朝ドラ『ばけばけ』
第25週(121話、122話、123話、124話、125話)
最終週「ウラメシ、ケド、スバラシ。」あらすじをご紹介いたします。
『ばけばけ』をもっと深く楽しみたい方
『ばけばけ』を観る時間のない方
あらすじだけ知りたい方
そんなみなさまのお役に立てましたら、幸いです。
朝ドラ『ばけばけ』最終回第25週(121話、122話、123話、124話、125話)放送日

朝ドラ『ばけばけ』第25週(121~125話)放送日は
2026年3月23日(月)〜2026年3月27日(金)。
最終回は、2026年3月27日です。
朝ドラ『ばけばけ』第25週(121話)あらすじ

『KWAIDAN』
9月の半ば。
アメリカから届いた大きな荷物。
中には、トキとヘブンが二人三脚で書き上げた日本の怪談集『KWAIDAN』が、収められていました。
完成を待ちわびていたトキ、司之介、フミ、そして勘太、勲、クマたちは、手に取った本を囲んで大はしゃぎ。家中に歓喜の声が響き渡ります。
そんな賑やかな光景を見つめるヘブン。
同梱された書評には作品への評価が記されていました。

タイソウ、ウレテル、ニンキ。
オモシロイ。
ヘブンは家族に好評だと伝えます。
『怪談』
丈が翻訳した日本語の『怪談』も出来上がります。
これはトキのためヘブンが依頼したものでした。

アナタノ、ハナシ、
アナタノ、コトバ、
アナタノ、カンガエ、
スベテ、ツマッテイマス。
セカイイチ、ホン、デス。
胸の痛み
ただ、実際に書評に書かれてあったのは、次の言葉でした。
unhappily -to be little more than a collection of folktales fit chiefly to amuse children.
(残念ながら子供だましの民話集にすぎない)
夜、1人で読み終えた瞬間、ヘブンの胸に鋭い痛みが走ります。
数日後、医者の診断を仰ぎ、自らに残された時間が短いことを悟ったヘブンは、

ヤマイ、エマシタ。
ムネ、イタミ、スル。
全財産をトキへ託すという一筆と、自らの遺骨を納めるための小瓶をトキに託しました。
朝ドラ『ばけばけ』第25週(122話)あらすじ
返り咲きの桜
子供たちの笑い声に耳を傾けながら、トキとヘブンは穏やかな時間を分かち合っています。
クマの言葉でふと目をやると、庭の片隅で季節外れの桜がひっそりと花を咲かせています。
不吉の知らせとも言われる『返り咲き』の淡い紅を目にした瞬間、ヘブンの記憶は鮮やかに遡りました。
それは、ヘブンが初めて日本の土を踏んだ、あの日の情景。
満開の桜に迎えられた自身の原点に想いを馳せながら、ヘブンは今、ここに辿り着いた幸福を静かに噛み締めていました。
西向きの部屋
食卓。ヘブンは、魚の小骨を取ってほしいとトキに頼みます。
新婚の頃を思い出すような、久しぶりの甘やかな願い。
二人は顔を見合わせ、懐かしい記憶を手繰り寄せます。

ヤマイ、マタ、キマシタ。
黄昏のとき、西向きの部屋
縁側に腰を下ろした二人は、目の前に広がる夕映えを眺めながら、静かに語り合っています。

シヌトモ、ナク、ケッシテ、イケマセン。

はい。子どもとカルタして遊びます。

ネガイマス。
沈みゆく陽光が、寄り添う夫婦の影を穏やかに包み込んでいきます。
散りゆく桜とともに死は静かに訪れました。
ヘブンの墓に錦織の帽子を供え、トキはサワの胸で涙を流します。
1903年1月
夏目漱石さん雇用のため帝国大学から解雇通告を受けた小泉八雲さんは、怒りをパワーに変えて執筆に打ち込みます。1904年4月
『KWAIDAN』(怪談)出版。
耳なし芳一の話(The Story of Mimi-Nashi-Hoichi)
むじな(Mujina)
ろくろ首(Rokuro-kubi)
葬られた秘密(A Dead Secret)
雪女(Yuki-Onna)など
全17編の怪奇・幻想的な物語からなります。
これらの物語は、日本各地の民話や伝説をもとに、八雲さん独自の解釈と文学的な手法で再話され、世界中で読み継がれています。
なお『KWAIDAN』という表記は、松江訛りの発音に由来していると考えられています。1904年5月
喀血を伴う気管支炎を発症。
家族を心配しながらも妻・セツさんに甘えるようになっていったそうです。
亡くなります二、三日前のことでありました。書斎の庭にある桜の一枝がかえり咲きを致しました。(中略)日本では、返り咲きは不吉の知らせ、と申しますから、ちょっと気にかかりました。けれどもヘルンに申しますと、いつものように「ありがとう」と喜びまして、縁の端近くに出かけまして「ハロー」申しまして、花を眺めました。「春のように暖かいから、桜思いました、ああ、今私の世界となりました、で咲きました、しかし……」といって少し考えていましたが「かわいそうです、今に寒くなります、驚いてしぼみましょう」と申しました。花は二十七日一日だけ咲いて、夕方にははらはらと淋しく散ってしまいました。この桜は年々ヘルンに可愛がられて、ほめられていましたから、それを思ってお暇乞を申しに咲いたのだと思われます。
(『思ひ出の記』小泉節子)
1904年9月26日
夕食をたべました時には常よりも機嫌がよく、冗談などを云ひながら大笑いなど致してゐました。「パパ、グッドパパ」「スウィート・チキン」と申しあつて、子供等と別れて、いつものやうに書斎の廊下を散歩してゐましたが、小一時間程して私の側に淋しさうな顔して参りまして、小さい声で「ママさん、先日の病気また帰りました」と申しました。私は一緒に参りました。暫らくの間、胸に手をあてて、室内を歩いてゐましたが、そつと寝床に休むやうに勧めまして、静かに横にならせました。間もなく、もうこの世の人ではありませんでした。少しの苦痛もないやうに、口のほとりに少し笑を含んで居りました。
(『思ひ出の記』小泉節子)
死因は狭心症でした。
朝ドラ『ばけばけ』第25週(123話)あらすじ
イライザ弔問
アメリカから来日したイライザは、錦織丈の通訳のもと西向きの書斎に案内され、トキと共にヘブンを追悼します。
和やかな時間は長くは続きませんでした。
最後にベストセラーが書けてよかったと話すトキ。
イライザは、売れてもおらず評判も悪い、なぜ『KWAIDAN』のような子どもでも読める民話集を書いたのかと、納得できない様子です。
アメリカでの『KWAIDAN』の評価を知ったトキは動揺を隠せません。
イライザの怒り
一方、トキこそがその作品を生む原動力だったと知ったイライザは、机を叩き、「最後のチャンスだったのに」と涙を流し、怒りを露わにします。

This is too much!
It’s ruined.
Everything is ruined.
(いい加減にして!
台無しだわ。
ぜんぶ台無し。)

アイム…ソーリー…
トキは謝ることしか出来ません。
怒りに任せ家を飛び出していくイライザ。

とりあえず塩撒いとくけん。
イライザの依頼
追いかけた丈が、ヘブンも怪談を書きたかったのだと説明すると、イライザは入り乱れる感情の果てに、ヘブンのためにトキにしか書けない生前のヘブンの回顧録を執筆するよう依頼するのでした。
生前、小泉八雲さんから家族のことを頼まれていたエリザベス・ビスランドさんは、八雲さんが亡くなった4日後の夜に新聞で訃報を知り、翌日セツさんに「自分になにかできることはないか」と手紙を送って、方針を一緒に考えます。
①伝記を書き、印税を遺族に
1906年、伝記『ラフカディオ・ハーンの生涯と書簡(The Life and Letters of Lafcadio Hearn)』を執筆して、その印税を小切手ですべて小泉セツさんに贈りました。
②セツさんに回想録『思ひ出の記』の執筆を依頼
セツさんにも『思ひ出の記』の執筆を勧めたエリザベス・ビスランドさん。
『思ひ出の記』は英訳され『ラフカディオ・ハーンの生涯と書簡』に収められただけでなく、日本語でも出版され、現在も多くの人に愛されています。
③一雄さんの将来に協力的
生前、ラフカディオ・ハーンさんから長男小泉一雄さんの海外留学を頼まれていたため、一雄さんの渡米を促し、協力を申し出ます。
朝ドラ『ばけばけ』第25週(124話)あらすじ
自責の念
仏壇にゆで卵を供え、朝が始まりました。
ヘブンの回顧録のため、ヘブンの思い出を一言でも教えてほしいと丈が訪ねてきました。

ごめんなさい、できん…
パパさんの最後台無しにしてしまったけん。
最低な人生にしてしまった私が、ええ人生送っちょりました、なんてとてもじゃないけど。
胸を去来するのは激しい後悔ばかりで、言葉を紡ぐことができません。
自分を責め、深く落ち込むトキを見かねて、司之介とフミ、クマが助け舟を出します。
二人は少しでもトキの心を軽くしようと、ヘブンとの楽しかった思い出を語りかけますが、今のトキにはそれさえも届きません。
フミの言葉
何を言われても否定し、心を閉ざしてしまうトキに、2人の子どもたちができたことを「最低の人生」とは言わせないと司之介。

私が言うのもなんだけど、こげな世界一のママさんがおる、世界一の家族ができたんだけん、私にはええことの方が多いように思えるがね。
なんでもええけん、丈さんにお話ししたら?
反省でも後悔でもええ。謝るでも愚痴こぼすでもええ。
話したら少しは楽になるけん。
もしそれが寂しい話だったとしても、私が傍におるけん。
ヘブンとの思い出を
トキは、司之介とフミに見守られながら、丈にヘブンとの思い出をゆっくりと語り始めました。
ですが、出てくるのは懺悔の言葉ばかり。

あの頃の私は気づいちょりませんでした。
私があの人を縛り付けちょるということを。
朝ドラ『ばけばけ』最終回第25週(125話)あらすじ
フロッグコート
ヘブンとの思い出は続きます。
嫌がるフロックコートに身を包み、「西洋人らしく」出勤していくヘブン。トキはその留守を預かり、帰りを待つ間に革靴を磨いています。

西洋の靴って「なす」ですよね。
前々から思っとって、「なす」履いちょるな〜って。
クマと話していると、帰宅した八雲がフロックコートを脱ぎ捨てます。
ふと、八雲にコートの名前を尋ねると、

フロッグコート?
(蛙コート)

フロッグコート…
グアグア
それからヘブンは、以前とはうって変わって笑顔で袖を通すようになったのです。
自分のせいでヘブンに無理をさせていた、呆れて笑っていた、と悔やむトキ。
ですが丈がトキの間違いを指摘し、ヘブンがトキの言葉を楽しんでいたと真相を伝えたことで、誤解が解けて家族は笑いに包まれます。

なしなしなしなし!
今の話、全部なし!
何気ない日常を

こげな話がええんだない?
ヘブンさんと2人こげな夫婦だっただない。
他愛もない、ほんに他愛もない、素晴らしな毎日だっただない。
ふと見上げると日常を描いた数多の絵。
二人の何気ない日々があふれています。
トキは声をあげて泣き崩れます。
蚊
するとどこからか一匹の蚊。
トキの手の甲にとまり、ちくり。

パパさん…ええ?
そういえばパパさんは蚊が好きでした。
生まれ変わったら蚊になりたいっていっちょるほどで
それから三日三晩(四、五日)、トキはヘブンとの他愛もない思い出を語り続け、
こうしてトキが語った言葉は、『思ひ出の記』という一冊の本になりました。
散歩しましょうか
あの世でしょうか。
暗がりのなか、ろうそくの前で自身の人生を語り終えたトキ。

これが、わたし、トキの話でございます。

ママサン、スバラシ。

パパさん、お散歩行きましょうか?

ハイ
ろうそくの火を吹き消し、手をつなぎ歩き出す2人。

ドコニ、サンポ、スル?

ええ?お寺?

ウン。
スキップ!シマショウカ?

ここで?

ハイ!

タッタタッタタッタ

タタッタタッタタッタタッ
この世はうらめしい。けど、すばらしい。
『思ひ出の記』小泉節子著

『思ひ出の記』は、ヒロインの実在モデルである小泉セツさんの語りを口述筆記で綴られています。
西田千太郎さん(錦織友一モデル)への感謝や庭の蓮池に住むヘビとカエルのエピソードなど、ドラマでは描ききれない小泉八雲(ヘルン)さんとの13年8ヶ月の思い出が満載。
『ばけばけ』主題歌も、この『思ひ出の記』から発想を得て作られたそうです。
やさしい語り口調で、字のフォントが大きい、優しい一冊です。
巻頭にはセツさんのお写真が、巻末には小泉家の家系図や年表が、掲載されています。
【タイトル】『思ひ出の記』
【著者名】小泉節子
【出版社】ハーベスト出版
【価 格】1,760円
【I S B N】9784864565332


