朝ドラ『ブラッサム』
第7週(31話、32話、33話、34話、35話)
あらすじ
をご紹介いたします。
予習をして『ブラッサム』をもっと深く楽しみたい方
『ブラッサム』を観る時間のない方
あらすじだけ知りたい方
そんなみなさまのお役に立てましたら、幸いです。
朝ドラ『ブラッサム』第7週(31〜35話)放送日

朝ドラ『ブラッサム』第7週(31〜35話)放送日は
2026年11月9日(月)〜2026年11月13日(金)
です。
朝ドラ『ブラッサム』第7週(31〜35話)あらすじネタバレ

家探し
1920年(大正9年)5月
頼母子講に当たってから3ヶ月の月日が流れたある日、珠は保に家が欲しいと打ち明けました。

うち、ここが好きじゃ、ずっとここにおりたい
北の大地で生きていく強い覚悟を決めた珠の言葉に、保もうなずき、二人は正吾が紹介してくれた不動産屋を通して家探しを始めました。
医師の言葉
しかし、珠は、念のため訪れた助産院で、医師から思いもよらない言葉を告げられました。

元気な赤ちゃんが生まれるのには、望みが薄い体なんじゃと
珠はショックのあまり仕立ての仕事にも身が入らなくなり、保もまた、子供を持つ夢が叶わないという現実を受け止めることができません。
行き場のない悲しみを抱えた保は、正吾と浪江に、この苦しい事情を打ち明けました。
懸賞小説「脂粉の顔」
12月。
いつものように保を仕事へと送り出した後、珠は何気なく広げた新聞の紙面に目を奪われます。
『時代新報・新人小説募集。募集締め切り、十二月二十日』
その文字を見た瞬間、珠の脳裏に、かつて東京の「悠樂軒」で文学や芸術に囲まれて過ごした熱い日々が鮮烈によみがえりました。
その晩、保が寝静まったのを見計らい、珠は文机に向かいました。何かに突き動かされるように、原稿用紙に覆いかぶさるようにして必死にペンを走らせ始めます。
約1週間、寝食を忘れて書き上げた小説は「脂粉の顔」と名付けられました。
保は、珠が夜な夜な小説を書いていることに気づいていましたが、元気になったことを喜んでくれました。
一等に選出
明けて1月。朝刊を開いた保は、驚いて珠を呼びました。
なんと、応募した「脂粉の顔」が見事一等に選ばれ、紙面に大きく掲載されていたのです。賞金は200円。
珠のこの快挙は、またたく間に町中の評判となりました。
しかし、珠の胸中には小さな悔しさがくすぶっています。
選評の欄に、こう書かれていたからです。
「必ずしも一等としたい作品がない中で、その題材には新鮮さがあり、一等に推した」
その一方で、二等の西尾一路という人物の作品「監獄にて」については、「およそ新人らしからぬ成熟した筆致には舌を巻いた」と絶賛されていました。
一等をもらいながらも、負けたような、言葉にできない口惜しさが珠を刺激します。
執筆への情熱
正吾から家を買う話はどうなったかと聞かれた保は、珠に新しい候補物件を見に行こうと声をかけました。
けれど、珠は少しだけ待ってほしいと、保に謝ります。
一度火がついた「書きたい」という衝動は、どうしようもないほど、珠の心の奥から湧き上がっていたのです。
珠はかつて、故郷である岩国のことを書き留めていた古い原稿を見つけ出しました。
これを徹底的に書き直し、東京の「首都公論」の編集者・黒崎の元へ送ることを決意します。
保の優しさ
その日、家に帰ってきた保にそのことを報告すると、保は少し戸惑った様子でしたが、それでも言葉を絞り出しました。

うん、やりたいことがあるいうんは、いいことじゃけえの
保のどこまでも優しい言葉が、かえって珠の胸に重い罪悪感を刻みつけます。
そんな二人の様子を心配した正吾は、ある日、家族のために生き、保をしっかり支えてやってほしいと、珠を諭します。
真夜中、珠は原稿用紙に向かいながら涙をこぼします。
家庭を求めている保と、表現せずにはいられない自分――二人の間にある、どうしようもなく深い溝の存在に気づいてしまったからでした。
「墓を発く」
それでも珠は、昼間の家事と仕立ての合間を縫って、書き続けました。
保はそんな珠の姿を、何も言わずにただ静かに見守ります。
そして冬のある朝、ついに二作目となる「墓を発く(あばく)」が書き上がりました。
それは、珠が岩国で見聞きした現実をもとに、人間の業を冷徹に描いた自信作でした。
夜通し書き続けて頭が火照っていた珠は、歓喜のあまり、思わず雪の積もる外へと裸足のまま飛び出し、冷たい空気の中で書き上げた喜びを噛みしめました。
珠はさっそく、黒崎へ宛てた手紙を添えて、原稿を東京へと郵送します。
なしのつぶて
1922年(大正11年)を迎えても、「首都公論」の黒崎からは何の音沙汰もありませんでした。
珠は「ちゃんと読んでもらえたのだろうか」と不安で胸がいっぱいでしたが、保はそれを遮るように、「そろそろ、新しい家を見に行かんか?」と話題を変えました。
珠、東京へ
ある晩、珠は保に黒崎に会うために東京に行きたいと許しを請います。突然の申し出に、納得がいかないというように表情を曇らせる保。

あの小説は今のうちの全部なんよ。
宙ぶらりんのままなかったことにされてしもうたら、自分も消えていなくなるようじゃ

じゃが、わがままもうこれきりじゃ、ええの。
根負けした保は東京行きを承諾し、珠は東京へ旅立ちました。
「首都公論」編集部の評価
しかし、珠の知らないところで、事態は大きく動いていました。
3ヶ月前、東京の「首都公論」編集部では、届いた「墓を発く」を読んだ副編集長・山中と編集長・黒崎が、珠の才能を絶賛していました。

切実ですね。理想や幻想を排除した切実さを私は感じました。この世に生きるものすべてに降りかかる理不尽や不公平の奥に、静かな怒りも見てとれる

しかもだ。己がそれに加担しているかもしれないという絶望まで書かれてる
そうとは露知らず、編集部を訪れた珠。
若手編集部員の横田が発送の手間を惜しんだせいで、黒崎からの手紙がまだ札幌に届いていなかっただけだと分かります。

気分はどうだ?

…最高じゃ
その場で手渡された原稿料は、なんと300円。
当時の大金に珠は目を丸くします。
「首都公論」の原稿料としては、これでも最低限だと言われ、山中からは、その圧倒的な筆力を改めて称賛されました。
相談したい人
すぐに次回作の打ち合わせを始めようと急ぐ黒崎に対し、珠は胸の高鳴りを抑えながら、戸惑ったように言いました。

どうか1週間だけ待っていただけないでしょうか?
どうしても相談したい人が
故郷・岩国へ
その頃、札幌で一人待つ保は、珠が諦めて札幌に帰ってくるに違いないと高をくくっていました。
ですが、そんな保の元に届いたのは、珠からの短い電報でした。
保は、そこに並んだ文字に息を呑みます。
『コレカラ イワクニヘ イク』
保の驚きをよそに、その頃、珠は車窓から外を眺めていました。
自らの表現の原点であり、様々な思いが渦巻く故郷・岩国へと向かっていたのです。
朝ドラ『ブラッサム』第7週(31〜35話)あらすじと史実の比較
「脂粉の顔」「墓を発く」
「脂粉の顔」「墓を発く」「監獄にて」はそれぞれそのままのタイトルで実在する作品です。
1921年(大正10年)宇野千代さん24歳、「時事新報」の懸賞小説に応募した処女作「脂粉の顔」が一等に当選し賞金200円を得ます。
二等は尾崎士郎さん、選外佳作は横光利一さんでした。
次いで「墓を発く」を執筆し、中央公論社の滝田樗陰に送るも連絡がなく、1922年(大正11年)採否を案じて札幌から上京し
5月「中央公論」誌に掲載された「墓を発く」原稿料366円を受け取り岩国に帰郷しています。

