまひろが源氏物語をしたため始めます。
こちらでは、まひろの描いた「源氏物語」の内容・あらすじを一帖ずつご紹介します。
1桐壷 | 2帚木 | 3空蝉 | 4夕顔 | 5若紫 | 6末摘花 |
7紅葉賀 | 8花宴 | 9葵 | 10賢木 | 11花散里 | 12須磨 |
13明石 | 14澪標 | 15蓬生 | 16関屋 | 17絵合 | 18松風 |
19薄雲 | 20朝顔 | 21少女 | 22玉鬘 | 23初音 | 24胡蝶 |
25蛍 | 26常夏 | 27篝火 | 28野分 | 29行幸 | 30藤袴 |
31真木柱 | 32梅枝 | 33藤裏葉 | 34若菜上 | 35若菜下 | 36柏木 |
37横笛 | 38鈴虫 | 39夕霧 | 40御法 | 41幻 | 42匂宮 |
43紅梅 | 44竹河 | 45橋姫 | 46椎本 | 47総角 | 48早蕨 |
49宿木 | 50東屋 | 51浮舟 | 52蜻蛉 | 53手習 | 54夢浮橋 |
『光る君へ』を深く理解するためのご参考に、また、「源氏物語」の古文を読まれる際にもお役立ていただけましたら幸いです。
では、四十四帖:竹河(たけかわ)のあらすじ紹介です。
「源氏物語」四十四帖:竹河(たけかわ)あらすじ
薫14歳から23歳まで。
夫・髭黒亡き後、玉鬘は遺された三男二女を抱え、零落した家を復興させようとがんばっていました。
姫君二人(大君、中の君)には、今上帝や冷泉院から声がかかりますが、帝には明石の中宮が、冷泉院には弘徽殿女御がいるため、玉鬘は迷っています。
また、薫や蔵人少将(夕霧の五男)も大君に思いを寄せる求婚者の一人でした。
薫15歳の1月下旬。
玉鬘邸に若者たちが集まり催馬楽の「竹河」を謡い興じていました。
その席で玉鬘は薫が弾く和琴の音色が亡父・致仕大臣や亡弟・柏木に似ていることに気づきます。
3月の桜の盛りの夕暮れ時。
二人の姫君は御簾をあげ、桜の木を賭け碁を打っています。
蔵人少将はその姿を垣間見てはますます大君への思いを募らせていました。
玉鬘は、大君を冷泉院のもとへと決意。
これを知った蔵人少将は、落胆のあまり母・雲居の雁に訴えます。
雲居の雁からの文に玉鬘はまた頭を悩ませてしまいますが、
4月。
参院した大君は冷泉院に深く寵愛されました。
一方、大君を手に入れられなかった今上帝は機嫌が悪く、玉鬘の息子たちは母を責めます。
翌年4月。
大君は女宮を出産しました。
中の君については、明石の中宮たちとの確執を怖れ尚、尚侍として今上帝のもとへ入内させました。
その後も冷泉院の寵愛は冷めず、大君は男御子を出産します。
冷泉院は大喜びですが、かえって周囲の者たちから嫉妬を買ってしまい気苦労から大君は里下がりすることが多くなっていきました。
一方、中の君は今上帝のもとで気楽に過ごしています。
それから数年の月日が流れ、薫は中納言に、蔵人少将も宰相中将に、それぞれ順調に昇進します。
玉鬘は大君の不幸や自分の息子たちの出世の遅さと比べるにつけ、思うに任せぬ世を悔しく思い後悔の念は絶えないのでした。