2026年NHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』
第23話「さらば半兵衛 」
あらすじ
をご紹介しています。
黒田官兵衛の幽閉と松寿丸(官兵衛の息子)の命の危機、そして半兵衛の秘めたる決意という、戦国ファン屈指の緊迫した名場面。
お楽しみいただけると幸いです。
※ネタバレ含みます
第 1回 1月 4日 |二匹の猿
第 2回 1月11日 |願いの鐘
第 3回 1月18日 |決戦前夜
第 4回 1月25日 |桶狭間!
第 5回 2月 1日 |嘘から出た実
第 6回 2月15日 |兄弟の絆
第 7回 2月22日|決死の築城作戦
第 8回 3月 1日|墨俣一夜城
第 9回 3月 8日|竹中半兵衛という男
第10回3月15日|信長上洛
第11回 3月22日 |本圀寺の変
第12回 3月29日|小谷城の再会
第13回 4月 5日|疑惑の花嫁
第14回 4月12日|絶体絶命!
第15回 4月19日 |姉川大合戦
第16回 4月26日|覚悟の比叡山
第17回 5月 3日|小谷落城
第18回 5月10日|羽柴兄弟!
第19回 5月17日|過去からの刺客
第20回 5月24日 |本物の平蜘蛛
第21回 5月31日 |風雲!竹田城
第22回 6月 7日 |播磨大誤算
第23回 6月14日 |さらば半兵衛
第24回 6月21日 |軍師官兵衛!
第25回 6月28日 |変事の予兆
第26回 7月 5日 |信長を笑わせろ!
第27回 7月12日 |本能寺の変
第28回 7月19日 |急げ!秀吉
第29回 7月26日 |天下への道
第30回 8月 2日 |清須会議
第31回 8月 9日 |これで、お別れにございます
第32回 8月16日 |賤ケ岳の決闘
第33回 8月23日 |市の最期
大河ドラマ『豊臣兄弟!』第23話 あらすじ

毛利輝元と宇喜多直家
1578年(天正6年)安芸吉田郡山城。
西国の覇者・毛利輝元の元で軍議が開かれていました。
宇喜多直家は「今こそ一気に上洛し、天下を掴むべき」と熱く進言しますが、総大将の輝元は冷静に問いかけます。
「そこに大義はあるのか」。
この戦はあくまで播磨の国衆を救うためのものであるとし、輝元はどこまでも慎重な姿勢を崩しませんでした。
荒木村重の説得
一方、織田方は毛利に寝返った有岡城の荒木村重への対応に、苦慮していました。
明智光秀が単身で有岡城へ乗り込み説得を試みますが、村重は「一度壊れた信頼は修復できない」と拒絶。
これを受け、以前から村重と深い付き合いのあった小寺官兵衛が、決死の説得に名乗りをあげました。
しかし、本陣の竹中半兵衛は「村重は裏切り者として容赦なく討ち取り、見せしめにすべき」と主張。
二人の軍師の意見は平行線のまま、官兵衛は半兵衛の制止を振り切り、有岡城へと向かいます。
官兵衛、囚われる
有岡城に乗り込んだ官兵衛は、旧知の仲である村重の目を真っ直ぐに見据え、「今回の謀反は毛利の罠にはめられた結果ではないか」と問い、信長ともう一度話し合うよう勧めます。
ですが、村重は「罠にはまるような弱者を信長が助けるはずがない」と答え、官兵衛をじっと凝視。

で、お主はいつ織田に手のひらを返すのじゃ?
顔を見ればわかる。
わしはそうやってこれまで生き延びてきたからのう。
官兵衛が出て行こうとすると、高山右近が刀を手に立ち塞がります。
右近を制する村重。

生かしておけ。いざという時、人質として役に立つやもしれぬ。
そうじゃ、小寺官兵衛は我らに寝返ったと広めよ。
奴らを惑わし、足並みを乱すのじゃ。
官兵衛、疑われる
数日後、小一郎は信長からの書状を手に秀吉の元へ急ぎます。
そこには、裏切りの嫌疑がかかった官兵衛の嫡男・松寿丸を「即座に処刑せよ」という、信長からの容赦なき命が記されていました。
官兵衛の裏切りが決まったわけではないものの、潔白の証拠がなければ信長は絶対に納得しない。誰もが絶望に沈むなか、病に蝕まれた半兵衛が「自分が長浜城にいる松寿丸の元へ向かう」と進み出ました。
半兵衛は小一郎らに、病死した子供をどこからか見つけ、その亡骸を身代わりにして松寿丸を救い出すという、一か八かの替玉作戦を提案します。

万が一露見してもすべては私の一存でやったこと。
責めは私が負いまする。
どうせ消えゆく身。
これほど都合の良いことはござらぬ。
小一郎の疑念
しかし、小一郎の胸には拭いきれない疑念が渦巻いていました。半兵衛は羽柴家を信長の怒りから完全に守るため、自分たちを欺いて、本当に松寿丸を手にかけるつもりではないのか――。
長浜城では、半兵衛を出迎えた寧々らが事情をいち早く察し、「松寿丸の姿が見当たらない」と芝居を打ちますが、半兵衛は「松寿丸を探してください」と家臣に命じます。
そこへ、半兵衛の真意を暴くために追ってきた小一郎が立ちはだかりました。
やはり小一郎の予感は的中していたのです。
半兵衛は羽柴のため、本当に松寿丸を斬る覚悟でした。

万に一つ、そなたの命が残りわずかだとしても、そなただけに責めを押し付けることはせぬ。だから共に松寿丸をお助けくだされ。
ですが半兵衛の家臣が松寿丸を捕まえ連行してきました。
緊張が走る中、半兵衛は呟きます。

私の勝ちにござりまする。
その時です。
突如、慶が産気づきました。
慶の出産
あまりの事態に、それまでの冷徹さを忘れて激しく狼狽する小一郎と半兵衛。
二人は女たちに言われるがまま、慶を大急ぎで部屋へと運び込みます。
半兵衛は部屋の外へと追い出されてその場にへたり込み、小一郎はただ祈るような気持ちで、閉ざされた襖をじっと見つめ続けました。
やがて、産声が上がります。
元気な女の子の誕生に、小一郎は溢れる喜びと戸惑いの中で、こみ上げる愛おしさを噛み締めます。初めて我が子をその腕に抱き、あまりの軽さに目を見張ります。
そして小一郎は、少し離れたところからその光景を寂しげに見ていた半兵衛に、「この子を抱いてほしい」と頼みました。
恐る恐る、壊れ物を触るように赤子を腕に抱く半兵衛。
その小さな命の温もりと重みを感じた瞬間、冷徹な軍師の心が揺さぶられます。半兵衛は小一郎に「私の負けにござります」と微笑み、当初の予定通り、命を救う替玉作戦を実行することを決意したのです。
さらば半兵衛
それからしばらくして、半兵衛は三木城攻めの陣中にいました。
病床で息も絶え絶えになりながら、半兵衛は秀吉に消え入るような声で呟いています。

私も戦場へ出とうござる。
私が風向きを変えて見せまする。
その言葉が現実となる時が訪れます。
まさにその頃、宿敵であった宇喜多直家が、毛利を裏切り織田に寝返ったという報せが毛利陣営を震撼させていました。
かつて半兵衛の強い主張によって確保していた「生野銀山」の莫大な資金が、宇喜多を調略するための決定的な切り札となったのです。
総崩れとなり、次々と敗走していく毛利軍。
その劇的な光景に羽柴軍が勝利の歓喜に沸き立つなか、すべての役目を果たした天才軍師・竹中半兵衛は、静かに、永遠に、その目を閉じるのでした。

