大河ドラマ『光る君へ』のなかで、ついにまひろが源氏物語をしたため始めます。
こちらでは、まひろの描いた「源氏物語」の内容・あらすじを一帖ずつご紹介します。
1桐壷 | 2帚木 | 3空蝉 | 4夕顔 | 5若紫 | 6末摘花 |
7紅葉賀 | 8花宴 | 9葵 | 10賢木 | 11花散里 | 12須磨 |
13明石 | 14澪標 | 15蓬生 | 16関屋 | 17絵合 | 18松風 |
19薄雲 | 20朝顔 | 21少女 | 22玉鬘 | 23初音 | 24胡蝶 |
25蛍 | 26常夏 | 27篝火 | 28野分 | 29行幸 | 30藤袴 |
31真木柱 | 32梅枝 | 33藤裏葉 | 34若菜上 | 35若菜下 | 36柏木 |
37横笛 | 38鈴虫 | 39夕霧 | 40御法 | 41幻 | 42匂宮 |
43紅梅 | 44竹河 | 45橋姫 | 46椎本 | 47総角 | 48早蕨 |
49宿木 | 50東屋 | 51浮舟 | 52蜻蛉 | 53手習 | 54夢浮橋 |
『光る君へ』を深く理解するためのご参考に、また、「源氏物語」の古文を読まれる際にもお役立ていただけましたら幸いです。
では二十四帖:胡蝶(こちょう)のあらすじ紹介です。
「源氏物語」二十四帖:胡蝶(こちょう)あらすじ
光源氏36歳の春から夏。
3月20日頃、源氏は紫の上の住む春の町で船楽(ふながく)を催しました。
秋の町には秋好の中宮(六条御息所の娘)が下がっていたので、その女房たちも招き盛大な宴となりました。
夜も引き続き管弦や舞が行われ、集まった公卿や親王らも加わります。
中でも兵部卿宮(源氏の弟・蛍の宮)は玉鬘に求婚する一人で、源氏にぜひにも姫君をと熱心に頼みます。
翌日、秋の町で中宮による季の御読経が催され、船楽に訪れた公卿たちも引き続いて参列しました。
春の町に住む紫の上は、美しく装った童たちに持たせた供養の花を贈り、中宮に和歌を贈答します。
花ぞののこてふをさへや下草に秋まつむしはうとく見るらむ
(花園に舞う胡蝶をさえも下草に隠れて秋を待つ松虫は疎ましく見ることでしょう)
秋を好む中宮は返します。
こてふにもさそはれなまし心にありて八重山吹をへだてざれせば
(胡蝶にも誘われれて行きたい気持ちがありまして、八重山吹でお隔てになりませんでしたらそちらに出向きましたものを)
夏。
洗練の度を増した玉鬘のもとには、兵部卿宮、髭黒右大将、柏木らから次々と求婚の文が寄せられます。
それらすべて品定めをし対応を指示する源氏。
ただ、みずからの玉鬘への気持ちは募るばかり。
玉鬘は源氏に信頼を置いていますが、紫の上は源氏の本心を見抜き、不安を感じています。
いつか玉鬘への思慕を押さえがたくなった源氏は、ある雨の夕暮れにとうとう想いを打ち明け、傍らに添い臥してしまいます。
源氏は自制し、それ以上の行為はなかったものの、世慣れぬ玉鬘は養父からの思わぬ懸想に困惑するばかり。