大河ドラマ『光る君へ』のなかで、ついにまひろが源氏物語をしたため始めます。
こちらでは、まひろの描いた「源氏物語」の内容・あらすじを一帖ずつご紹介します。
1桐壷 | 2帚木 | 3空蝉 | 4夕顔 | 5若紫 | 6末摘花 |
7紅葉賀 | 8花宴 | 9葵 | 10賢木 | 11花散里 | 12須磨 |
13明石 | 14澪標 | 15蓬生 | 16関屋 | 17絵合 | 18松風 |
19薄雲 | 20朝顔 | 21少女 | 22玉鬘 | 23初音 | 24胡蝶 |
25蛍 | 26常夏 | 27篝火 | 28野分 | 29行幸 | 30藤袴 |
31真木柱 | 32梅枝 | 33藤裏葉 | 34若菜上 | 35若菜下 | 36柏木 |
37横笛 | 38鈴虫 | 39夕霧 | 40御法 | 41幻 | 42匂宮 |
43紅梅 | 44竹河 | 45橋姫 | 46椎本 | 47総角 | 48早蕨 |
49宿木 | 50東屋 | 51浮舟 | 52蜻蛉 | 53手習 | 54夢浮橋 |
『光る君へ』を深く理解するためのご参考に、また、「源氏物語」の古文を読まれる際にもお役立ていただけましたら幸いです。
では、五十二帖:蜻蛉(かげろう)のあらすじ紹介です。
「源氏物語」五十二帖:蜻蛉(かげろう)あらすじ
薫27歳のころ。
浮舟がいなくなり、宇治の山荘では大騒ぎになります。
内情を知る右近は、浮舟が宇治川に身を投げたのでは…と浮舟の母・中将の君に事情を打ち明けます。
中将の君は驚き悲しみながらも世間体を繕うため、亡きがらもないままその夜のうちに葬儀を行いました。
石山寺に参籠していた薫は、野辺送りの後に浮舟が亡くなったようだと耳にします。
悲しみのあまり、病と称して籠ってしまった匂宮の様子を聞いた薫は、浮舟が匂宮と過ちを犯したと確信し、浮舟を宇治に放置していたことを悔やみ、悲しみに暮れます。
薫は浮舟の四十九日の法要を宇治山の寺で盛大に行いました。
これには浮舟の義父・常陸介は継娘の素性が自分の子たちとは比較にならないものだったと実感し、浮舟の異母弟・小君を薫の下で仕えさせる事を決断。
薫は、それで娘を亡くした親の気持ちが慰められるならと、小君を召し抱えました。
夏、匂宮は気晴らしに新しい恋をし始めます。
薫は、明石の中宮が催した法華八講の日に、たまたま垣間見た女一宮(母は明石の中宮)に強く惹かれます。
妻・女二宮に同じ装いをさせたりするものの、慰められることはありません。
薫は女性との関係に無常を感じ、夕暮れに儚げに飛び交うかげろうをながめながら、宇治の大君・中君・浮舟に思いを馳せるのでした。
ありと見て手にはとられず見ればまたゆくへもしらず消えしかげろふ
(目の前にいたのに、自分のものにはできなかった。
見えたかと思えば行方も知れず消えてしまった、あの蜻蛉のように)