大河ドラマ『光る君へ』のなかで、ついにまひろが源氏物語をしたため始めます。
こちらでは、まひろの描いた「源氏物語」の内容・あらすじを一帖ずつご紹介します。
1桐壷 | 2帚木 | 3空蝉 | 4夕顔 | 5若紫 | 6末摘花 |
7紅葉賀 | 8花宴 | 9葵 | 10賢木 | 11花散里 | 12須磨 |
13明石 | 14澪標 | 15蓬生 | 16関屋 | 17絵合 | 18松風 |
19薄雲 | 20朝顔 | 21少女 | 22玉鬘 | 23初音 | 24胡蝶 |
25蛍 | 26常夏 | 27篝火 | 28野分 | 29行幸 | 30藤袴 |
31真木柱 | 32梅枝 | 33藤裏葉 | 34若菜上 | 35若菜下 | 36柏木 |
37横笛 | 38鈴虫 | 39夕霧 | 40御法 | 41幻 | 42匂宮 |
43紅梅 | 44竹河 | 45橋姫 | 46椎本 | 47総角 | 48早蕨 |
49宿木 | 50東屋 | 51浮舟 | 52蜻蛉 | 53手習 | 54夢浮橋 |
『光る君へ』を深く理解するためのご参考に、また、「源氏物語」の大まかなあらすじを知りたい方のお役立ていただけましたら幸いです。
「源氏物語」六帖:末摘花(すえつむはな)ポイント
六帖は、印象に残る女性・末摘花の初登場の巻です!
ポイント:末摘花の魅力
源氏物語で最も細かく容貌を描写された女性が末摘花です。
極端に古風な教育を受け、頑固で一途、純真そのものの深窓の令嬢「末摘花」は、美男美女ぞろいの源氏物語の中では異色の不美人です。
「髪は素晴らしいが、座高が高く、やせ細っていて顔は青白い、中でも鼻が大きく垂れ下がってゾウのよう、その先は赤くなっているのが酷い有様」と酷評されています。
家柄以外に取柄のない末摘花のように見えますが、頑迷さは純真な心の裏返しであり、物語の中では源氏に忘れられていた間も一途に彼を信じて待ち続けます。
それに感動した源氏により、その後二条東院に引き取られ、妻の一人として晩年を平穏に過すことになります。
では六帖:末摘花(すえつむはな)のあらすじ紹介です。
「源氏物語」六帖:末摘花(すえつむはな)あらすじ
源氏18歳正月頃~19歳正月。
源氏は、はかなく消えた夕顔のことが忘れられません。
その頃、乳母子の大輔の命婦から亡き常陸宮の姫君(末摘花)の噂を聞いた源氏は、荒れた屋敷で琴だけを友として暮らしているという「零落した悲劇の姫君」に憧れと好奇心を抱いて求愛しました。
親友の頭中将とも競い合ってよううやく逢瀬を果たしたものの、彼女の対応のおぼつかなさが源氏を困惑させます。
さらに忙しさに追われしばらくぶりに姫のもとに訪れた源氏は、雪の朝、姫君の顔を覗き見て、その醜さ、特にだらりと伸びた先が赤い鼻に仰天します。
その後もあまりに世間知らずな言動の数々にも辟易しつつも、源氏は彼女の困窮ぶりに同情し、また素直な心根に見捨てられないものを感じて、彼女の暮らし向きへ援助を行うようになりました。
源氏の住む二条院では、源氏が鼻の赤い女人の絵を描いたり、さらに自分の鼻にも赤い絵の具を塗ったりして、美しく成長する若紫と兄妹のように戯れるのでした。