2026年NHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』
第33話「北庄城の別れ」
あらすじ
をご紹介しています。
お楽しみいただけると幸いです。
※ネタバレ含みます
大河ドラマ『豊臣兄弟!』第33話 あらすじ

北庄城炎上
琵琶湖を眼下に見下ろす険しき山々、賤ケ岳。
1583年(天正11年)4月
羽柴秀吉と柴田勝家による、織田家の覇権を賭けた最後の決戦が火蓋を切りました。
頼みにしていた前田利家らの戦線離脱により、柴田軍の防衛線は一気に崩壊。怒濤の勢いで押し寄せる羽柴軍の圧倒的な兵力の前に、もはや柴田の兵たちに立ち向かう術はなく、敗北を喫した勝家は命からがら本拠地である北庄城へと撤退を余儀なくされました。
「一刻の猶予もならぬ!ただちに勝家を追い、城を攻め落とせ!」
本陣で即座に猛追撃の命を下す秀吉に対し、傍らの小一郎がすかさず「降伏を促す使者を送るべき」と進言しますが、秀吉の天下への覚悟はすでに何者も動かせぬほどになっていました。
母娘の別れ
北庄城へと戻った勝家は、手料理をふるまう市に3人の娘たちと共に城を出るよう促しました。
しかし、市は首を振りました。

私は良い夫に恵まれました。
もう充分でござります。
私も、ともに逝きまする。
織田の血を引く者としての誇り、そして自らが選んだ夫と運命を共にするという決意。市は頑として城を動きません。
羽柴の大軍が完全に城を包囲し、黒煙が立ち込め始めるなか、市は愛する3人の娘――茶々、初、江に向き合い、かつて兄・織田信長から授かった家宝たる守り刀を静かに長女の茶々へと差し出します。母親としての最後の、そして最も重い言葉が託されました。

秀吉と刺し違えようなど、ゆめゆめ思うてはならぬぞ。
そなたは生きて、妹たちを守るのです。
茶々は、泣きじゃくる妹たちの隣で、母の言葉を気丈に受け入れ、血を絶やさぬと誓います。
市の最期
3人の娘たちが無事に城門を出たことを確認した秀吉は、攻め込みの合図を出しました。凄まじい号令とともに無数の火矢が雨あられと降り注ぎ、激しい太鼓の音が響き渡ります。
城の主殿で、市は静かに短刀を抜き、その冷たい刃を自らの首筋へと当てました。
ですが、その刹那、勝家が市の手を止めます。

そなたを死なせることなどできぬ。
この勝家が最後までお守りいたしまする。
勝家は市の手を握りしめ、二人で歩きはじめました。

すまん
止める秀吉にそう言い残し駆け出す小一郎。
押し寄せてくる羽柴の兵たちを、勝家はまるで鬼神のごとき凄まじい太刀筋で次々と斬り倒していきます。市を命がけで庇いながら、満身創痍になり懸命に刃を振るう勝家。
しかし、退路を断たれた二人は、天守の最上階まで追い詰められていきました。
駆けつける小一郎。
ですが

これが戦じゃ。
誇り高き二人は飛び降り、絶命。
新たな天下人
北庄城の落城を契機に、時代の濁流は一気に加速します。
勝家と結託していた織田信孝は、自害へと追い込まれました。
そして、幼き三法師を完全に自らの庇護下に置いた秀吉は、織田信雄の補佐役という名目を掲げながら、戦後処理のすべてを独断専行で凄まじいスピードで進めていきました。
もはや織田家には、秀吉を止める力を持つ者は誰も残されていません。
後日、羽柴の本拠・姫路城へと身を移された茶々、初、江の3姉妹は、秀吉に導かれて広間へと入りました。
三姉妹を出迎えたのは、これから親代わりとして世話をすることになる秀吉の正室・寧々。
その頃小一郎は、大徳寺に籠っています。

わし好きやないねん、茶
先の甘味のために苦い茶を飲んでいると語る千宗易(千利休)。
小一郎は鐘の音を聞きながら故郷の「願いの鐘」に思いを馳せています。
ちょうどその時、迎えに来た慶。
その夜、秀吉は羽柴家の威信を天下に示すため、家臣たちを集めて絢爛豪華な宴を催しました。
広間の扉が開いて姿を現した秀吉と小一郎。
その頭は、天下の主宰者としての覚悟を示すかのように、月代が青々と見事に剃り上げられています。
重臣たちを見据え、一歩前に踏み出した秀吉。

わしが天下人になる。
できぬと思う者は去って構わぬ。
だが、わしはやると決めたのじゃ。
皆の力をわしに貸してほしい。
力強い呼びかけに家臣たちが喜びに沸くなか、今度は小一郎が声を張り上げます。

これより我らの進む道は、遠く、険しく、楽しき道じゃ!
みな、いざ参ろうそ!
溢れんばかりの酒が注がれ、賑やかで、熱い宴が始まりました。
1583年、ついに夫・柴田軍と羽柴軍が「賤ヶ岳の戦い」で衝突。味方だった前田利家らの戦線離脱により柴田軍は総崩れとなり、お市は勝家と共に居城の「北ノ庄城」へと逃げ込みます。
やがて城は秀吉の軍勢に包囲され、落城は時間の問題。
かつて最初の夫・長政と死別したとき、お市は子供たちのために生き延びる道を選びました。しかし、今回は違いました。織田家の誇りと、二度までも夫を戦で失う悲しみを背負い、勝家と共に死ぬことを固く決意します。
お市はせめて、これからの天下を生き抜くよう3人の娘たちを城外の秀吉のもとへ逃がしました。
そして翌日、柴田勝家が腹を十文字に切り裂くのに寄り添い、燃え盛る城の中で命を絶ちました。
二度目の婚姻期間は、わずか7ヶ月。戦国の世に翻弄されながらも、最期まで自分の意志を貫き通した、36年の壮絶な生涯でした。


