朝ドラ『ブラッサム』
第5週(21話、22話、23話、24話、25話)
あらすじ
をご紹介いたします。
予習をして『ブラッサム』をもっと深く楽しみたい方
『ブラッサム』を観る時間のない方
あらすじだけ知りたい方
そんなみなさまのお役に立てましたら、幸いです。
朝ドラ『ブラッサム』第5週(21〜25話)放送日

朝ドラ『ブラッサム』第5週(21〜25話)放送日は
2026年10月26日(月)〜2026年10月30日(金)
です。
朝ドラ『ブラッサム』第5週(21〜25話)あらすじネタバレ

「ぶくぶく堂」
10月、珠が保と東京で暮らし始めて1ヶ月。
下宿屋の主人マキと辰五郎から「本当の兄妹なのか」と疑いの目を向けられながらも、二人は保の実家からの仕送りを頼りに、仲良く暮らしていました。
ある日、珠がいつものように「ぶくぶく堂」へ足を運ぶと、入り口で背の高い一人の男性客とすれ違います。店に入ると、店主の本田が興奮を抑えきれない様子で言いました。

いまの客、秋山格之助先生だよ!『羅城門』『蜘蛛の巣』今一番の売れっこ先生がここにいたんだよ!
小山牛丸
憧れの文士の余韻に珠が胸を躍らせ、珠が本棚にあった小山牛丸訳の『イワンの馬鹿』を手に取ってその素晴らしさを熱く語っていると、突如、「戦争が始まる!」という声を響かせ仙人のような風貌をした男が現れます。
その男こそ、憧れの小山牛丸その人です。
牛丸は珠の前で『イワンの馬鹿』の翻訳について熱弁を振るうと、風のように去っていきました。
その日、マキと辰五郎に疑われた珠は、保との関係や自身の過去を正直に打ち明けました。
レストラン「悠樂軒」
1917年(大正6年)10月、平穏な暮らしに転機が訪れます。
保の父親が入院し、実家の家計が逼迫して仕送りが途絶えてしまったのです。照子からの便りを読んだ珠は、保を学業に専念させるため、自分が働くことを決意します。
辰五郎が新聞で見つけてくれた西洋レストラン「悠樂軒」のウェイトレスの求人広告を手に店を訪ねる珠。「悠樂軒」は西洋風の華やかな店で、店長の熊田はすぐに珠の採用を決めました。
『首都公論』黒崎大三郎
翌日から、珠は朝10時から夜8時まで「悠樂軒」で働き始めます。同僚のウェイトレスはスギとヨネ、松子。
店には毎日、時代の最先端を行く華やかな客たちが次々と来店します。
ある日やってきたのは、当代随一の文芸誌「首都公論」の編集長・黒崎大三郎と、副編集長・山中勇三でした。
日本中の作家が原稿を載せてもらおうと必死に群がるという大物編集者です。
黒崎は実に羽振りがよく、珠の接客を気に入ったのか、50銭という破格のチップを置いて豪快に帰っていきます。
その一方で、保もまた同級生の紹介で新聞配達の仕事を始め、二人で生活を支え合います。
秋山格之助
そんなある日、「悠樂軒」の片隅で、一人の客が周囲の喧騒を忘れたように洋書を読みふけっていました。
その男がほかでもない作家の秋山格之助だと知った珠は、あまりの感動に激しく胸を震わせます。
左良太
さらに店では、作家志望の青年・左良太とも知り合いました。
左は黒崎たちの会話を巧みに盗み聞きし、文壇が今どんな作品を求めているか、執筆前に情報を集めているのだと笑います。
すでに自分も小説を書いているのだと、珠が少し得意げに明かすと、左は珠を気に入りました。
黒崎の評価
その晩、珠はついに渾身の作品を書き上げます。
この原稿を、あの黒崎に読んでもらいたい――。
翌日、珠は店を出ようとする黒崎を追いかけ、胸に抱いた原稿を差し出しました。

抱えている一流の作家など脇へやってでも読めと、そういうんだね?

お願いします!
黒崎は笑いながら原稿を受け取りました。
ですが後日、黒崎から原稿を突き返された珠。

稚拙。つまらん
的を射たダメ出しをされた珠は、黒崎に礼を言い、気丈に仕事に戻ります。
保の優しさ
その晩、すっかり元気をなくした珠から話を聞いた保は、優しく珠を元気づけます。
ただ、その優しさに触れるうち、珠の心には「このまま、優しい兄様のままでいてほしい」という、臆病な願いが頭をもたげるのでした。
秋山格之助の言葉
ある日、珠は来店していた秋山格之助に声をかけられます。
黒崎に小説を酷評されたのだと、珠が明かすと、秋山は静かに、けれど深く語りかけました。

こき下ろされて傷つくのは自分を信じた証拠だろう
その言葉が、冷え切った珠の心に火を灯します。
左との握手
その日の仕事を終え、夜道を歩く珠を、左良太が待ち構えていました。
左は、3年前に大阪から上京したものの、楽器に手を出したりとフラフラしていたのだと明かします。
しかし、真摯に小説と向き合う珠に出会ったことで、初めて本気で原稿が書けるようになったのだと。

小説を書くもの同士、頑張ろう
左が差し出した手を、珠が握りしめたその時です。
迎えにきていた保が、その光景を目の当たりにしました。
保の嫉妬
親しげに手を握り合う二人の姿に、保の目に嫉妬の炎が燃え上がります。気圧された左は、そのまま退散していきました。
下宿の部屋に戻っても、保の怒りは収まりません。

恋仲になったら、きっといつか終わりが来る
男女の関係になることを恐れ、距離を保とうとする珠を、保は力強く抱き寄せました。

わしは珠さんを裏切らん。まだわしは、兄様のままか

兄様じゃない。うちは保さんが好きじゃ
黒崎の本音
同じ頃、『首都公論』の編集部では、黒崎が机に向かいながら、副編集長の山中にぽつりと本音を漏らしていました。

稚拙とは言ったが、言い換えれば純粋。
油断していると無邪気に心をえぐりにくる瞬間があった。
ぞっとしたよ
名編集長をも戦慄させる才能の片鱗。
珠の妊娠
それから数ヶ月が経った頃、珠は自身の体に訪れた微かな異変に気づきます。
それは、保との間に新しい命が宿ったという、確かな兆しでした。
朝ドラ『ブラッサム』第5週(21〜25話)あらすじと史実の比較
「悠樂軒」モデル
レストラン「悠樂軒(ゆうらくけん)」のモデルは
レストラン「燕樂軒(えんらくけん)」です。
燕楽軒は、大正時代に現在の東京都文京区本郷に存在した、伝説的なフランス料理店(西洋料理店)。
名だたる文豪が通った文学史上の重要な舞台として、また歴史的な事件の現場として知られています。
春日通りを挟んだ向かい側に中央公論社があったことから、名編集長・瀧田樗陰をはじめ、芥川龍之介、菊池寛、久米正雄、佐藤春夫、今東光などの文豪たちが頻繁に集いました。
また、1924年(大正13年)、アナキスタの和田久太郎が店から出てきた陸軍大将・福田雅太郎を路上で狙撃した「燕楽事件」の現場でもあります。
現在は、戦災で消失し、現存していません。
昭和初期に廃業し、建物もその後の戦災で焼失したため現存していません。本郷三丁目交差点近くのビル(文京センタービル周辺)が跡地とされています。
黒崎大三郎モデル
「首都公論」編集長・黒崎大三郎のモデルは、
「中央公論」編集長・瀧田樗陰(たきたちょいん)です。
宇野千代さんの自叙伝には、次のような記述があります。
昼食のとき、必ず毎日、姿を見せる客があった。「金時さん」という渾名の、血色の好い赫ら顔をしていて、りゅうとした和服姿の客であったが、いつでも私の受け持ちの席に腰を下ろし、一言も口を利かないで、猛スピードで食事を済ませ、がっと一気にビールを飲み干すと、食事代のほかに、きまって卓子の上に五十銭玉の大きな銀貨をぽんと一つおいて、そそくさと立ち去るのであった。その人が、電車道を距てて燕楽軒の真ん前にあった、あの、中央公論社の名編集長である、瀧田樗陰であろうとは、私は夢にも知らなかった。
大正6年当時の50銭は、現在の2,000〜3,000円ほどの価値だったようです。

