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「源氏物語」雲隠(くもがくれ)/四十二帖:匂宮(におうみや)あらすじ

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大河ドラマ『光る君へ』のなかで、ついにまひろが源氏物語をしたため始めます。

こちらでは、まひろの描いた「源氏物語」の内容・あらすじを一帖ずつご紹介します。

 

桐壷きりつぼ 帚木ははきぎ 空蝉うつせみ 夕顔ゆうがお 若紫わかむらさき 末摘花すえつむはな
紅葉賀もみじのが 花宴はなのえん あおい 10賢木さかき 11花散里はなちるさと 12須磨すま
13明石あかし 14澪標みおつくし 15蓬生よもぎう 16関屋せきや 17絵合えあわせ 18松風まつかぜ
19薄雲うすぐも 20朝顔あさがお 21少女おとめ 22玉鬘たまかずら 23初音はつね 24胡蝶こちょう
25ほたる 26常夏とこなつ 27篝火かがりび 28野分のわけ 29行幸みゆき 30藤袴ふじばかま
31真木柱まきばしら 32梅枝うめがえ 33藤裏葉ふじのうらば 34若菜上わかなじょう 35若菜下わかなげ 36柏木かしわぎ
37横笛よこぶえ 38鈴虫すずむし 39夕霧ゆうぎり 40御法みのり 41まぼろし 42匂宮におうみや
43紅梅こうばい 44竹河たけかわ 45橋姫はしひめ 46椎本しいがもと 47総角あげまき 48早蕨さわらび
49宿木やどりぎ 50東屋あずまや 51浮舟うきふね 52蜻蛉かげろう 53手習てならい 54夢浮橋ゆめのうきはし

『光る君へ』を深く理解するためのご参考に、また、「源氏物語」の古文を読まれる際にもお役立ていただけましたら幸いです。

では雲隠(くもがくれ)についてと四十二帖:匂宮(におうみや)のあらすじ紹介です。

 

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「源氏物語」雲隠(くもがくれ)について

「雲隠」は五十四帖の巻名のひとつであり、「幻」と「匂宮」の間にあるとされていますが、巻名だけが伝えられており本文は伝存していません。

もともと巻名だけで本文は書かれなかったとする説と、本文はあったが紛失したとする説があります。

「雲隠」の前巻とされる「幻」と次巻「匂宮」までは8年間の時間が経過しています。
この間に光源氏が出家して嵯峨に隠棲し、その数年後に亡くなったとのちの四十九帖「宿木」に記されています。

またこの間にかつてのライバル・頭中将や玉鬘の夫・髭黒も死去しており、源氏物語の作品世界では大きく世代交代が行われています。

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「源氏物語」四十二帖:匂宮(におうみや)あらすじ

「幻」から8年後
薫(源氏の正妻・女三宮と柏木の息子)14歳から20歳まで。

光源氏亡き後、その面影を継ぐ人はいません。
長男・夕霧は面影こそ源氏に似てはいますが、若い頃から変わらず真面目で律儀な性格である事から、「やはり 殿(源氏)とは違う」と女房も語るほど。

先の帝・冷泉院(源氏の兄)は「亡き殿に瓜二つ」との声もあるものの先の帝であることから口にすることも恐れ多いと憚られていました。

ただわずかに今上帝と明石の中宮の第三皇子・匂宮(源氏の孫)と女三宮の息子・薫が当代きっての貴公子との評判を呼んでいます。

源氏が他界してからというものの、六条院は火が消えたような寂しさでした。
夕霧は父が愛したこの屋敷が荒れて行くのを憂い、落葉の宮を一条邸から移り住まわせる事にします。
また、明石の中宮の娘・女一宮(源氏の孫)が亡き紫の上を偲んで春の町で暮らすようになったり、時々二宮が寝殿を使うようになったりと、六条院は再び賑わいを見せるようになった。

匂宮は元服して兵部卿となりました。
紫の上の二条院を里邸としています。
夕霧は甥に当たる匂宮を婿にと望みますが、自由な恋愛を好む当人にはその気がありません。

その夕霧は、落葉の宮を六条院の冬の町に迎え、三条殿に住まう雲居の雁のもとと一日交代に月に十五日ずつ律儀に通っています。
夕霧は娘の中で一番美人と誉れ高い藤典侍腹の六の君を、落葉の宮に預けて教養の豊かな女性に育てようとしています。

六条院には、今は明石の中宮の子たちの大半が住んでいます。
夏の町に住んでいた花散里は二条院の東の院へ、女三宮は三条宮へそれぞれ移りました。

薫は、冷泉院(源氏と藤壺の息子)と秋好中宮(六条御息所の娘)にとても可愛がられ、元服後は官位の昇進もめざましいものでした。
ただ、漠然と自分の出生に疑念を感じていた薫は、人生を味気なく感じ、悶々と出家の志を抱えて過ごしていたのです。

不思議なことに、薫の体には生まれつき仏の身にあるといわれる芳香が備わっていました。
匂宮はライバル心から薫物に心を砕き、このため二人は世間から「匂ふ兵部卿、薫る中将」と呼ばれています。

世間の評判はこの2人に集中し、娘の婿にと望む声は多いのですが、匂宮は冷泉院の女一宮に好意を寄せており、厭世観を強めている薫は思いの残る女性関係は持つまいとしています。

薫20歳の正月。
夕霧は六条院で賭弓の還饗を催しました。
匂宮はもちろん、薫も出席し、華やかな宴となりました。

四十一帖 幻

四十三帖 紅梅

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